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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第158号

メールマガジン

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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第158号(令和2年5月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【NISEトピックス】
・NISE各部・センターの活動紹介(1) 令和2年度の研究企画部の活動につい
て 
【特総研ジャーナルの紹介】
・研究報告及び国際会議・外国調査等報告について
【NISEダイアリー】
【特別支援教育関連情報】
・学校の臨時休業期間における家庭での過ごし方に関する情報について
・令和元年度特別支援教育に関する調査の結果について
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】NISEトピックス
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●NISE各部・センターの活動紹介(1) 令和2年度の研究企画部の活動につい

             棟方 哲弥(研究企画部長/上席総括研究員)

 本研究所は、事業部門として総務部を含めて4部、2センターが設置され
ています。研究企画部は、研究所で行われる調査及び研究に関する企画立案、
さらに評価などの研究支援活動全般を担う重要な役割を果たしています。特
に、令和2年度は、第4期中期目標期間の最終年度であることから、第5期
中期目標期間に向けた研究活動の基本的な進め方などの検討を行うことも重
要な業務となります。4月上旬から新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊
急事態宣言が継続されており、研究活動についても、研究の打ち合わせにテ
レビ会議等のICTを活用するなどの対処をしているところです。状況によっ
て研究実施計画の変更等が必要な場合も想定し業務を進めております。
 ところで、研究企画部が担う業務は本研究所のミッションを達成するため
の4つのビジョン(方向性)の一つである「国の特別支援教育政策立案及び
施策の推進等に寄与する研究及びその成果の普及」事業です。我が国唯一の
特別支援教育のナショナルセンターとして(1)国として特別支援教育政策
上重要性の高い課題に関する研究、(2)教育現場等の喫緊の課題に対応し
た実際的研究を組織的かつ戦略的に実施することとされています。
 令和2年度は、基幹研究(横断的研究)2課題、基幹研究(障害種別研究)
4課題、地域実践研究2課題を中核にして、各障害種別の基礎的研究活動を
併せて実施します。国の政策立案に寄与する研究はもとより、教育委員会、
特別支援学校、小学校・中学校、高等学校等に真に役立つ研究成果を得るた
めには文部科学省、地方自治体、全国の学校長会等との研究リソースの共有、
都道府県等の教育センター等とのより一層の連携が重要です。また、大学等
との連携協力を一層推進するための委託研究制度の円滑な運用、所内の研究
職員の研究倫理教育、研究力向上や研究設備備品の整備などの所内の研究支
援を推進することにしています。

○研究成果物のリストはこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/study/intro_res/list

○研究企画部の掲載された組織体制はこちら→
 http://www.nise.go.jp/nc/about_nise/Institute/organization

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【2】特総研ジャーナルの紹介
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●研究報告及び国際会議・外国調査等報告について
 本研究所では、本研究所の研究をはじめとする様々な活動内容を紹介する
「特総研ジャーナル」を毎年作成し、Webサイトに掲載しています。その特
総研ジャーナルの内容を今号から数回に分けて紹介します。
 まず、研究報告及び国際会議・外国調査等報告に関しては、下記のような
内容を掲載しています。
-研究報告-
 ・精神疾患及び心身症のある児童生徒の教育的支援・配慮に関する研究
  (平成29~30年度)の成果の普及活動
 ・知的障害特別支援学級の教育内容・方法等に関する全国調査報告
-国際会議・海外調査等報告-
 ・重度の学習困難のある子どもに対するイギリスの対応
 
○国立特別支援教育総合研究所ジャーナル第9号はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/report_material/research_results_publicati
ons/kiyou_jarnal_bulletin

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【3】NISEダイアリー
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              「教材探し」
           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

 新年度が始まったが、新型コロナウイルスの感染症拡大防止のため、研究
所でも、第一期特別支援教育専門研修を中止にするなど、様々な対応を行っ
ている。5月からの研修に参加することを予定しておられた方々には、せっ
かくの研修の機会を逸してしまうことになり、誠に申し訳ないと思う。今、
何らかの形で、個々の研修に寄与する方法を検討しているので、その際には、
是非、ご活用いただきたい。
 4月の中頃、嵐のような雨風の一夜が明け、翌日は、打って変わったよう
な晴天になった。緊急事態宣言が出されたため、職員には、できるだけテレ
ワークを実施するようお願いしていたが、私には、生憎、Web会議の予定が
入り、それに間に合うように出勤した。久里浜の青い空と海は、夕方まで続
き、退勤する時も、晴れ晴れとした気持ちだった。
 その道すがら思い出したのが、学校に勤務していたころのことだ。通勤途
上で、よく身の回りの「変化」を見付け、受け持った子どもたちに問い掛け
る話題にしたことを。
 研究所を出て、野比海岸のバス停に向かう。すぐ目の前の電信柱が目に入
った。上の方の変圧器の近くに、木の枝がたくさん集められていた。通りが
かりの職員に訊ねたら、「3回目ですよ。」とのこと。カラスの巣作りであ
る。1日ぐらいで作ってしまうと言う。「取り除かないと…。」と言ったら、
「卵を産むまでダメだそうですよ。」とのこと。カラスも必死だ。卵を産む
前に取り除いても、すぐまた作り始めるそうだ。
 坂道を降りる所では、周囲の木々が伐採されている。その切り口に黒く墨
のようなものが塗られている。どうしてだろうと思う。バス停の近くまで行
くと、真上をジェット旅客機が通り過ぎていく。今まで見掛けたことがなか
ったのに。しばらくして、また旅客機が真上を通り過ぎていく。羽田空港へ
の航空機の飛行経路が一部変更になったので、その影響だろうか。
 バスに乗った。いつも前の方に座る。しかし、そこの椅子の上に張り紙が
ある。横のガラス窓にも。「新型コロナウイルスへの感染症拡大防止ため、
使用禁止」とのこと。運転手さんへ、あるいは、お客さんへの感染症拡大防
止のためか。「朝のバスではなかったのに…。」と思う。
 宿舎に着く前、近くのスーパーマーケットで買い物をした。すると、今度
はレジ前にお客さんとレジ係の人との間を仕切る大きな透明のビニールが吊
り下げられていた。コロナ禍の広がりを防ぐため、様々な知恵が絞られてい
る。
 このように、私たちの周りには、日々、様々な変化がある。これらは、実
は、子どもとのやり取りをするためのまたとない「きっかけ」になる。
 昔、夏休みの宿題として、「1週間に1回、(受け持ちの)先生にはがきを
書くこと」というのを教えてもらった。耳の不自由な子どもにとっては、書
いて伝えることが、人との繋がりを作る大切な手立てである。そして、書く
ためには、書きたいことを見付ける必要がある。それは、身近な出来事であ
り、日常の「変化」である。こんな教材探しも、できたらいいと思う。

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【4】特別支援教育関連情報
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●学校の臨時休業期間における家庭での過ごし方に関する情報について
 新型コロナウイルスの感染症拡大防止のために、子どもたちの多くは学校
の臨時休業等により家庭で過ごす時間が長くなっているかと思います。こう
した状況を踏まえ、文部科学省は、「子どもの学び応援サイト」を公開して
います。これらの情報を参考にして、手洗いやうがいに努め、健康に気を付
けて過していただきたいと思います。このサイトのリンク集(子供の学び応
援コンテンツリンク集)の中には、スポーツ庁の「子どもの運動あそび応援
サイト」があり、感染のリスクへの対策を講じつつ、家庭でも楽しく行える
スポーツや運動を紹介しているサイトが取り上げられています。スポーツ庁
のサイトの中には、「おうちの中で楽しめる運動・あそび~子ども向け~
(公益財団法人日本レクリエーション協会)」もありますので、家庭でも楽
しく過ごすための参考にしていただければと思います。NHKは、「おうちで
学ぼう!NHK for School」で数多くの教育番組を公開しています。特別支援
教育に関する番組も検索することができます。
 先が見通せない中で、お子さんや保護者の方は多くの不安を感じていると
思いますが、このようなサイトをヒントにして、家庭で無理せず、楽しく過
ごせる方法を試してみてください。
 詳しくは後述のURLをご覧ください。

○子どもの学び応援サイト(文部科学省)はこちら→
 https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/mext_00004.ht
ml

○子どもの運動あそび応援サイト(スポーツ庁)はこちら→
 https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop03/list/detail
/jsa_00012.html

○おうちの中で楽しめる運動・あそび~子ども向け~(公益財団法人日本レク
リエーション協会)はこちら→
 https://www.recreation.jp/asobi/articles/10

○おうちで学ぼう!NHK for Schoolはこちら→
 https://www.nhk.or.jp/school/

** お願い **
 新型コロナウィルスの感染症拡大予防のため障害のある子どもたちや保護
者の皆様に提供できるHP等をご存じでしたら、今号のアンケートにて情報を
お寄せください。

●令和元年度特別支援教育に関する調査の結果について
 文部科学省は、令和元年度における特別支援教育に関する調査、通級によ
る指導実施状況調査、病気療養児に関する調査、学校における医療的ケアに
関する実態調査を行い、結果について令和2年3月19日に公表しました。
詳しくは下記URLをご覧ください。

○令和元年度特別支援教育に関する調査の結果はこちら→
 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/1402845_00004.htm

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【5】研修員だより
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 今号は、平成27年度第三期特別支援教育専門研修を修了された野々村栄人
先生からお寄せいただきました。

         「『家』そして仲間とのつながり」
                      野々村 栄人(京都府立盲学校)

 4年前に平成27年度第三期「視覚障害教育専修プログラム」に参加する機
会をいただきました。まだ正月気分も抜けきらない中で研究所前のバス停に
降り立った時には、研究所そのものよりもその向こうに広がっている、普段
目にすることがない大海原に目を奪われたことを今でも覚えています。
 初日に宍戸理事長が研究所を評して、「困ったときにはいつでも戻ってこ
られる『家』のような存在」とおっしゃたことが、今でも心に残っています。
研究所の職員の方々、医療・教育・福祉等様々な分野の講師の方々と、まさ
に家族のように時間を忘れ、納得いくまで語り合ったあの2か月間は、かけ
がえのない経験であり、研修終了後も、様々な研究会等で顔を合わせたり、
時には研究のお手伝いをさせていただいたりするなど、現在まで続く貴重な
繋がりとなっています。
 また視覚・聴覚で31名の小集団であったため、障害種別を超えて研修員同
士の強い結びつきが生まれ、研究協議はもとより研修生活の様々な活動を自
発的に企画するなど、まさに"one team"で一つのことを作り上げる大切さ、
その中で自分は何ができるのかを考える良い機会となりました。
 あれから4年が経ちますが、日常の中で迷い、悩むことがあると真っ先に
浮かぶのは「家」である研究所と、寝食をともにした仲間たちのことです。
全国で頑張る彼らに刺激をもらいながら、今後も頑張っていこうと思います。

○京都府立盲学校のWebサイトはこちら→
 http://www.kyoto-be.ne.jp/mou-s/

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【6】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=72661&lang=ja

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【7】編集後記
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 新型コロナウイルスの感染症拡大防止に伴い、全国の多くの地域では不要
不急の外出を控えながらの生活が続いております。こうした状況を踏まえま
して、本研究所では連休明けから開講を予定しておりました第一期特別支援
教育専門研修(視覚障害・聴覚障害・肢体不自由・病弱教育コース)につい
て、研修に参加する皆様の健康を考慮し、中止することにいたしました。研
修に参加するのを楽しみにして下さっていた研修員の先生方には大変申し訳
ございませんが、昨今の情勢を鑑み、今回の決定にご理解いただきますよう、
よろしくお願い申し上げます。
 様々な制限がある状況が続いておりますが、一日でも早くこれまでのよう
に伸び伸びと子供たちが学校や自宅で過ごせる日がくることを心から願って
おります。これから春から夏へと季節の変わり目を迎えます。読者の皆様に
は殊更ご自愛いただければと思います。それでは、今後ともご愛読、ご支援
の程、よろしくお願い申し上げます。
                   (第158号編集主幹 土井 幸輝)

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次号も是非ご覧ください。
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       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
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 【発達障害教育推進センターwebサイト】
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