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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第50号(平成23年 5月号)
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東日本大震災で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。
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■目次
【1】お知らせ
【2】NISEトピックス
【3】連載コーナー
【4】研修員だより
【5】アンケートのお願い
【6】編集後記
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【1】お知らせ
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★NEWS★
●研究所の最新状況
◆研修現況報告 特別支援教育研究研修開講

 専門研究等に参画する研究研修(平成23年 4月18日~平成24年 3月16日)
が開講し、現在、各県等から派遣された7名の研究研修員が研究・研修に励
んでいます。
 なお、参画している研究課題は以下のとおりです。
【重点推進研究】
・発達障害のある子どもへの学校教育における支援の在り方に関する実際的
研究-幼児教育から後期中等教育への支援の連続性-(平成22~23年度)
【専門研究A】
・特別支援学校高等部(専攻科)における進路指導・職業教育支援プログラ
ムの開発(平成22~23年度)
【専門研究B】
・軽度・中等度難聴児に対する指導と支援の在り方に関する研究(平成22~
23年度)
・言語障害のある子どもの通常の学級における障害特性に応じた指導・支援
の内容・方法の開発に関する研究-通常の学級と通級指導教室の連携を通し
て-(平成22~23年度)
・肢体不自由のある児童生徒の障害特性に配慮した教科指導に関する研究
-表現する力の育成をめざして-(平成22~23年度)

◆平成23年 4月16日の世界自閉症啓発デー2011in横須賀の報告

 今年の世界自閉症啓発デー2011in横須賀は、一般市民への自閉症の啓発と
災害時の自閉症のある人への対応について理解を深めることを目的として、
「自閉症の世界を知ろうよ」をテーマに開催しました。
 地域における理解啓発を図る趣旨で、国立特別支援教育総合研究所と筑波
大学附属久里浜特別支援学校が主催し、今年は共催として筑波大学附属久里
浜特別支援学校PTA、横須賀地区自閉症児・者親の会「たんぽぽの会」も運
営にあたりました。総参加者は221名で、当日は子ども連れ等の家族での参
加者も多く見られました。アンケートの結果では、自閉症について理解が深
まったと答えた人は96%、自閉症についてもっと知りたいと答えた人は93%
でした。
 なお、当日の様子の動画は本研究所の特設Webサイトで 5月中旬に公開を
予定しています。ぜひご覧ください。
  4月 2日の世界自閉症啓発デーに限らず、自閉症について多くの国民に知
ってもらい理解を深めていく活動を通して、自閉症のある人とない人が、互
いに認め合い尊重し合って生きていける共生社会の実現を目指していきまし
ょう。

 ○世界自閉症啓発デー日本実行委員会公式Webサイトはこちら→
  http://www.worldautismawarenessday.jp/

 ○本研究所の世界自閉症啓発デー特設Webサイトはこちら→
  http://www.nise.go.jp/waad/index.html

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【2】NISEトピックス
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★トピックス★ 
●平成23年度の研究活動について
                      企画部・総合企画調整担当

◆研究所における研究活動のあらまし
 本研究所では、特別支援教育のナショナルセンターとして障害のある子ど
も一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に寄与するため、国として
の政策上重要性の高い課題に関する研究や教育現場で求められている喫緊の
課題に対応した実際的研究を体系的、組織的、計画的に取り組んでいます。
 本研究所における研究活動は、基幹研究(専門研究A、専門研究B、専門
研究C、専門研究D)、外部資金研究、受託研究、共同研究、調査研究に分
けることができます。
 研究所の行う研究の中核となる基幹研究のうち専門研究Aと専門研究Bは、
研究所内に組織された研究班によって全所的に実施されるものです。専門研
究Aは特別支援教育の推進に寄与するための各障害種等に共通した総合的・
横断的な課題に対応し、専門研究Bは障害種別に特化した研究で、それぞれ
の障害種等に応じた今日的な課題に寄与しようとするものです。それらのう
ちでも、特に学校現場や政策課題として重要度の高い課題については、重点
推進研究として特に重視して取り組んでいます。
 また、特別支援教育全体に関わる重点的な課題を総合的に解決するため、
中期目標・中期計画期間を見通して特定の包括的研究テーマや領域を設定し、
複数の研究課題から構成された研究を行う「中期特定研究制度」が平成23年
度より新たに創設されました。

◆平成23年度の研究活動について
 平成23年度の研究活動は、第二期中期目標・中期計画期間(平成18年度~
平成22年度)の研究活動を引き継ぐとともに、第三期中期目標・中期計画期
間(平成23年度~平成27年度)の初年度として、専門研究A(4課題、その
内1課題が重点推進研究)、専門研究B(9課題、その内3課題が重点推進
研究)、専門研究D(3課題)、共同研究(4課題)を計画しています。詳
細は、後日Webサイトに掲載します。
 また、中期特定研究制度による研究として、インクルーシブ教育システム
をテーマとする研究、特別支援教育におけるICTの活用をテーマとする研究
を計画しています。詳細は、改めてお知らせします。

●海外情報の紹介
◆第10回 世界ロービジョン学会参加報告
                田中 良広(教育相談部 総括研究員)

 平成23年 2月18日から 2月24日にかけて、科学研究費補助金にかかる研究
の一環として、第10回世界ロービジョン学会クアラルンプール大会に参加し
てきました。
 世界ロービジョン学会は3年ごとに開催されている視覚障害、特に弱視に
焦点を充てた国際学会で、本大会はクアラルンプール国際コンベンションセ
ンターを会場として開催されました。
 第10回目の節目に当たるクアラルンプール大会は、アジア地域で初めて開
催される大会となったことから、アジア地域のロービジョンに関わるあらゆ
る分野の発展にとって非常に意義深い大会と位置付けられていました。した
がって、大会事務局であるマレーシア盲人協会が精力的に大会運営に携わり、
マレーシア政府からも非常に手厚いサポートも受けて実施されていました。
これを象徴するかのように、大会運営に当たっては非常に多くのボランティ
アの方々が関わっておられ、会場を歩いていると、「どこから参加されてい
るのですか」、「何か困ったことはありませんか」などと何度も声をかけて
いただきました。
 本大会のメインテーマは、「ビジョン・リハビリテーション:より良い生
活に向かって」となっていますが、実際にはロービジョンに関し、医学、福
祉、情報、教育など、様々な分野において現時点における最新の研究成果や
実践報告がなされました。参加者は世界大会に相応しく、世界のあらゆる地
域から1,000以上の関係者が集まりました。中でも、口頭発表などにおいて
はオランダからの発表が多く、この分野での取組の充実ぶりが伺える印象を
強く持ちました。
 また、視覚障害教育に携わる立場として個人的に興味深かったのは、新し
い読書評価テストであるIReST(International Reading Speed Texts)の概
要を知ることができたことです。IReSTはこれまでの弱視者の読書力評価チ
ャートとは異なり、より一般的な読書環境に即した評価が可能となるとされ、
今後、視覚障害に限らず、学習障害等を含めた教育分野での活用が期待され
る検査であるとのことでした。IReSTについては開発チームのメンバーであ
るSusanne Trauzettel-Klosinski女史と直接、質疑応答をする機会を得るこ
とができ、本検査の有効性に関する情報を得ることができたことは非常に大
きな収穫でした。
 なお、3年後の第11回世界ロービジョン学会は、オーストラリアのメルボ
ルンで開催される予定になっています。

◆第1回 台湾ICF及びICF-CY研究会議参加報告
               徳永 亜希雄(教育支援部 主任研究員)

 平成23年 3月26~27日、本研究所の専門研究A「特別支援教育におけるI
CF-CYの活用に関する研究-活用のための方法試案の実証と普及を中心に-
」の一環として、台湾の台北市で開催された台湾ICF及びICF-CY研究会議(
The First National ICF and ICF-CY Conferences and Workshops)に参加
しました。同会議は、台湾における早期療育に関する組織とリハビリテーシ
ョンに関する組織によって開催されたもので、WHOのICF-CY(国際生活機能
分類児童版)のワーキンググループ議長を務めた、アメリカノースカロライ
ナ大学R.J.Simeonsson教授による講義、台湾の参加者による研究発表及び協
議が行われました。
 主催者によると、台湾でのICF及びICF-CYの活用は始まって2年目であり、
まだまだこれから、とのことでしたが、様々な職種による活用や研究の取組
について口頭発表6本、ポスター発表18本が行われ、活発な議論が交わされ
ました。取組の内容だけでなく、主催者及び参加者の熱意や英語力の高さ等
も含め、参考になるところが多い会議でした。今回得られた知見を参考にし
ながら本研究を進めていくと共に、今後も台湾の関係者との交流を続けてい
く予定です。
 なお、写真や発表題目等を含めた参加報告を以下のWebサイトに載せてい
ます。ぜひご覧下さい。→
 http://www.nise.go.jp/cms/8,3670,18,105.html

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【3】連載コーナー
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●知れば得する???脳科学-自閉症-
         渥美 義賢(国立特別支援教育総合研究所客員研究員)

 第1回 自閉症の治療薬は?- オキシトシンの可能性-

 この連載(全5回)では、自閉症に関する知って得する情報を脳科学の知
見からお届けします。
 現在までのところ、社会性の障害等自閉症の基本的な症状を改善させたり
自閉症を治癒させる作用が明確に証明された薬はありません。この中で、自
閉症の治療薬として最近注目されているものにオキシトシンがあります。オ
キシトシンとはどのような物質でしょうか? 自閉症の治療薬としての可能
性はあるのでしょうか?

  ・・・・・・ 続きはこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/6,3691,13,257.html
  ・・・・・・ 全5回の連載内容(予定)はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/6,3764,13,257.html

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【4】研修員だより
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 今号は、平成22年度第三期特別支援教育専門研修修了の松田貴祐先生から
お寄せいただきました。

「子どもたちの今のために」
                 松田 貴祐(山形県立鶴岡養護学校)

 今年は例年よりも寒い日が続きましたが、ようやく水仙やクロッカスの花
が咲き始め、柔らかな春の日差しと青い空を見るたびに久里浜での研修を思
い出します。
 毎日6時間にわたって行われた質の高い講義。仲間とテーマを共有して取
り組んだ研究協議。障害者雇用の実際やキャリア教育に基づく教育実践を肌
で感じた企業見学と学校見学。様々な思いを語り合った西棟ミーティングル
ーム。すべてが自分自身を振り返る貴重な時間であり、これからの自分のあ
り方を考えさせられるものでした。
 「充実した研修」として終わるはずだった 3月11日。東日本大震災は発生
しました。信じがたい被害状況に不安を覚えた日から1カ月。日々考えるこ
とは「今を精一杯生きる」ということです。児童生徒の今に自分はどれだけ
真剣に向き合えるのか、今という時間をどれだけ価値のあるものにできるの
か、これらのことが教師として今を生きる私にできる最善のことだと信じま
す。
 今年度私は研究主任となり、本校の研究主題に即して『できる状況づくり
の視点に基づく「支援の最適化」』に取り組んでいます。研修で学んだこと
を振り返り、子どもたちの今の充実のために仲間と共に研究を推進していこ
うと思います。
 東日本大震災をみんなで乗り越え、またいつか会えることを楽しみにして
います。
 がんばろう東北!がんばろう日本!

 ○山形県立鶴岡養護学校のWebサイトはこちら→
  http://www.tsuruoka-sh.ed.jp/

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【5】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
 http://www.nise.go.jp/enquete/fm/haisin/maga50

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【6】編集後記
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 2007年 3月に創刊した本研究所のメールマガジンが、今月号で第50号とな
り、新しく「連載コーナー」がスタートしました。このコーナーは、タイム
リーな話題をより分かりやすく読んでいただくために、Webサイトにリンク
を張り、詳しい内容を紹介しています。どうぞWebサイトを開いてお楽しみ
下さい。
 東日本大震災の余震が続く中で、被災地域ではまだ授業が再開できない学
校もあると聞いております。桜前線が確実に北上しているのに重い気持ちを
奮い起こして新学期を迎えられた方も多いことと思いますが、読者の皆さん
が元気になるような紙面作りをこれからも目指していきたいと思います。
                   (第50号編集主幹 工藤 傑史)

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■次号のメールマガジンは・・・

●トピック 平成23年度研究課題一覧
●研究紹介
 専門研究B 特別支援学校における障害の重複した子ども一人一人の教育
的ニーズに応じる教育の在り方に関する研究-現状把握と重複障害教育の枠
組の検討-(平成21~22年度)

以上の記事を予定しております。是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第50号(平成23年 5月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
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