障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第17号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      国立特別支援教育総合研究所メールマガジン
        第17号(平成20年 8月号) 2008.8.1
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE ━━
【目次】
■お知らせ
■NISEトピックス
 トピックス
 研究紹介
■特別支援教育関連情報
■研修員だより
■編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■お知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★NEWS★
●国立特別支援教育総合研究所セミナーI

 ◇期 日 平成21年 1月21日(水)、22日(木)
 ◇会 場 国立オリンピック記念青少年総合センター
 ◇テーマ 「小学校及び中学校における特別支援教育の展開-学習指導要
      領改訂にあわせて-」
 ◇内 容
 平成20年 1月17日に中央教育審議会から、「幼稚園、小学校、中学校、高
等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について(答申)」が出さ
れ、それを受け、平成20年 3月28日に幼稚園教育要領、小学校学習指導要領
及び中学校学習指導要領が告示されました。今回の改訂では、小学校及び中
学校学習指導要領の第1章総則第4「指導計画の作成等に当たって配慮すべ
き事項」(幼稚園教育要領第3章第1の2「特に留意する事項」)に、障害
のある児童生徒等について、特別支援学校等の助言・援助を活用し、指導に
ついての計画の作成等により、障害の状態等に応じた指導内容等の一層の工
夫を図るべき旨が規定されました。
 そこで、今年度のセミナーIにおいては、標記のテーマを掲げ、中央教育
審議会教育課程特別支援教育専門部会やその親部会である教育課程部会での
審議の過程、答申や学習指導要領総則の意味するところを話題とした基調講
演を設定しました。
 今回の改訂を受けて、小・中学校の通常の学級における障害のある子ども
に対する「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」の作成、特別支援学
校から小・中学校等への支援、いわゆる「センター的機能」をいかに活用し
て小・中学校において特別支援教育を進めていくかが重要となります。さら
には、特別支援学級や通級による指導にかかる特別の教育課程の編成に当た
っては、特別支援学校学習指導要領に定める事項を取り入れた教育課程を編
成できることから、特別支援学校学習指導要領の「自立活動」の理念や内容
についても押さえていく必要があります。
 そこで、これら三つをキーワードとしたシンポジウムや先行事例の紹介を
行い、全体的な共通認識を図り、その後、事例紹介者を含めた分科会にて、
参加者との意見交換を行っていきます。

●国立特別支援教育総合研究所セミナーII

 ◇期 日 平成21年 2月13日(金)
 ◇会 場 国立オリンピック記念青少年総合センター
 ◇テーマ 「これからの発達障害のある子どもの支援を考える」
 ◇内 容
 「発達障害者支援法」や特別支援教育の理念に基づき、発達障害のある子
どもへの具体的な支援の在り方については、現在、喫緊の課題であり、本研
究所においても、これまでこれらの課題に対応した研究に取り組んできてい
ます。折しも今年度から本研究所では、新たな事業として発達障害のある子
どもを支援するための教育情報を発信していく「発達障害教育情報センター」
を立ち上げました。
 そこで、セミナーIIでは、この事業の紹介、及び発達障害のある子どもの
教育に関する今までの研究成果と、それを引き継いで現在進行中である研究
に焦点を当てて実施していきます。
 シンポジウムでは、保護者、教育関係者、医療・福祉関係者をシンポジス
トとして、それぞれの立場から連携のための情報共有に関して提言を行いま
す。そして本研究所の新たな事業の「発達障害教育情報センター」の取り組
みの紹介、続いて、第一分科会として「一貫した支援システム」、第二分科
会では「脳科学からのアプローチ」として、二つの発達障害のある子どもの
教育に関する研究チームから、それぞれのテーマに迫ります。
 また、発達障害のある子どもの教育に限らず、平成19年度に終了した研究
課題については、ポスター形式での成果発表を行い、参加者と直接意見交換
ができるように計画しています。

 ○上記セミナーI・IIはこちら→
  http://www.nise.go.jp/blog/2008/06/20_17.html

上記セミナーI・IIの詳細や参加の方法は、10月に改めてご案内いたします。

●インターネットによる講義配信について

 各自治体における特別支援教育センター等や学校における教職員の研修に
資するため、より専門性の高い内容や喫緊の課題などについて、本研究所で
開催した各研修での研究員等による講義の一部を録画収録して、インターネ
ットを利用して研究所Webサイトから配信しています。利用については申請
方式ですが、研究所Webサイトから視聴できる仕組みとなっていますので、
積極的にご活用くださるようお願いいたします。
(平成20年 7月末現在、配信講義:83コンテンツ)
                        (総務部研修情報課)

 ○利用方法や講義テーマ等の詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/blog/e-learning.html

●平成20年度日本・マレーシア経済連携研修実施報告

 本研究所では、「日本・マレーシア経済連携協定(平成17年12月)」に基
づき、マレーシアにおける国立特別支援教育研究所設立への支援を行うため
に、JICA(独立行政法人国際協力機構)と協力して、マレーシアから、各障
害種別担当の研修員の受け入れを行っています。
 2年目となる平成20年度は、平成20年 6月23日(月)~ 7月18日(金)の
日程で、知的障害、肢体不自由、ICT関係、視覚、聴覚障害関係の5コース
に計9名の研修員を受け入れました。研修では、日本の特別支援教育制度や
各コースに関する専門的講義の受講、特別支援学校や小学校の特別支援学級、
通所施設などへの見学、などの活動に取り組んでいただきました。

 ○概要については、こちら→
  http://www.nise.go.jp/blog/nichima.html

●発達障害教育情報センター(Webサイト開設)について

 本研究所では、本年4月に、発達障害のある子どもたちの教育の推進・充
実に向けて、発達障害教育情報センターを設置しました。
 本センターでは、発達障害にかかわる教員及び保護者をはじめとする関係
者への支援を図り、さらに広く国民の理解を得るために、Webサイト等によ
る情報提供や理解啓発、調査研究活動を行うことを目的としています。
 現在、8月末に発達障害教育情報センターWebサイトを開設する準備が進
められています。
 そこで、多くの方々に発達障害教育情報センターの活動にご理解、ご協力
を得たいと考え、パンフレット(第2版)を作成しました。研究所Webサイト
からも、PDFでダウンロードできますので、ぜひご利用ください。

 ○「平成20年度発達障害教育情報センターパンフレット」はこちら→
  (刊行年月 平成20年 7月 ver.2)
  http://www.nise.go.jp/blog/2008/07/ver2.html

●6.30付け研究職員人事異動について

 平成20年 6月30日付けで、次のとおり研究職員の異動がありましたのでお
知らせします。

萩元 良二(企画部総括研究員)→文部科学省初等中等教育局参事官付専門官

●8.1付け研究職員人事異動について

 平成20年 8月 1日付けで、次のとおり研究職員の異動がありましたのでお
知らせします。

◆採用◆
梅田 真理(発達障害教育情報センター総括研究員)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■NISEトピックス
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★トピックス★
●アジア諸国における特別支援教育の関連情報の収集について

            中澤 惠江(企画部国際担当・上席総括研究員)

 本研究所では、昭和56(1981)年度以来、アジア・太平洋地域における障
害のある子どもの教育の発展・充実に資するため、ユネスコ国内委員会との
共催によるアジア・太平洋特別支援教育国際セミナーを毎年日本で開催して
います。参加国は、バングラデッシュ、中国、インド、インドネシア、韓国、
マレーシア、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、タイ、オー
ストラリア、ニュージーランド、そして主催国の日本の計14カ国です。
 平成17(2005)年度からは、上記セミナーでの各国報告がより効率的に行
われるよう、各国の基礎情報を収集しています。
 収集した情報は大きく3つに分けられます。国についての基礎的情報、教
育制度全般についての情報、そして特別支援教育についての情報です。
 基礎的情報に関しては、「国土面積」、「人口」、「首都」、「民族構成」、
「言語」、「宗教」、「GDP,GNI」、「識字率」、「経済成長率」、
「失業率」があります。
 教育制度全般に関しては、「教育の基本法」、「教育政策と動向」、「教
育に関する行政組織」、「教育課程の基準」、「学校制度」「義務教育の年
齢、学校数、生徒数」、「小学校段階の生徒数と学級サイズ」、「中学校段
階の生徒数と学級サイズ」が含めてあります。
 そして特別支援教育に関しては、「特別支援教育に係る基本的な法律」、
「政策と動向」、「特別支援学校の数」「義務教育段階における特別支援学
校の生徒数および比率」、「特別支援学校の種類と各種学校における生徒数」、
「特別支援学級の数と在籍生徒数」「特別支援学級の種類・数・生徒数」、
「その他の特別支援教育にかかるサービス」、「障害を有する子どもの数と
比率」です。
 これらの基礎情報を多くの国々と分かち合えるよう、「Journal of Special
Education in the Asia Pacific(アジア・太平洋特別支援教育ジャーナル)」
に英文にて掲載しています。
 十分な情報が集められていない部分もありますので、これからさらに情報
収集を進めていきたいと考えております。アジアの国々の特別支援教育にご
関心がある方、ぜひ一度ご覧ください。

○Journal of Special Education in the Asia Pacific(アジア・太平洋特
別支援教育ジャーナル)はこちら→http://www.nise.go.jp/blog/jseap.html

☆研究紹介☆
●課題別研究「聾学校におけるコミュニケーション手段に関する研究-手話
を用いた指導法と教材の検討を中心に-」(平成18~19年度)

        研究代表者 小田 侯朗(教育研修情報部・総括研究員)

【研究の背景】
 本研究は、平成16年度から平成17年度の二年間で行われた課題別研究「聾
学校におけるコミュニケーション手段に関する研究-教職員の手話活用能力
の向上とこれも用いた指導法の検討-」に引き続く研究です。本研究では、
以下の調査を行いました。
(1)「コミュニケーションの実態に関する調査」
(2)「言語およびコミュニケーションの評価法に関する調査」
(3)「聾学校における手話教材の活用状況に関する調査」
 また、以上の調査の他に、聾学校での手話活用授業の実際についてもまと
めました。
【研究結果】
 調査結果(1)では、平成 13年に実施した同種の調査と比較すると、主要な
使用手段として聴覚口話(注1)やキュードスピーチ(注2)を用いる割合
が減少し、手話を活用する割合が増えてきていることが分かりました。
 調査結果(2)では、平成8年に実施された同種の調査と比較して、子ども
たちの日本語の評価、特に読み書きの力の評価に関心が高まっていることが
分かりました。しかしながら、子どもの手話の力を評価する方法については、
この10年ほどで著しい進展は見られませんでした。
 調査結果(3)では、幼稚部では手話付き歌教材、小学部では手話付き国語
教材、中学部では手話付き英語教材、高等部では手話付きニュース等が利用
されていることがわかりました。
 さらに、本研究では聴覚障害児情報提供施設が保有する手話関連コンテン
ツや、聾学校との連携等についても調査を行いました。これらは、聾学校に
は重要な資源であり、教材利用に限らず、今後の活用・連携が期待されてい
ました。
 本研究では、これらの調査とともに研究協力機関や研究協力者の協力のも
と、手話活用授業に関する実践事例がまとめられました。幼稚部の実践から
は手話の音韻意識を高める言葉遊び等を通して、日本語のプレリテラシー
(注3)向上を目指す取り組みがなされていました。小学部の実践からは、
児童の言語能力に対応した手話・日本語の組み合わせ等、中学部からは教科
専門用語に対応した手話の活用等が報告されました。
 これらの結果が、今後の聾学校でのよりよい手話活用に役立つことを願っ
ております。

(注1)聴覚口話:補聴器等を用いて聴覚を活用したり、発話や読話の技術
を用いたりして、コミュニケーションを行なう方法。
(注2)キュードスピーチ:母音を表わす口の形に子音等を表わす手話の形
や動きを“手がかり(cue)”として付け加えることにより、日本語の五十
音を視覚的に表示しコミュニケーションの手だすけにする方法
(注3)プレリテラシー:読み書きの力につながる前段階の言語力

 ○概要はこちら→近日中にWebサイトに掲載予定

●調査研究「海外の大学における障害のある学生の支援に関する調査」(平
成19年度)

              渡辺 哲也(教育研修情報部・主任研究員)

 日本における障害のある学生の支援目標設定の参考とするため、海外の大
学における支援状況を文献により調査しました。ここでは、詳しい情報が得
られた米国ジョージア州の状況を紹介します。
 ジョージア州は北米大陸の南東部、フロリダ半島の付け根に位置します。
面積15万4千平方キロメートル、人口846万人、首都はアトランタです。
 ジョージア州の州立大学35校における全学生数は247,020人、そのうち障
害者支援サービスを受けている学生は5,427人、全学生に占める割合は2.2%
です(2002-2003年度)。障害学生の割合を大学ごとに見ると2%前後のとこ
ろが多いのですが、一方で、0.32%と割合が低い大学から7.38%と高い大学ま
で20倍もの開きが見られました。
 障害種別ごとの人数を見ると、最も多いのがADHDで1,525人(全障害学生
の28.1%)、次いで学習障害(LD)が1,125人(20.7%)、更に両障害を併せ
有する人が329人(6.1%)です。日本では発達障害のカテゴリーに含まれる
この2種の障害種別で、障害のある学生の半分以上(54.9%)を占めるのが
大きな特徴です。
 日本学生支援機構(JASSO)が調べた日本における障害学生の状況とジョ
ージア州の状況を比べてみましょう。日本では障害のある学生の人数は5,404
人、全学生数に占める割合は0.17%ですから(平成19年度)、ジョージア州
とは13倍もの開きがあります。障害のある学生の割合が日本とジョージア州
で異なる最大の理由は、支援対象とする障害種別の違いです。上述のように、
ジョージア州では発達障害(ADHD、LD)の学生が全障害学生の54.9%を占め
ますが、日本ではわずか3.3%に過ぎません。米国では障害者支援サービスを
受けるのは学生の自己申告によりますが、JASSOの調査では医師の診断のあ
る発達障害の学生のみを計数したことが、割合が大きく異なる要因の一つで
しょう。ジョージア州では発達障害に次いで慢性疾患と心理的疾患が多く、
それぞれ563人(全障害学生の10.4%)と501人(同9.2%)を占めます。この
うち慢性疾患は日本における病弱・虚弱に一部相当すると思われますが、心
理的疾患は日本では障害学生の調査対象に入っていません。
 そこで、身体障害のある学生の割合を比較してみました。両国で分類がほ
ぼ共通する障害種別(視覚障害、聴覚・言語障害(米国では聴覚障害)、肢
体不自由(同移動能力障害))の学生数と全学生に占める割合を比べると、
日本では4,000人、0.13%なのに対して、ジョージア州では742人、0.30%であ
り、2.3倍の差が見られました。全人口に占める障害者の割合は、障害の定
義の違いもあり、米国と日本で約2倍の差があります。身体障害のある学生
の割合の違いは、およそこの違いに近い値でした。
 以上、米国ジョージア州における障害のある学生の数・割合・障害種別の
データを紹介するとともに、日本のデータとの比較を試みました。平成19年
度の調査では、ジョージア州における障害学生の支援体制や、英国、オース
トラリアにおける障害学生の状況についても調べました。それらのデータは
本調査のWebサイトに掲載していますので、興味ある方はご覧下さい。

○海外の大学における障害のある学生の支援に関する調査はこちら→
 http://www.nise.go.jp/blog/2007/04/post_707.html

○Annual Report on Academic Services for Students with Disabilities
はこちら→
 http://www.usg.edu/academics/initiatives/cld/disability_rpt03.pdf

○平成19年度障害学生の修学支援に関する実態調査はこちら→
 http://www.jasso.go.jp/tokubetsu_shien/chosa0701.html

○諸外国の高等教育機関における障害のある学生に対する修学支援状況調査・
情報収集事業はこちら→
 http://www.jasso.go.jp/tokubetsu_shien/kourousyou.html

●共同研究「全盲児童の図形表象の評価に関する研究」 (平成18~19年度)

           研究代表者 大内 進(企画部・上席総括研究員)
           共同研究機関 東京工芸大学・久米祐一郎研究室

【本研究の背景と目的】
 全盲児が2次元情報を使いこなすためには、図形を触覚的に認知する力を
つけると共に認知したことをできるだけ正確に表現できる力を育てていくこ
とも必要です。こうした力を育てていくためには、幼少の段階から適切な対
応をしていくことが大変重要になってきます。しかし、指導に際して触覚に
よる図形の形状や大きさの把握や描画の結果を客観的に評価することが大き
な課題となっています。
 本研究では、図形の模写活動に焦点をあてて、より適切な指導を行うため
に、パソコンを活用して模写した図形を定量的に評価し、その結果を児童に
わかりやすくフィードバックするシステムの開発に取り組みました。

【結果】
 本システムで開発した評価の手続きを以下に示します。
 模写凸図教材を提示し、児童は凸図を触察する。児童はレーズライターで
サンプル図を模写する。サンプル図と児童が模写した図をスキャナーでデジ
タルデータ化する。本システムによりサンプル図と模写図の形状及び大きさ
を比較し定量的に評価する。結果を児童にフィードバックする。
 形状の評価について、相似条件、合同条件、円形度の3種類の方法を検討
し相似条件を採用しました。その手順を以下に示します。
(1)サンプル図と模写図の面積比の平方根を算出し、サンプル図をこの比に
 合わせて拡大(縮小)する。
(2)拡大(縮小)したサンプル図と模写図の重心を基準とし、描画の始点の
 方向に図形を重ね合わせ、はみ出たサンプル図の部分とはみ出た模写図の
 部分の面積を算出する。
(3)その面積を拡大(縮小)したサンプル図の面積で除して形状正確度を求
 める。
 この図形の定量評価システムを利用することにより、図形学習の基礎とな
る基本図形の模写結果を定量的に評価できることが確かめられました。

【本研究の成果と課題】
 本研究において基本的システムの枠組みを確立することができました。し
かし、現状のシステムは評価の手順が複雑で、授業の中で実用的に利用する
までに至っていません。より簡便な手続きで評価が得られるようにそのプロ
セスを改善していくことが今後の課題です。
  
 ○本研究の詳細はこちら→近日中にWebサイトに掲載予定

◆ちょっと一息 季節のたより -ECOな生活!「かりゆしウェア」!-

 本研究所では、6月1日から9月30日まで軽装の励行が始まっています。み
なさんのところではいかがですか?この取り組みは、いわゆる「クール・ビ
ズ」と称され、地球温暖化防止、省エネのために全国で取り組まれているECO
活動です。
 ノーネクタイ、ノー上着というふれこみですが、どうも“しまらない”と
思われている方には、是非、「かりゆしウェア」をお勧めします。「かりゆ
し」とは沖縄の言葉で「めでたい」という意味で、ネクタイに代わる正装と
して沖縄で定着し、平成17年にはクール・ビズの先がけとして、全国から注
目を集めたウェアです。アロハシャツと違って、基本的に「沖縄らしさを表
現したもの」「沖縄県内で縫製されている」という2つの条件があり、沖縄
の風物(ゴーヤー、シーサー等)をモチーフとしたデザインや、伝統織物を
生地(芭蕉布、ミンサー織等)につかったもの等、バリエーション豊かで、
女性用ウェアもステキな物がいっぱいです。ちなみに、宮崎県でもリゾート
ウェアとして、「いっちゃがウェア」があるようですが、東国原知事もがん
ばっていますね。
 さて、実は筆者も「かりゆしウェア」を7着持っておりますが、研究所内
でも好評!?です。沖縄観光推進員(自称)としては、研究所が「かりゆし
ウェア」一色になることを願っております。既に、数名の所員がウェアを着
てステキに研究所を闊歩しています(笑)。
 ヒートアイランド現象が問題視されている我が国「日本」。今では亜熱帯
性気候の沖縄よりも気温が高く、暑苦しい夏が続いています。ネクタイに背
広なんか脱ぎ捨てて「かりゆしウェア」でこの夏を快適に乗り切ってみませ
んか?
 
 ○「かりゆしウェア」を詳しく知りたい方は、こちらのサイトで!→
 http://www8.cao.go.jp/okinawa/kariyushi/index.html 内閣府沖縄振興局

            (発達障害教育情報センター 大城 政之 記)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■特別支援教育関連情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●文部科学省特別支援教育課からのお知らせ

 このたび、文部科学省では以下の資料等を作成しましたので、お知らせし
ます。

◆特別支援教育資料(平成19年度)

 毎年、特別支援教育に関する統計データの公開を目的として「特別支援教
育資料」を作成しており、この度、平成19年度版を作成しました。

○詳細についてはこちら→
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/020.htm

◆障害のある子どものための地域における相談支援体制整備ガイドライン
(試案)

 都道府県や市町村などの各地方自治体において、医療、保健、福祉、教育、
労働等の関係部局・機関が一体となって、障害のある子どもやその保護者に
対する一貫した相談・支援体制を整備できるようにすることを目的として「
障害のある子どものための地域における相談支援体制整備ガイドライン(試
案)」を作成しました。
 各地方自治体及び相談・支援にかかわる関係部局・機関及び関係者におい
ては、本ガイドラインを参考にするなど、責任ある相談・支援体制の整備に
役立てていただければ幸いです。

「文部科学省ホームページ特別支援教育に関すること」に近日中に掲載予定
です。
 
○「特別支援教育に関すること」はこちら→
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main.htm

◆「交流及び共同学習ガイド」の作成について

 このたび、文部科学省では、小学校、中学校等における障害のある子ども
と障害のない子どもとの交流及び共同学習が積極的に取り組まれるように、
「交流及び共同学習ガイド」を作成し、文部科学省ホームページに掲載しま
した。障害のある子どもと障害のない子どもとの交流及び共同学習は、双方
の子どもの社会性や豊かな人間性を育成する上で重要な役割を果たしていま
す。
 本ガイドでは、交流及び共同学習を実際に推進していく際のおよその手順
に沿って、教育課程上の位置づけ、障害のある子どもの特性に応じた配慮、
関係者の共通理解の工夫、事前・事後学習の留意点、評価の方法など、重要
と考えられる事項を具体的事例と共に示しています。
 教育委員会や各学校等におかれては、本ガイドの内容を参考にするなど、
交流及び共同学習の一層の推進に役立てていただければ幸いです。

○詳細についてはこちら→
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/010/001.htm

◆幼稚園教育要領教育要領解説、小学校学習指導要領解説、中学校学習指導
要領解説を公表

 幼稚園教育要領解説、小学校学習指導要領解説、中学校学習指導要領解説
がそれぞれ文部科学省のホームページに掲載されています。

○幼稚園教育要領解説はこちら→
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/youkaisetsu.pdf

○小学校学習指導要領解説はこちら→
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syokaisetsu/index.htm

○中学校学習指導要領解説はこちら→
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/chukaisetsu/index.htm

●平成20年度第33回特別支援教育教材教具展示会作品募集
(財団法人障害児教育財団)

 財団法人障害児教育財団では、障害のある子どもの教育に携わる教職員が、
日常の教育活動の中で創意工夫し、実際の教育活動に活用している教材・教
具(コンピュータによる学習ソフトウェアを含む。)を募集します。
 ◇応募締切 平成20年10月17日(金)必着
 ◇応募先  財団法人障害児教育財団事務局
       〒239-8585 神奈川県横須賀市野比5丁目1番1号
       TEL 046-839-6888

 ○募集要項及び応募用紙はこちら→
  http://www.nise.go.jp/blog/kyozaitenjikai.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■研修員だより
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今号は、平成19年度特別支援教育専門研修自閉症・情緒障害教育コース修
了の高野都先生からお寄せいただきました。

「あれから」

            高野 都(茨城県日立市立日立養護学校 教諭)

 『寝不足にも負けず、テレビ無しの毎日にも負けぬ、楽天的な性格。3階
の隅の山側の小さな部屋に居を構え、一日に、レトルト食品1パックとワイ
ンと多量のお菓子を食べ、憧れの講師陣に耳を欹(そばだ)て、手指が固ま
るほど講義記録を取り、部屋に籠(こも)ってはパソコンでレポート三昧、
Web講義を視聴し続け、図書館からは資料を抱え、よい本があると聞けばネ
ットで購入、有志が集まれば自主研を行い、宇治少年院へと誘われれば新幹
線に飛び乗り、研究所の先生方のご好意に縋(すが)り、グループ研究では
論議白熱、宿舎各階の有志の宴会にはちょっと顔を出し、季節外れのインフ
ルエンザに倒れ、同胞との別れに涙を流し、遊びにも出ず(?)家にも帰ら
ず、そんな研修漬けにもう一度なりたい…。』
 研修生活から1年。そういえば、九州から来た研修員の口癖は「久里浜マ
ジックは帰ったら消える」。確かに研究所での生活は白昼夢のよう。しかし、
専門研修に参加した人なら分かる、参加しなければ分からない、多くのもの
が私たち研修員の体の中に残っている。
 県特別支援学校初任者研修講座や本校ボランティア養成講座の協力員、日
立市個別の教育支援計画(幼小中養)作成委員、学校課題研究主任等の公務の
みならず、自主研修会「午後のティー(チャーズ)ルーム」の開催や、国総研
をはじめとした多岐に渡る研修参加での自己研鑽…。今、特別支援教育は、
日進月歩。未(いま)だ学んでも学んでも学び足りない毎日。
 それでも、私にとっての専門研修は、「自分のやりたいこと」「自分がや
らなければならないこと」「自分ができること」の輪郭をはっきりとさせて
くれた。何よりも、教育的ニーズにしっかりと応える指導。まずは目の前の
子どもに「初めは離れて座り…、横目で見…、何も言わない…、いつも同じ
きまりで…、」寄り添うことを受け入れてもらうこと。この変わらないコン
セプトで、これからも特別支援教育に携わって生きていきたいと思っている。
研究所の先生方と同胞への感謝、そしてあの素晴らしい研修の余韻を温めな
がら。

 ○Webサイトはこちら→http://www.h-yougo.hitachi-kyoiku.ed.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記
 暑い夏まっ盛り、皆さんは夏休みをいかがお過ごしでしょうか?
 研究所の職員は、例年、夏休みを利用して各地域で行われる研修会や研究
会に参画させて頂き、様々なお手伝いをさせて頂いております。
 今年は、メルマガの購読普及を目指して、各地域で行われる研修会場にお
いて、「メルマガPRカード」を配布させて頂く予定でおります。名刺サイ
ズのカードですが、登録方法や携帯電話でのアクセス方法も載せています。
特別支援教育の最新情報が沢山詰まったメールマガジンを、お一人でも多く
の方に愛読して頂ければと思っていますので、今後ともどうぞ宜しくお願い
致します。
                  (第17号編集主幹 廣瀬 由美子)

 ○「メールマガジン」へのご意見・ご感想は、こちら→
  a-koho@nise.go.jp(@を半角にして送信してください。)
 ○研究所メールマガジンのバックナンバーは、こちら→
  http://www.nise.go.jp/magazine/back.html
 ○研究所メールマガジンの利用については、こちら→
  http://www.nise.go.jp/magazine/policy.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第17号(平成20年 8月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho@nise.go.jp
           (@を半角にして送信してください。)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
サイトポリシー情報公開個人情報保護調達情報・契約監視委員会| Copyright © 独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所