III アメリカ各州(テキサス・ヴァージニア・カリフォルニア・ニューヨーク) |
テキサス州・ヴァージニア州については、州政府、学区、学校の各段階についてそれぞれの調査結果を報告する。カリフォルニア州・ニューヨーク州については、学校及び関連機関での状況を報告する。
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1.テキサス州 |
1)教育全般について |
(1)義務教育について
通常の子どもの義務教育は、5歳から17歳となっている。5歳はkindergarten(Kと略す)である。社会経済的に不利な児童は4歳から公立学校教育を受ける権利がある。第12学年を卒業していなくても義務教育は17歳で終了する。障害のある児童生徒については3歳(pre-K)から21歳まで公立学校で教育を受けることができる。高校を卒業すると、その時点で教育は終了するが、卒業しないと21歳まで継続できる。0歳から2歳までの乳幼児は州によって管轄する機関が異なり、テキサス州の場合は、複数の機関をまたぐ協議会「早期幼児期介入Early Childhood Intervention」が管轄している。ただし、視覚障害と聴覚障害幼児についてのみ、0歳から州立盲学校と聾学校が管轄している。
0−2歳までは、個別教育計画(IEP)ではなく、個別家族サービス計画(IFSP)がある。障害があると見なされた幼児と家族は、かならずサービスを提供される。しかし、評価を受けるかどうかを家族が承諾しない限り、手続きは進行しない。(以上全て連邦法により規定)
(2)児童生徒の多様性
テキサス州の学校には、多様なマイノリティ集団とその学力格差がある。社会経済的に不利な生徒は地域的に集中している。英語を母国語としないヒスパニック系の児童生徒の多さと英語の言語としての習得の難しさが教育の課題としてある。ドロップアウト率の高さや学内の規律の問題も、学校によって大きな課題となっている。現在、テキサスには約439,000人の障害のある生徒がおり、これは全生徒の中の12%となっている。その内、少なくとも90−95%の生徒は一日の内のある部分を通常学級で過ごしている。
(3)公教育の現在の大きな課題
学力を高めることへの強烈は圧力(連邦法によるため、全州に共通の課題)とアカウンタピリティの徹底が求められている。一方、障害児のインクルージョンが1997年のIDEA修正によりさらに促進することと、障害児の州カリキュラムヘのアクセスの実現と州統一学力試験の実施あるいは代替カリキュラムと代替試験の実施が求められている。すなわち、強力な連邦法のもと、生徒全体の学力を高め、且つ障害のある生徒のインクルージョンも同時に進行させていくという大きな課題に、テキサス州のみならず、アメリカの全ての州は直面している。
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2)特別な教育的ニーズのある子へのインクルージョンに関する地方レベルの法律及び規則 |
テキサス州においては、他の州と同様、できるだけ多くの権限を地域の学区におろしていく方向にある。
特殊教育については連邦法が細かい規定を設けているので、州政府はそれを学区におろす役割をとる。特殊教育に関する州の法律及び規則は連邦法に準じる。
例として、インクルージョンを促進する働きのある州の法律がテキサス教育庁において二つ紹介された。
(1)連邦基準へ近づけ、連邦法で要求されている州ごとの 障害児の教育措置の場の分析についての情報を連邦政府に提出するために、州法によって、障害児の措置の場を州に報告する義務を学区に課し、その情報を州が分析する。これによって州自体も、学区の状況、ニーズ、どのような研修が必要かなどを特定できる。州の平均よりも分離型教育への措置率がある基準よりも高い学区は、正当な理由を説明できないかぎり、州の査定と指導を受けることになる。テキサスでは、年毎に通常学級およびリソースルームヘの措置が多くなってきている。
(2)インクルージョンを奨励する予算配分法。通常の学校において、同じようなニーズのある子どもが、かたや通常学級(リソースルームも)、かたや分離型学級に措置された場合、州からより多くの予算が通常学級につく。
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3)就学前の特別な教育的ニーズのある子への管轄地域での対応 |
(1)特殊教育を受けるための手続きについて
0−2歳までは、子どものニーズと同時あるいはより多く家族のニーズに焦点をあてた個別家族サービス計画(IFSP)がある。障害があると見なされた幼児と家族は「ゼロ拒否」で、かならずサービスを提供される。管轄機関に障害のある幼児について連絡がくる人たちとして、家族、医師、他の医療従事者、ケースワーカーなどがいるが、この評価を受けるかどうかを家族が承諾しない限り、手続きは進行しない。(以上、全て連邦法により規定)
早期幼児期介入プログラム担当者は、個別家族サービス計画の中でサービスを受けている障害のある幼児について、その幼児が3歳になる前に、学区にその幼児について連絡をしなければならない。
3歳で公立学校教育に移行する前に、Admission, Review, Dismissal会議(以後、ARD会議とする。)*において評価を受けられるようにするためである。
*ARD会議:テキサスでの名称で、障害の認定、IEPの作成、レビュー、障害認定の解除にかかわる会議。全ての段階で親は対等なパートナーとして参加する権利がある。特に1997年のIDEA修正により、それまで参加できないでいた障害の認定についても参加する権利が生じた。
早期幼児期介入プログラムに入っていない、障害のある幼児については、各学区は積極的に見つける努力をすることが、連邦法のChild Find(「子ども探し」)によって規定されている。3歳で公立学校教育を受ける障害児は、入学の90日前までにARD会議で評価を受け、IEPが作成されている必要があるが、それ以降に学区に連絡が入った幼児も、暫定的IEPで公立学校教育のサービスを受けることがでる。3歳までにIEPが作成されるよう、学区を監督する責任がテキサス教育庁にある。
このような蓄積の上で、義務教育のK(kindergarten)次いで初等教育へと移行していく。
(2)特殊教育を受けるための手続きの段階は以下のようになる。
ステップ1:照会
ステップ2:権利についての通達
ステップ3:総合的な個別アセスメント
ステップ4:ARD(Admissions, Review, Dismissal)会議
ステップ5:個別教育計画、IEP
(3)子どもが教育を受ける場が決定されるプロセス
ARD委員会が個別教育計画について合意に達すると、次のステップはどの場において特殊教育および関連サービスを提供するかを決定することになる。親は教育の場にかかわるあらゆる決定に参加する権利がある。会議は少なくとも毎年一回行い、生徒の個別的ニーズに基づいて行うこと。決定は、アセスメントの情報に基づかなければならず、障害のレッテルあるいはスタッフの都合によって行われてはならないことが法律および規則で規定されている。
教育の場は、家庭にできるだけ近いこと、そしてもしも障害がなければその生徒が行くであろう学校を選ぶこととされている。そして、通常学級に、生徒が必要とする補助機器やサービスを提供しながら、もっとも制約の少ない教育環境(通常教育の場)の選択が、IDEAの修正および重要な司法判決によってより強く求められるようになっている。もしも、通常教育の場における措置がARD委員会において否決されたならば、委員会は、なぜ補助機器サービスおよび授業のモディフィケーションを行っても、通常の教育の場がその子どもにとってふさわしくないのかを文書に記録しなければならないことになっている。
(4)その他
テキサス州の特殊教育法は、妥当と見なされた場合、親は子どもを公立学校と私立教育機関の特殊教育サービスをうけることを許可している。これは特に3−5歳の幼児期にもっとも利用されている。これにより、障害児ばかりの公立学校教育幼児プログラムだけでなく、障害のない子どたちがいる幼児プログラムに入ることができる。
学区が当該生徒の教育的ニーズを学区のプログラムでは対応できないとき、ARD会議の決定により、教育庁の承認を得て、学区外の非公立学校と契約することができる。当該生徒への学区の責任は継続する。
ARD会議の決定により、教育庁の承認を得て、学区は当該生徒を公立あるいは私立の寄宿制学校と契約することができる。寄宿制の措置は毎年見直しを必要とする。教育は親にとって無償でなければならない。
非公立寄宿制学校に措置されても、学区は次に関しての責任を継続して有する。IEP、プログラムのモニタリング、IEPを作成するARD会議に、親、非公立学校のスタッフ、公立学校のスタッフが参加すること、公立学校にいる場合と同じ権利と保護が生徒に与えられること。
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4)通常学校における特別な教育的ニーズのある子への学区での対応 |
(1)施策について
IDEAに基づき、できるだけ制約の少ない環境において教育を提供するべく、通常の学校で教育が提供されている。
(2)教育財政について
教育財政として、日本と大きく異なるのは、学区に学区内のpropertyへ課税権利があり独自の収入源があることである。すなわち、収入源として、学区の税収、州からの法令によって定められた法的割り当て、そして連邦政府からの連邦議会によって割り当てられた資金(通常特定の目的のために使われる。)
98−99年度の教育財政に関する総収入は$28,961,166,554あり、学区税収42.7%、州39.2%、連邦7.4%、その他0.4%、負債10.4%からなっている。
生徒一人頭の授業に係わる基礎割り当ては州法によって定められた算出基準にしたがってその年の収入から割り出される。基礎割り当ては州と学区の両者で負担するが、学区の税収に応じて州の負担率が変わる。
特殊教育は、この基礎割り当てをベースに、措置の場による重みづけ、時間等を掛け合わせて算出される。この加算には、学区・州の資金と、指定されている連邦資金が使われる。
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5)特殊学校における特別な教育的ニーズのある子への対応 |
テキサス州には一つの州立盲学校と一つの州立聾学校がある。また、州南部に、知的障害のための特殊学校があるがこれは漸次縮小に向かっている。現在それが遺されているのは、親の要望からであるとのことであった。
連邦法により、(1)より制約の少ない教育環境を保障すると同時に、(2)サービスの連続体を用意することが定められており特殊学校は存続している。
特殊学校への措置には、前述のように、IEPによる決定と教育庁の承認が必要であり、毎年その措置はARD会議によって見直されている。盲学校に措置される子どものほとんどが重複障害である。特殊学校に在籍しても、学区は子どもへの責任が継続する。州立盲学校と州立聾学校は、教育庁の管轄下にはなく、それと同列の行政的な位置づけを与えられ、州議会から独自の予算を提供されている州立盲学校と州立聾学校は、視覚障害あるいは聴覚障害のある子どもを0歳から対応している。テキサス州立盲学校は、インクルージョンを是としており、生徒の在籍期間は平均約2年で、地域の学校へ戻している。地域で教育を受ける子どものインクルージョンを支えるためのさまざまなサービスを展開している。また、視覚障害にかかわる教員研修を多く担当している。
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6)州の統計 |
(1)児童生徒数(98−99、州統計から)
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特殊教育を受けている子どもの数
義務教育を受けている児童生徒数 |
3,945,367名 |
特殊教育を受けている児童生徒 |
443,341名 |
特殊教育を対象の子どもの割合 |
約12% |
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(2)障害種別毎の児童生徒数(97−98、連邦報告から) |
障害種別毎の児童生徒数(6歳−21歳)
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全障害(人) |
443,341 |
1 |
特異的学習障害 |
265,049 |
2 |
スピーチ/言語障害 |
67,693 |
3 |
精神遅滞 |
24,688 |
4 |
情緒障害 |
34,480 |
5 |
重複障害 |
4.281 |
6 |
聴覚障害 |
5,700 |
7 |
身体・運動障害 |
4,713 |
8 |
その他の健康障害 |
29,250 |
9 |
視覚障害 |
2.258 |
10 |
自閉症 |
3,506 |
11 |
盲ろう |
69 |
12 |
外傷性脳損傷 |
654 |
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(3)教育の場による統計(97−98、連邦報告から) |
教育の場(6歳−21歳)(%)
1 |
通常の学級 |
25.54 |
2 |
リソースルーム |
50.79 |
3 |
分離型学級 |
21.55 |
4 |
公立分離型施設 |
0.87 |
5 |
私立分離型施設 |
0.01 |
6 |
公立寄宿制施設 |
0.12 |
7 |
私立寄宿制施設 |
0.00 |
8 |
家庭/病院訪問 |
1.09 |
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7)デル・バレ学区の特殊教育行政 |
(1)テキサス州とデル・バレ学区の基礎統計とその理解
訪問したデル・バレ学区は、英語を習得していない多くのヒスパニック系生徒そして連邦政府による無料給食あるいは給食補助を受ける低所得層が半数以上を占める地域である。このような状況においても、学校では州学力試験率を達成すること、それと連動して英語力が不足している生徒の母国語での初期教育の提供と英語力の育成、数学・科学教育の推進などが要求されている。そして障害のある生徒をより通常のカリキュラムにアクセスし、インクルージョンを促進することが同時に要求されている。学校が抱えているこのような多様で困難な課題のなかに特殊教育も位置づけて調査結果も理解する必要があろう。
デル・バレ学区は、州平均よりも、ヒスパニック系とアフリカ系の生徒の試験通過率が高い。そして通常教師のパーセンテージが州平均よりも高い。逆に、特殊教育を受ける生徒の率が州平均よりも高いのに、特殊教育教師のパーセンテージが州平均よりも低い。同じ傾向が予算の配分にも見られ、通常教育への予算の振り分けが多くなっており、低学力の生徒の学力の底上げにウェイトが置かれていることが伺えた。
このためか、訪問したデル・バレ学の小学校では、学力の全体的な上昇が示されていたが、もっとも多くの障害児がサービスを受けるリソースルームに十分な特殊教育教師の配置がなされていないように見受けられた。
しかしこの状況も、この学区の生徒人口が抱える貧困と低い英語力をふまえて、その状況をトータルに理解する必要があり、安易に特殊教育のある部分の不足だけを指摘しては全体像を見失うおそれがある。
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8)学校について |
デル・バレ学区の中の3つの小学校を訪問したが、ここではそのなかのヒルクレスト小学校を選んでその概要を報告する。また、テキサス州の特殊学校としてテキサス州立盲学校を訪問したので、その概要を報告する。
(1)ヒルクレスト小学校
この小学校には低所得層で英語を習得していない生徒が多い。また、生徒の転校率が27%と高い。低英語力・低学力等の課題を抱えていたが、校長のリーダーシップのもと、5年間で高い州試験通過率を達成し、98年度に連邦政府から優秀校としてブルーリボン賞を授与されている。障害の重い子どもの特殊学級があり、広く学区から生徒が来ている。
98−99年に校舎を新築し、それまで3−5学年の小学校であったが、幼稚部−6年の学校に、今年から変わった。提供された資料は97−98年度のもので、まだ学年が3−6年のものだが、基本的な生徒構成に変化はあまりないため、97−98年の統計資料をもってその概要を報告する
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(1)生徒の全体像と障害種別・程度の在籍者数 |
全学児童の学年別内訳(人)
3年 |
100 |
4年 |
199 |
5年 |
198 |
6年 |
229 |
計 |
726 |
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(2)民族構成 |
アメリカネイティブ・アラスカネイティブ |
0.6% |
アジア系 |
1.4% |
黒人あるいはアフリカ系アメリカ人 |
14% |
ヒスパニックあるいはラテン系 |
70%(州平均38%) |
白人(州平均44%) |
14% |
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(3)生徒転校率
生徒転校率は、27%(移動型労働者が多いため)
(4)英語力が十分でない生徒
英語力が十分でない生徒は、40%(290名)
(5)無料あるいは補助給食
無料あるいは補助給食の対象は、84%(609名、低所得層)
(6)特殊教育を受けている生徒
特殊教育を受けている生徒は、16%(116名、州平均12%学区対応特殊学級があるため)
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障害種別と人数(人)
難聴 |
2 |
重度情緒障害 |
6 |
精神遅滞 |
10 |
特異的学習障害 |
89 |
重複障害 |
6 |
言語障害 |
31 |
その他の健康障害 |
23 |
視覚障害 |
1 |
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(7)通常学校のスタッフの職種と支援内容 |
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常勤 |
非常勤 |
行政職 |
2 |
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学級教師 |
52 |
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特殊リソース教師/専門家* |
21 |
1 |
教育補助員 |
9 |
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支援スタッフ(食堂、守衛等) |
11 |
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計 |
95 |
1 |
<特殊リソース教師/専門家内訳>
リソース特殊教育教師(15人以上のリソースルーム担当) |
コンテンツ・マスタリー・センター教師
(個別あるいは3、4人の集団担当) |
特殊学級教師 |
二言語・第二外国語としての英語教師 |
スクールサイコロジスト |
カウンセラー |
言語療法士 |
数学専門教師 |
看護婦 |
なお、PT、OT、視覚専門家、歩行訓練士は必要に応じて学区から派遣される。(PT、OTの派遣には医師の診断書が必要) |
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(8)通常学校の中の支援の場
a)通常学級
b)コンテンツ・マスタリー・センター
個別/小集団、通常学級にも入りco-teachingを行う。
c)リソースルーム
もっとも活用されている、しかし集団が大きすぎるように思われた。
d)特別学級(中度)
生徒はより多く通常学級に入っている。
e)特別学級(重度)
広く学区から生徒が来ており、中度学級より多く分離型教室で過ごすが、できるかぎり、通常学級に通っている。
f)言語療法
このための個室があるが、現在、できるかぎり語療法も教室のなかで行う。しかし、構音など個別的な対応が必要な場合は抽出して個別あるいは小集団で行う。
g)その他
二言語および第二外国語としての英語のクラスがある。この学校ではまた、巡回支援を学区から受けながら、英才教育を提供しているケースもある。一般のカリキュラムにアクセスすることが求められており、日課の構成も、該当する通常の学級が国語の時は、リソースでも特別学級でもコンテンツマスタリーでも国語あるいはそれに準じた内容を教える。特別学級では、例えば読み聞かせをするなどを行う。
(9)その他
・デル・バレ学区では、障害のある生徒で、州統一試験が免除されている生徒について、代替試験を行うために、CLASSという総合評価プログラムを採用し、中度から重度の障害のある子どものカリキュラム作成と代替試験として用いている。
・IEPが作成されない程度の軽い障害のある生徒については、504条によって対応しており学級での配慮が行われている。
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(2)テキサス州立盲学校
テキサス州立盲学校はテキサス州法により設立された州内で唯一の盲学校である。教育庁の管轄下にあるのではなく、独立しており、議会から直接予算を受けている。
同じように聾学校が州立で設立されている。これらの特殊学校は、連邦法で規定している「サービスの連続体」を構成するもので、障害のある生徒のニーズに個別に対応できる保障として必要とされている。さらに、今回訪問した盲学校は、積極的に視覚障害生徒が地域で教育が受けられるように、さまぎまなサービスを展開している。
盲学校は州内の全視覚障害幼児児童生徒の把握・登録をし、毎年州政府に報告する責任がある。現在約6,600人の視覚障害のある0歳から21歳までの幼児児童生徒が州内で把握されている。
(1)地域へ戻すことを前提とした寄宿制特殊学校として
寄宿制の学校において、6歳から21歳の主として重複障害のある視覚障害生徒と盲ろう生徒を受け入れている。現在約140名が在籍している。その生徒がもっとも必要としている教育を盲学校に在籍しているときに濃密に提供し地域へもどることができるようにする。平均すると、盲学校の在籍期間は約2年である。ただし、重度の重複障害のある生徒などでは、それ以上長く在籍している場合もある。盲学校では、キャンパス内に幅広い専門家を擁しており、学際的なアプローチをとっている。
(2)地域での教育を支える資源・研修センターとして
テキサス盲学校は、地域の学区において視覚障害のある生徒が教育を受けることを擁護しており、その支援のために様々なプログラムを発展させてきた。各学区で必要とする指導および関連サービスを視覚障害、盲ろう、視覚障害を伴う重複障害のある生徒に提供する。学区における生徒への直接のサービスを盲学校から求めるには、かならずARD会議を経なければならない。
しかし、学区がその学区内で教育を受けている視覚障害生徒に係わる教員への研修や技術支援を盲学校に求める場合は、学区はARD会議を経ないで盲学校のOutreach Programへ依頼することが出きる。職員研修、技術支援そして生徒に応じたプログラムの立案に協力する。また、視覚障害の生徒の教育に必要な教材センターとして機能している。さらに、地域の学校でIEP作成ができるようにするための、カリキュラム開発、手引き書の作成をおこなっている。
(3)地域で学ぶ生徒のための夏期・短期集中コースの提供
地域で教育を受けている視覚障害生徒に、地域では提供できないあるいは通常の学校では特に取り上げられない内容であるが視覚障害には不可欠な教育サービスを提供することと、同じ障害をもつ同年代の仲間との出会いの場を提供するために、3種類の集中コースが発展してきた。すべて盲学校の寄宿舎に宿泊して行い、盲学校の資源と専門スタッフを活用して実施する。
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(文責 中澤惠江 後上鐵夫 松村勘由) |