研究代表者

 尾崎祐三

研究分担者

 松見和樹(副代表)、涌井恵(副代表)、武富博文、神山務、横尾俊

研究班

 知的班

概要

 学習評価は、児童生徒の学習状況を把握し、その結果を教育活動の充実に生かすために行うものです。知的障害教育では、個別に設定した指導目標や内容に基づいて指導が行われていますが、そこでは、目標設定や指導内容・方法の妥当性を高めることが課題となっており、この課題解決に当たっては、学習評価が大きな意味をもってきます。予備的・準備的研究である専門研究Dで平成24年度に行った調査では、評価の観点を定めて学習評価を行っている学校がある一方で、共通の観点を定めたり、評価の時期、方法を共有化したりするなどの組織的な取組には必ずしもなっていないことが分かりました。また、個々の状況をみると、授業ごとや、一つの単元ごとに学習評価は行われていますが、相互の関連付けや、年間指導計画に基づく総括的な学習評価との結び付きが明確になっていない点も窺われました。

 こうした点を踏まえ、本研究では、知的障害教育における組織的・体系的な学習評価の推進を促す方策について検討を行います。

 研究の方法としては、特別支援学校(知的障害)を対象に、平成24年度調査の結果も踏まえながら、学習評価に関する研究の実施状況、組織的な学習評価の取組状況に関する質問紙調査を改めて実施し、学校が必要としている学習評価の実施方法や活用等の在り方について明らかにします。さらに、研究協力機関において評価の観点や評価方法の工夫、学習評価のPDCAサイクルについての聞き取りを行うとともに、実践研究を実施し、それらを基に、組織的・体系的な学習評価を進める上で参考となる、評価手続きの明確化、共有化に当たっての考え方や評価実施上の留意点といった事項を、事例と併せて提示することを目指します。

 研究の成果としては、特別支援学校(知的障害)や知的障害特別支援学級において組織的・体系的な学習評価を進めるための上記のような情報が提供されることで、目標設定や指導内容・方法の妥当性が高まり、教育活動の充実が図られることが期待されます。
 

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