脳科学と障害のある子どもの教育に関する研究
研究の実施計画
- 趣旨及び目的
- 研究全体の概要
- 障害のある子どもを対象にした研究推進のための科学的正当性と倫理的妥当性に関する基礎研究と研究所における倫理規定の策定
- 脳科学的評価を加える必要がある特殊教育分野の教育課題に関する研究、特に研究所の過去の研究を中心に(感覚障害、自閉症、重度重複障害等)
- 学習障害、注意欠陥多動性障害等に関連する機能障害の解明と教育的課題解決への応用
- 特殊教育分野での教育課程・教育方法などの開発のための知識の集積に関する研究。併せて、研究所の障害児の脳科学に関連する心理教育的データのデータベースを構築し、他機関との共同研究体制に資する。
- 期待する成果
- 平成16年度の計画
- 研究分担者・研究協力者・研究協力機関・研究パートナー
- 研究分担者
- 研究協力者
- 研究協力機関
- 実施計画
- 倫理規定策定を目指した文献収集と文献学的考察及び倫理規定の策定
- 脳科学的評価を加える必要がある特殊教育分野の教育課題の整理
- 研究所における脳科学の知識の普及(全国の教育系研究者への脳科学に対する関心度調査の実施)
- 学習障害、注意欠陥多動性障害等に関連する機能障害の解明を目指した予備的研究の実施(特に測定法に関するもの)
- これまでの活動の成果
- 倫理要項の策定
近年、人を対象とした脳機能の非侵襲計測が可能となり、医学、行動科学、心理学など脳に関する研究が進展してきました。 文部科学省は、これら研究を教育に応用することで、人が本来有する能力の健やかな成 長・発達を支援し、障害のある子どもにおいては、 その障害による困難を改善・克服し、よりよい生活の質を目指すことを目的に「脳科学と教育」研究を推進していく方針を示しました (平成15年7月3日;「脳科学と教育」研究の推進方策について)。特殊教育においても、著しい進展をみせる脳科学の視点からの研究は今後の重要な課題であり、 特殊教育のナショナルセンターとして本研究所が取り組む意義があります。
この研究は、当面3か年を目途に、研究所における研究推進体制の基盤整備を行います。第1に、倫理的な配慮のもとに研究を行う必要から、倫理規定の整備を行います。 第2に、特殊教育において脳科学を応用できる分野の整理を行い、研究所での脳科学の知識や情報の集積を行います。第3に、研究所において脳機能の非侵襲計測を行うための 機器の整備と測定技術の向上を図ります。第4に、学際的な研究体制を確立するために、大学や研究所等の共同研究機関との連携を推進します。 この中で、現在すでに効果の確立されている指導方法についての脳科学に基盤を置く理論構築を行い、さらに効果のある指導方法の開発につなげるための方法論の開発を目指します。
学習メカニズム、知覚・認知メカニズム、コミュニケーション能力など、特殊教育の場における重要な研究課題をふまえつつ、研究所における 「脳科学と障害のある子どもの教育」に関する研究の基盤整備を中心とした以下の研究を行います。
研究所における脳科学の研究体制の基盤が整備され、今までの研究所における障害児教育成果を脳科学的手法を用いて評価し、 またそれらを応用した教育法の開発が期待できる。
西牧謙吾 | 教育支援研究部総合研究官 | 研究代表者 |
渥美義賢 | 教育支援研究部総合研究官 | |
篁倫子 | 教育支援研究部総合研究官 | |
玉木宗久 | 教育支援研究部総合研究官 | |
海津亜希子 | 企画部研究官 |
小池敏英 | 東京学芸大学教授 |
西谷信之 | 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所感覚認知障害研究室長 |
市川宏伸 | 都立梅ヶ丘病院長 |
竹内直樹 | 横浜市立大学医学部付属病院小児精神神経科部長 |
東京都立梅ヶ丘病院 |
国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所 |
横浜市立大学医学部付属病院小児精神神経科 |
研究初年度