障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

特別な教育的ニーズのある児童生徒のためのICTを活用した教材・教具の開発と普及

研究の実施状況

 本研究では、大きく分けて4つの課題に取り組んでいます。それぞれの実施状況は、以下の通りです。

  1. ICT活用教材・教具に関するニーズ調査と機器開発
    • 新たな教材・教具の設計、試作に向けて調査を行っています。まず、特殊教育諸学校等に在籍している生徒の実態を把握し、教室場面でどのような教材が使われているか、また今後必要とされる教材・教具はどのようなものかを明らかにすために、The Wisconsin Assistive Technology Initiative;WATI が作成しているシートに基づいて、研究協力機関への訪問調査(ページは非公開です。)を行っています。
    • これまで研究段階にあった教材・教具、具体的には「低床型電動スクーター」と「ひずみゲージを使用した感圧型スイッチ」、「自動演奏ハンドベル」の制作を開始しています。
  2. 動画情報通信を用いた学校コンサルテーションの検討について
    • 現在までに、宮城県立盲学校と5回、千葉県立安房養護学校と1回、福島県立郡山養護学校と1回(実験的接続)を行った。これまでのところ、ISDN回旋を利用してNTTフェニックスミニを用いてテレビ会議を実施しているが、画像の解像度や送信速度の点で、問題が多い。今後は、コンサルテーションに必要な動画通信の仕様の検討や、より安価で画質も高い、ネットによるテレビ会議システムへの移行を試行中です。
  3. ペン入力機能付き触覚ディスプレイ(電子レーズライタ)の福島県立盲学校における利用状況について
    • 情報室内に常時設置し、普段から、小学部・中学部では授業の合間や休み時間に、触覚ゲームや描画をするのに使用されています。高等部専攻科理療科では、「パソコンで時間割を作る」という授業において、簡単な図形認識のため,円(まる)の数を数える作業を実施しており、「疾病の成り立ちと予防」という授業では,病変部が進行する様子を触覚的に表現するのに用いています。学内の教員向けに電子レーズライタの使用説明会も行っています。
  4. パーソナルロボットを用いた障害児者用のインターフェースの開発について(PDFデータ:非公開)
    • NECメディア情報研究所ロボット開発センターの協力を得て、同研究所が開発中のパーソナルロボットPaPeRoを使って教材(動画データは非公開です。))を開発しています。この研究ではパーソナルロボットを”障害のある子どもがインターネットを利用する際のインターフェース”としての位置づけて、その効果を実証するとともに、実際に教室内で利用可能なシステムの開発を目指しています。

 さらに、本研究では、本年度の研究活動の一環として、来日中のイギリスのダンディー大学ノーマンアルム博士によるコンピュータを利用した教材に関するプレゼンテーションと研究協議会の開催、教育用コンテンツ活用のための教具等の製作などを合わせて行いました。

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