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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第189号

メールマガジン

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      国立特別支援教育総合研究所(特総研)メールマガジン
         第189号(令和4年12月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【お知らせ】
・令和4年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの開催について
【研修報告】
・令和4年度第二期特別支援教育専門研修(視覚障害・聴覚障害・肢体不自
 由・病弱教育コース)終了報告
【海外情報の紹介】
・日韓特別支援教育協議会の開催報告
【連載コーナー】
・「特別研究員」だより[第5回](最終回)
【高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ】
・「働く広場」12月号のご案内
【NISE’sコンテンツ】
・災害時における障害のある子どもへの配慮について
【アンケートのお願い】

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【1】お知らせ
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●令和4年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの開催について

 特総研では毎年、研究活動等の成果普及、特別支援教育に関する理解啓発
及び、教育関係者や関係機関との情報共有を図るために、本セミナーを開催
しています。
 今年度は、「共生社会の形成に向けた特別支援教育の展開」をテーマに、
令和5年3月4日(土)一橋講堂を会場に対面・オンラインでの配信を予定
しています。
 主な内容は辻村賞授賞式、文部科学省行政説明、基調講演、重点課題研究
等6チームによる分科会、ポスター発表(対面のみ)を予定しています。参
加申込等の詳細は、特総研Webサイトに掲載する予定です。皆様のご参加を
お待ちしています。

日時:令和5年3月4日(土)9:50~17:10(9:15受付開始)
会場:一橋講堂
    (東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター内)
定員:対面200名予定(オンラインでも配信予定)
参加費無料

 参加申込は、令和4年12月下旬頃に受付開始を予定しております。参加を
ご希望の際は、対面及びオンラインともに事前登録が必要です。また、プロ
グラムや接続の方法等は決まり次第、特総研Webサイト等でお知らせいたし
ます。

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【2】研修報告
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●令和4年度第二期特別支援教育専門研修(視覚障害・聴覚障害・肢体不自
 由・病弱教育コース)終了報告

 第二期特別支援教育専門研修が、9月6日から11月11日の日程で開講され
ました。今期は、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱教育の4つのコー
スが並行して開講され、全国から57名の参加がありました。今期も第一期と
同様に、オンラインと来所・宿泊型を組み合わせた方法で行われました。
 講義は、特別支援教育に関する共通的事項や各障害種の指導に関する内容
など多岐にわたり、演習や実技なども織り交ぜながら展開されました。研修
員は、日々の実践で生じている指導上の課題と向き合いながら基礎的事項を
確認したり、新たな知識や技量を身に付けたりしながら、課題解決につなが
る気づきを得るなどして研修を深めていきました。
 また研修期間中盤の3週間は、研修員が久里浜の地に参集して、新型コロ
ナウイルスの感染拡大への対策を講じながら対面での研修を予定どおり行う
ことができました。それまで画面越しの交流で研修に励んでいた研修員でし
たが、来所して対面したことでお互いの距離感が一気に縮まり、例えば班ご
とに設定したテーマに沿って行う研究協議の時間は、オンラインの時以上に
熱く語り合う様子が印象的でした。最終日には、この2か月間の研修成果を
発表するために、各班の研究協議の発表会が行われました。各班のテーマを
見てみると、特別支援学校のセンター的機能、重複障害児の指導、自立活動、
知的障害の教科、カリキュラム・マネジメント、ICT機器の活用などをキー
ワードにした内容で、学校現場が直面する課題を様々な視点から取り上げた
内容でした。限られた時間ではありましたが、質疑応答も行われ、他班の研
修員とも発表内容を共有しながら深めていきました。
 第二期特別支援教育専門研修が終わって数週間経ちました。今頃、受講し
た研修員は、研修で得た様々な事項を踏まえながら所属校や地域での実践に
生かしている頃かと思います。焦らずに一歩一歩前進させて、各地で展開さ
れる授業や教育活動の改善・充実につながることを期待しています。
                実施ワーキンググループ長:北川 貴章

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【3】海外情報の紹介
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●日韓特別支援教育協議会の開催報告

 令和4年11月18日(金)、特総研において「日韓特別支援教育協議会」を
開催しました。この協議会は、韓国国立特殊教育院と特総研との交流協定に
よって毎年実施することとしています。今回は特総研を主催者として実施し、
テーマは「日韓における教育課程に係る政策」でした。
 協議会前日の午前中、韓国国立特殊教育院の皆様は、筑波大学附属視覚特
別支援学校を訪問し、星祐子校長先生の案内で、授業参観や児童生徒の皆さ
んとの交流を行いました。午後は、文部科学省を訪問し、日本の特別支援教
育の動向について同省初等中等教育局特別支援教育課長山田泰造氏から説明
を受けました。質疑応答では、韓国と日本の特別支援教育の動向が似ている
ことから、同じような良さや課題があることを確認し、課題解決のための方
策について情報を交換しました。
 協議会は、日韓両国における出入国規制の緩和を受け、対面での開催とな
りました。両国合わせて39名が参加しました。
 開会式では、特総研理事長中村信一及び韓国国立特殊教育院長イ・ハンウ
氏の挨拶がありました。
 続いて、韓国国立特殊教育院教育課程政策チーム教育研究士キム・ヒョン
テ氏から韓国の特殊学校に係る教育課程の制度、知的障害特殊学校の教育課
程、特殊学校教育課程に係る研究動向についてご発表がありました。日本か
らは、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官加藤宏
昭氏から、学習指導要領等の改訂の方向性について、特総研の横尾俊総括研
究員から知的障害のある児童生徒に対する特別支援教育を中心に、特別支援
学校学習指導要領とその実践について、特総研の吉川知夫上席総括研究員か
ら学習指導要領に基づく教育課程の編成・実施・評価・改善に関する研究に
ついての発表がありました。
 これらの発表を踏まえた総括協議では、両国の特別支援教育制度において
異なる取組について互いに関心を寄せるとともに、意見交換を行いました。
 閉会式では、特総研の梅澤敦理事より、閉会の挨拶として、感謝の意を表
しました。続いて韓国国立特殊教育院教育研究官オ・ヨンスク氏から次回の
協議会は韓国側をホストとして開催する旨が宣言され閉会しました。今後も
特総研は海外の研究機関との積極的な交流を継続するとともに、情報収集に
努めてまいります。

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【4】連載コーナー
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●「特別研究員」だより[第5回](最終回)

 前号に引き続き、特総研が取り組む重点課題研究又は障害種別特定研究の
各チームの一員として研究に参画し、各地域の課題の解決に向けた研究に取
り組んでいる特別研究員の先生方から、活動を紹介していただきます。

「通常の学級における多様な教育的ニーズのある児童生徒の教科指導上の配
 慮に関する研究」
        特別研究員 埴淵 かおり(静岡県御前崎市立第一小学校)

 研究室の窓から見える久里浜の海は、今日もとても穏やかです。毎日見て
いる景色ですが、空や海の色も、聞こえる音も、行き交う船も、少しずつ違
います。今日しか見ることができない景色だと思うと、一日一日を大切にし
ようと身が引き締まります。
 私が所属している重点課題研究チームでは、通常の学級における多様な教
育的ニーズのある児童生徒の教科指導上の配慮について、情報収集や配慮の
例の検討を行っています。様々な校種の授業を見たり、チームの先生方のお
話を聞いたりする中で、自分の視野が広がるのを感じ、「現場で実践したい、
同じ悩みを抱える先生方にも伝えたい」と強く思います。
 私自身は研究チームの中で、通常の学級において特別な支援を必要とする
児童生徒本人と教員が、共に学び方を考えるシステムに関する研究に取り組
んでいます。子供の思いを聞くことを大切にし、児童生徒の自己理解や教師
が配慮を考える際の助けになるシステムについて日々検討しているところで
す。
 研究を進める中で、これまで出会った子供達の顔が頭に浮かびます。様々
な経験をさせてくれた子供達や特総研での研修を支えてくださっている先生
方のおかげで今の自分があることを忘れず、今後も精一杯研究に取り組んで
まいります。

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【5】高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ
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●「働く広場」12月号のご案内

 「働く広場」は、障害者雇用に取り組む企業事例を中心に、身近な障害者
雇用問題を取り上げた月刊誌です。成人期を迎えた障害者の働き方や、障害
者雇用を進める先進的な取組のヒントとして、ご覧ください。

○12月号(11月25日発行)の掲載内容
 特別支援教育の変革とこれからについてのインタビュー記事、東京障害者
職業センターを利用して障害者雇用に取り組む企業への取材記事 ほか

○最新号URL
 https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/index.html

*このご案内は教育現場と就労をつなぐために掲載しております。

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【6】NISE’sコンテンツ
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●災害時における障害のある子どもへの配慮について

 このコーナーでは、特総研が提供するコンテンツやツール、研究成果物又
は特総研が作成に携わったコンテンツ等を紹介します。
 今回は、東日本大震災から約1年後に公開した「災害時における障害のあ
る子どもへの配慮」について紹介します。

 災害時の子どもへの配慮は、不安を和らげてあげる等、障害の有無に関わ
らず必要な対応が多くあります。障害のある子どもの場合は、日常と異なる
状況に対応するため、障害の特性に応じた特別な配慮も必要となります。
 「災害時における障害のある子どもへの配慮」では、災害時における障害
のある子どもへの特別な配慮事項について、障害種が異なっても共通する配
慮事項と、障害種別に配慮する事項に分けて、その要点を説明しています。
 障害種が異なっても共通する配慮事項は、心理面、医療面の配慮事項があ
ります。また、災害が起こる前に日ごろから準備をしておくことについても
記載しています。
 障害種別に配慮する事項は、視覚障害のある子どもへの配慮、聴覚障害の
ある子どもへの配慮、知的障害のある子どもへの配慮、肢体不自由のある子
どもへの配慮、病弱・身体虚弱の子どもへの配慮、言語障害のある子どもへ
の配慮、自閉症のある子どもへの配慮、発達障害のある子どもへの配慮、情
緒障害のある子どもへの配慮、複数の障害を併せ有する子どもへの配慮に分
類しています。
 災害時の対応は、保護者や先生のみならず、地域の方々の理解がとても重
要になります。災害時に備えた平素からの準備に「災害時における障害のあ
る子どもへの配慮」を活用いただければ幸いです。
 
○災害時における障害のある子どもへの配慮
 https://www.nise.go.jp/nc/report_material/disaster/consideration

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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。
 
○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=17316&lang=ja
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次号も是非ご覧ください。
「メールマガジン」へのご意見・ご感想はこちら

国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第189号(令和4年12月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
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