障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第2号

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     国立特別支援教育総合研究所メールマガジン
        第2号  2007.5.16
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【目次】
■研究所からのお知らせ
■今月の特集
■研究所の研究活動
■特別支援教育トピックス
■研修員だより
■編集後記
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■研究所からのお知らせ
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●平成19年度研究所パンフレットのご案内

 新しいロゴマークを載せた研究所の新しいパンフレットが完成しました。
今年も、研究所主催のセミナー等で配付いたします。また、下記からも、
PDFでダウンロードできますのでぜひご利用ください。

 ○こちら→http://www.nise.go.jp/soumuka/koho/NISE_pamphlet.pdf

●研究所事務組織改編による連絡先について

 4月1日付けで事務組織(総務部)の一部を改変しました。各業務別の問
い合わせは、下記ページをご覧ください。

 ○こちら→http://www.nise.go.jp/blog/toiawase.html

●ちょっと一息 季節のたより 

 研究所のある三浦半島は、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、季節ごとに
いろいろな花が楽しめます。春先からこの季節にかけては、研究所には海岸
性植物のハマダイコンの薄紫の花が咲きます。お越しの際は、JR久里浜駅
前広場や研究所に向かう途中、また研究所周辺で、たくさんの花を見つけて
みてください。

○5月・・・ハマダイコン、ポピー、ツツジ、フジ、シャクナゲ、ワラビ、
      アシタバ、ミツバ、セリなど。

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■今月の特集
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●解説:小・中学校における特別支援教育について

             渥美 義賢(教育支援研究部・上席総括研究員)

 小・中学校において、発達障害など教育的支援の必要な子どもたちは、通
常の学級に在籍している場合と、特別支援学級に在籍している場合がありま
す。この両者において、一人一人の子どもの教育的ニーズに応じた適切な指
導及び必要な支援を行っていくことが特別支援教育の目指すところであるこ
とはいうまでもありません。文部科学省の調査では、平成18年度において校
内委員会の設置率やコーディネーターの指名率が90%を超しています。また、
平成18年4月の通級による指導等に関する学校教育法施行規則の一部改正や、
平成19年4月の学校教育法等の一部改正により、その体制が整ってきていま
す。今後はこれらの体制がその機能を十分に発揮して子どもたちを支援して
いけるよう、関係者すべての一層の努力が求められています。

 ○渥美義賢(あつみよしかた)
   →http://www.nise.go.jp/blog/2005/03/post_631.html

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■研究所の研究活動
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 このコーナーでは、研究所の研究活動について紹介します。
今回は、2つのプロジェクト研究をご紹介します。

●プロジェクト研究「特別支援教育における教育課程の編成・実施の推進に
向けた実際的研究」(平成18年度)

 平成19年4月に学校教育法等の一部を改正する法律が施行され、盲・聾・
養護学校は、複数の障害種別を教育の対象とすることのできる「特別支援学
校」に改められるとともに、小・中学校等においても特別支援教育を推進す
ることが明示されました。この特別支援教育における教育課程の在り方等に
ついては現在、中央教育審議会において、学習指導要領の見直し等に向けて
検討が進められています。本研究では、これらの動向を踏まえつつ、これま
での教育課程に関する知見を整理し、特別支援学校としての教育課程編成の
在り方について検討を行いました。研究の成果として、特別支援学校におけ
る教育課程編成の基本的な考え方や編成の工夫を分かりやすく解説し、教育
課程の編成・実施において参考となるガイドブック「特別支援教育の充実に
向けた教育課程編成」を作成しました。

 ○詳細はこちら→http://www.nise.go.jp/blog/2006/06/post_604.html

●プロジェクト研究『小・中学校における障害のある子どもへの「教育支援
体制に関する在り方」及び「交流及び共同学習」の推進に関する実際的研究』
(16~19年度)

 本研究は,(1)特別支援学級等の弾力的な運用方法の検討,(2)「特別支援
教室(仮称)」の検討,(3)「交流及び共同学習」を推進する方法の検討を
行っています。「特別支援教室(仮称)」(案)については中央教育審議会
初等中等教育分科会特別支援教育特別委員会(第17回資料5)に報告したと
ころです。

 ○報告はこちら→
 http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_c/c-53/c-53.pdf

また、指導事例集「特別支援学級のGood Practice」(ジアース教育新社)を
出版すると同時に,現在は,「校内支援体制」を推し進めた「地域内支援体
制の構築」・「特別支援教室の特性解明」・「特別支援学級等の交流及び共
同学習の実態」について検討・研究に取り組んでいるところです。

 ○ジアース教育新社→http://www.kyoikushinsha.co.jp/index.html
 ○研究詳細はこちら→http://www.nise.go.jp/blog/2006/06/post_611.html

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■特別支援教育トピックス
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 このコーナーでは、特別支援教育に関するトピックスについてお知らせし
ます。
 今回は、文部科学省、厚生労働省から特別支援教育に係る重要な通知が出
されましたので、文部科学省の担当課にご執筆いただきました

【教育・福祉・労働等の関係機関が連携した就労支援について】

 障害者の自立と社会参加を図るため、かねてより、教育委員会・学校、
福祉、労働等の関係機関が連携した就労支援の取組が進められていますが、
今後、関係機関の一層の連携を強化し、効果的な支援を進めていく必要が
あります。

 このため、厚生労働省と文部科学省が連携・協力するとともに、各都道
府県等の労働関係機関や教育関係機関においても一層の連携が強化される
よう、本年4月2日、以下の通知を発出しました。

 厚生労働省では、福祉分野との一層の連携の強化に加え、教育分野との
連携を図るため、各都道府県労働局長(ハローワーク等を所管)あてに、
以下の通達が出されました。

 この通達では、特別支援学校との連携に関して、
 ・厚生労働省が各都道府県で実施する「障害者就労支援基盤整備事業」
  において、特別支援学校を対象としたセミナーや事業所見学会、事業
  所面接会の実施などが新たに実施されること、
 ・職場実習や個別の教育支援計画の策定等における特別支援学校との一
  層の連携・協力を進めること
などが示されています。

 文部科学省では、教育委員会や学校において、この通達の趣旨や内容を
御理解いただき、関係機関の連携を図った取組が進められるよう、各都道
府県教育委員会等に対し、以下の通知を発出しました。

 ・厚生労働省職業安定局長通達
 ・文部科学省初等中等教育局長通知
 
 ○内容はこちら→http://www.nise.go.jp/magazine/file/20070510.pdf

 さらに、連携の一層の強化に向けた具体的な取組について、本年4月17日
に以下の通知を発出しました。この通知では、特別支援学校との連携を図っ
た取組として、各公共職業安定所が特別支援学校を訪問し、学校における就
労支援の取組やニーズ等を把握し、特別支援学校との一層の緊密な連携を図
った一般雇用への移行体制の構築及び就労支援の取組を推進することなどが
示されています。

  ・厚生労働省職業安定局障害者雇用対策課長通知
 ・文部科学省初等中等教育局特別支援教育課長通知
 
 ○内容はこちら→http://www.nise.go.jp/magazine/file/20070511.pdf

  このほか、文部科学省では、障害のある生徒の職業自立を促進するため、
厚生労働省と連携・協力の下、平成19年度より新たに、「職業自立を推進す
るための実践研究事業」を実施し、その成果を広く普及することとしていま
す。

 ・職業自立を推進するための実践研究事業

  特別支援教育関係者におかれては、これらの取組をきかっけとして、これ
まで以上にハローワーク等との連携を密にし、障害者の就労を支援するため
の効果的な取組を進めていただきたいと考えています。

【特別支援教育の推進について(通知)】

 文部科学省では、障害のある全ての幼児児童生徒の教育の一層の充実を図
るため、学校における特別支援教育を推進しています。
 平成19年4月1日から特別支援教育が法的に位置付けられた改正学校教育
法が施行されるに当たり、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学
校及び特別支援学校において行う特別支援教育について、基本的な考え方、
留意事項等をまとめて示すため、平成19年4月1日付けをもって、標記通知
を発出しています。

 なお、標記通知項目は以下のとおりです。

 1.特別支援教育の理念
 2.校長の責務
 3.特別支援教育を行うための体制の整備及び必要な取組
 (1)特別支援教育に関する校内委員会の設置
 (2)実態把握
 (3)特別支援教育コーディネーターの指名
 (4)関係機関との連携を図った「個別の教育支援計画」の策定と活用
 (5)「個別の指導計画」の作成
 (6)教員の専門性の向上
 4.特別支援学校における取組
 (1)特別支援教育のさらなる推進
 (2)地域における特別支援教育のセンター的機能
 (3)特別支援学校教員の専門性の向上
 5.教育委員会等における支援
 6.保護者からの相談への対応や早期からの連携
 7.教育活動等を行う際の留意事項等
 (1)障害種別と指導上の留意事項
 (2)学習上・生活上の配慮及び試験などの評価上の配慮
 (3)生徒指導上の留意事項
 (4)交流及び共同学習、障害者理解等
 (5)進路指導の充実と就労の支援
 (6)支援員等の活用
 (7)学校間の連絡
 8.厚生労働省関係機関等との連携

 ○詳しくはこちら→
  http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/07050101.htm

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■研修員だより
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 このコーナーでは、研究所に研修に来られた方々に、研修員経験者からの
寄稿やさまざまな情報提供を行っていきます。今号は、平成18年度長期研修
員の仙北谷逸生先生からお寄せ頂きました。

●北海道紋別養護学校ひまわり学園分校の教育活動について

 北海道紋別養護学校ひまわり学園分校は、地域と密接なかかわりを持ちな
がら教育活動を展開しています。また、教育相談・支援活動においても「一
緒に考えていきましょう」を合い言葉に各関係機関と連携しながらの活動が
増えてきました。各関係機関の方々から教えていただくことも多く、相談・
支援活動の幅の広がりと同時に、校内の教育活動にもつながってきているな
と感じています。昨年度の長期研修の際は、盲・聾・養護学校のセンター的
機能の充実に関する研究を行いました。このことを今後の教育活動に反映し
ていくとともに、あらためて日々研鑽を重ねていきたいと考えています。そ
して今後も、地域とのつながりを大切にしていきながら、子ども・保護者を
支えていくネットワークにつなげていければと考えています。

詳細は本校のWebサイトをご覧下さい。

 ○こちら→ http://www.monbetsuyougohimawari.hokkaido-c.ed.jp/

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■編集後記

春は出会いの季節です。
研究所では,柳澤亜希子研究員や沓澤進企画調整課長をはじめ,新たな職員
を迎えました。また,4月からは1年間滞在する研究研修員8名が研究に参
画し,今月7日からは特別支援教育専門研修第一期が始まり,約2ヶ月間,
112名の方が研修に来られます。新しい出会いにより益々活気あふれる研究所
にどうぞご期待ください。
研究所メールマガジンの第2号はいかがでしたか。このメールマガジンを通
して、特別支援教育のことを広く知っていただきたいと考えています。これ
からもどうぞよろしくお願いします。
                     (第2号編集主幹:小澤至賢)

 ○「メールマガジン」へのご意見・ご感想をお寄せください。
  こちら→ a-koho@nise.go.jp

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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第2号
          発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
                 メールアドレス:a-koho @nise.go.jp
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