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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第51号(平成23年 6月号)
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東日本大震災で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。
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■目次
【1】お知らせ
【2】NISEトピックス
【3】研究紹介
【4】連載コーナー
【5】研修員だより
【6】アンケートのお願い
【7】編集後記
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【1】お知らせ
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★NEWS★
●「震災後の子どもたちを支える教師のためのハンドブック~発達障害のあ
 る子どもへの対応を中心に~」配布のご案内
 本研究所では、被災地で子どもたちに関わっている教師をサポートするた
め、ハンドブックを作成しました。このハンドブックには、震災後の学校で
教師が子どもと関わる際に心掛けて欲しい基本的な対応と発達障害のある子
どもへの関わり方をまとめています。
 このハンドブックは、都道府県・政令指定都市の教育委員会に配布すると
ともに、被災された地域で配布希望のありました学校等にもお送りしていま
す。また、Webサイトよりダウンロードが可能ですので、必要に応じて印刷し
ご使用ください。

 ○詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/6,3758,53.html

●世界自閉症啓発デー2011・シンポジウム開催のご案内
 国連の定めた 4月 2日「世界自閉症啓発デー」に予定されていた本研究所
共催のイベント『世界自閉症啓発デー2011・シンポジウム』は、東日本大震
災のため延期しておりましたが、この度、テーマを「災害と自閉症」と変更
し、 6月18日(土)に新たな内容で開催いたします。皆様のご参加をお待ち
しております。

 ○詳細はこちら→
  http://www.worldautismawarenessday.jp/

 また、 4月16日(土)に開催した「世界自閉症啓発デー2011 in 横須賀」
の模様を動画で紹介していますので、こちらもご覧ください。

 ○詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/waad/event.html

●第2回特別支援学校進路指導・職業教育担当者研究協議会開催のご案内
 平成23年度専門研究A「特別支援学校高等部(専攻科)における進路指導
・職業教育支援プログラムの開発」の一環で、特別支援学校高等部・専攻科
の進路指導・職業教育担当者及び関係機関の方を対象に、進路指導・職業教
育の実践上の現状と課題について情報交換を行うことを目的とした研究協議
会を平成23年 8月11日(木)に本研究所にて開催いたします。各学校の進路
指導・職業教育担当者及び関心のある皆様のご参加をお待ちしております。
 本研究所Webサイトにて受付を開始いたします。
 なお、定員(40名)になり次第申し込みを締め切らせていただきます。

 ○詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/8,107,18,105.html

●平成23年度第一期特別支援教育専門研修が開講
  5月 9日(火)、 平成23年度第一期特別支援教育専門研修が開講しました。

 特別支援教育専門研修は、約2ヶ月の間研究所の研修員宿泊棟に宿泊する
完全合宿型の研修形式で、年に三期開催しています。
 今期(平成23年 5月 9日~ 7月 8日)は、情緒障害・言語障害・発達障害
教育コースで、全国から73名の教職員が、それぞれの専修プログラムごとに
研修に励んでいます。
 研修の主な内容は、特別支援教育全般と各専修プログラム毎の障害種別に
関わる講義を中心に、演習、研究協議、実地研修などから構成されています。

この研修では、知識、技術の習得のみならず全国から集まった教職員同士の
ネットワークづくりも魅力となっています。

 ○特別支援教育専門研修の内容等はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/9,0,21,116.html

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【2】NISEトピックス
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★トピックス★ 
●平成23年度研究課題一覧
 このたび平成23年度の研究課題及びその内容が確定しましたのでお知らせ
します。
 このうち、中期特定研究制度は、平成23年度からはじまる第3期中期目標
期間において設けた新たな研究の枠組みです。
 本制度においては、特別支援教育全体に関わる重点的な課題を総合的に解
決するため、中期目標期間を見通して特定の包括的研究テーマ(領域)を設
定し、複数の研究課題から構成された研究を進めることとしています。
 それぞれの研究テーマ及びそれを構成する個々の研究課題は、次の通りで
す。
◇インクルーシブ教育システムに関する研究
・専門研究A「インクルーシブ教育システムにおける教育の専門性と研修カ
リキュラムの開発に関する研究」(平成23年度~24年度)
・専門研究A「インクルーシブ教育システムの構築に向けた特別な支援を必
要とする児童生徒への配慮や特別な指導に関する研究」(平成23年度~24年
度)
◇特別支援教育におけるICTの活用に関する研究
・専門研究A「デジタル教科書・教材及びICTの活用に関する基礎調査・研
究」(平成23年度)

 ○各研究の詳細な内容はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/8,0,18.html

★海外情報の紹介★ 
●スウェーデンの知的障害のある子どもの教育と就労
                井上 昌士(教育支援部 総括研究員)

 「特別支援学校(知的障害)高等部における軽度知的障害のある生徒に対
する教育課程に関する研究」(平成22年~23年度)にかかる情報収集のため、
 3月23日から30日までスウェーデンの関連機関や施設を訪問しました。いく
つかの機関や学校、施設の情報収集をしましたが、ここでは教育と就労に関
わる内容について報告をします。
 スウェーデンの知的障害のある子どもが学ぶ学校には、義務教育段階には
特別基礎学校(grundsaerskolan)と訓練学校(traeningskolan)の2種類
があります。後期中等教育段階には特別高等学校(gymnasiesaerskolan)が
あります。今回は、日本の通常の小中学校にあたる基礎学校をはじめ、就学
前学校、自閉症や肢体不自由など異なるタイプの障害に対応する3つの学校
など様々な学校が集合したAdolfsbergsskolanという教育機関を訪問しまし
た。児童生徒数約1,200名で、校長(Rector)が各学校1人ずついる大規模
な教育機関です。基礎学校にある知的障害のない自閉症のための特別な配慮
クラス(生徒数12名)の社会の授業及び休憩時間を見学し、個別に教育内容
や方法が設定されること、教員は生徒たちの学習への動機付けをいかに高め
るかが重要であること等について情報を得ました。スウェーデンの知的障害
学校の多くは、基礎学校と同じ敷地内に別々に校舎を設置する「場の統合」
が行われているとイメージしていましたが、実際には、同じ校舎内のあちこ
ちに基礎学校及び特別な配慮のクラス、知的障害等のための基礎学校などが
配置されていました。
 知的障害者の就労先には、国営の障害者雇用企業Samhall(サムハル)が
あります。Samhallは全国にあり、約21,000人が働いています。今回は、そ
の1つであるSamhall Jordbroを視察しました。実際の作業としては、ガム
の箱詰め、スパ用の石鹸のラッピング等が行われ、またここからビルの清掃
の仕事への派遣なども行われていました。スウェーデンの障害者労働政策に
おいてSamhallが果たす調整的な機能、公共職業安定所の役割の重要性等に
ついて情報が得ることができました。
 最後に、障害児者への様々な予算配分等にかかわる教育省傘下の機関を訪
問してわかったことですが、スウェーデンでは2013年を目途に教育制度改革
が行われるそうです。この教育改革では知的障害に関しては、知的障害の有
無を判断する4条件(医師の診断、社会的診断、心理的診断、教育的診断)
の適用を厳密にしていくとの情報を得ました。これらについては今後も継続
して情報収集に努める必要があります。

(注)文中スウェーデン語のウムラウトを含む単語については、その部分を
「ae」と代用表記しています。

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【3】研究紹介
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●専門研究B 特別支援学校における障害の重複した子ども一人一人の教育
的ニーズに応じる教育の在り方に関する研究-現状把握と課題の検討-(平
成21~22年度)

       研究代表者 大崎 博史(教育研修・事業部 主任研究員)

 本研究では、特別支援学校に在籍する児童生徒の障害の重度・重複化、多
様化の実態を取り上げ、それらの教育課題に対応するための基礎的な事項を
整理することを目的としました。
 研究の標題については、特別支援学校における教育が、特別支援教育の理
念でもある「障害のある幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた教育
を実施する」ためのものであり、重複障害を含む様々な障害の状態に対応す
ることができる体制づくりが重要であることの趣旨を込めています。
 研究の内容としては、国内外の文献研究やアンケート調査、インタビュー
調査の手法を用いて、1)重複障害者、重複障害者に関する概念の整理、2)特
別支援学校における複数の種類の障害を併せ有する児童生徒の現状の把握、
3)一人一人の教育的ニーズに対応した適切な指導や支援を行うための教育課
題とその研究の在り方の整理・検討を行いました。
 その結果、a)障害のある児童生徒の教育を考える上で「教育的ニーズ」の
視点が重要であること、b)重複障害を単に障害の重なりだけでなく、教育的
ニーズの複雑さの視点でとらえること、c)今まで障害種別の学校で蓄積され
てきた教育の専門性を共有すること、d)現在の生活と将来の生活がさらに充
実するために個別の教育支援計画を活用が大切であること、などが示唆され
ました。

 調査の速報はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/resources/content/114/chousa_sokuho.pdf

 成果報告書は後日Webサイトからも閲覧できる予定です。

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【4】連載コーナー
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●知れば得する???脳科学-自閉症-
         渥美 義賢(国立特別支援教育総合研究所客員研究員)

 第2回 自閉症が男子に多いのは?

 この連載(全5回)では、自閉症に関する知って得する情報を脳科学の知
見からお届けします。
 自閉症の発症は男性に多く、女性の約4倍とされています。なぜ自閉症は
男性に多いのでしょうか?現在までのところ十分な証拠のある確定的な理由
は明らかになってはいませんが、仮設や考察はなされています。
 「自閉症は極度に男性的な脳を持つ」という興味深い仮説が提唱されてい
ます。また、男女で異なる性染色体の遺伝子に関連した理由も考えられてい
ます。

  ・・・・・・ 続きはこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/6,4134,13,257.html
  ・・・・・・ 全5回の連載内容(予定)及びこれまでの連載記事はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/6,3764,13,257.html

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【5】研修員だより
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 今号は、平成21年度第一期特別支援教育専門研修修了の和知学先生からお
寄せいただきました。

「絆」
                  和知 学(福島県立西郷養護学校)

 「贅沢で恵まれた時間」と「たくさんの人との出逢いとつながり」を得た
2年前の久里浜での2カ月の研修期間は、楽しい思い出ばかりの研修です。
 この研修を通して、教育への思いを語り合った仲間と、現在もアドバイス
をいただいている研究所の先生方との出逢いは、学ぶことの楽しさや学び続
けることの大切さについて改めて考えるきっかけとなりました。また、それ
までの自分自身と向き合い、これからの生き方や自分のスタンスを見つめ直
すことができました。
 現在、私は6名の初任者の指導教員をさせていただいています。当時の講
義の資料を読み直しながら研修で学んだ教育の在り方や教育への姿勢を初任
者一人一人に伝えようと努めています。
  3月11日に起きた東日本大震災で私の住む福島県は地震・津波・原発の三
重の災害に見舞われました。けれども、私自身研修で学んだことを基礎にお
き、「子ども達の明るい笑顔のために」自分にできることを精一杯取り組み
ながら、障がいのある子ども達のために頑張っています。
 「福島は負けない!」を合言葉に…

 ○福島県立西郷養護学校のWebサイトはこちら→
  http://www.nishigo-sh.fks.ed.jp/

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【6】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
 http://www.nise.go.jp/enquete/fm/haisin/maga51

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【7】編集後記
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 被災地の学校では「子どもたちが毎日学校に行って、授業を受ける」とい
う「あたりまえのこと」を行うために、教育関係者や保護者、地域の皆さん
が力を合わせています。諸外国において障害のある方がどのような教育を受
けて社会参加をしていくのか、という情報からは、「あたりまえのこと」は
社会の在り方によって異なることに気付かされます。日本で今できる「あた
りまえのこと」をそれぞれの立場から協力しあって実行することが、将来に
向かう新たな価値の共有につながっているように感じた6月号でした。

                  (第51号編集主幹 齊藤 由美子)

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■次号のメールマガジンは・・・

●研究紹介
専門研究A 特別支援学校の特性を踏まえた学校評価の在り方に関する実際
的研究(平成21~22年度)

などの記事を予定しております。是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第51号(平成23年 6月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
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