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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第12号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第12号 2008.3.3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE ━ 【目次】 ■研究所からのお知らせ ■今月の特集 ■研究所の研究活動 ■特別支援教育トピックス ■研修員だより ■編集後記 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■研究所からのお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●「発達障害教育情報センター」設置準備室発足 平成20年度より「発達障害教育情報センター」が研究所に設置されること になりました。これは発達障害教育に関する様々な情報を教育関係者や保護 者・本人を中心に広く提供して発達障害教育の推進と理解を図ることを目的 としています。 その準備のために、 2月 5日、研究所において設置準備室が発足しました。 平成20年度の前半に具体的な情報提供の場となる Webサイトを開設し、その 後内容を充実させていく予定です。またセミナー等の開催や関連情報のパン フレットの配布等の活動も行っていく予定にしています。 発達障害教育情報センターの運営にあたっては、皆様との教育情報の共有 やアイデア、ご意見等いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいた します。 ●携帯電話版メールマガジンを刊行しました! 本研究所では、より多くの方により多くの場所で手軽にお読みいただける よう、 平成20年 2月から、PC版に加え、携帯電話版メールマガジンの配信を 始めました。ぜひ、携帯電話版へのご登録もよろしくお願いします。 ○携帯電話版メールマガジンの登録はこちら→ http://www.nise.go.jp/magazine/keitai/guide.html ●NISE市販書籍情報 本研究所では、皆様の様々なニーズにお応えするため、下記ガイドブック ・マニュアル等を書店・出版社にて市販しております。 ◆新刊◆ 『自閉症教育実践マスターブック -キーポイントが未来をひらく-』 発売年月 2008年 2月 ジアース教育新社 定価 1,890円(税込) 自閉症教育のプロジェクト研究成果を、第3弾である「自閉症教育実践マ スターブック -キーポイントが未来をひらく-」としてまとめ、学校での 教育実践が充実する手がかりとしていただけるようにジアース教育新社より 刊行しました。 マスターブックには、自閉症教育の7つのキーポイントを中心に特別支援 学校(知的障害)における活用例が紹介されています。キーポイントや授業 の評価・改善シートや紹介されている指導内容、指導方法、自閉症の特性に 応じた教育課程は、小・中学校等においても応用できるものです。 ○概要はこちら→http://www.nise.go.jp/blog/2008/01/post_729.html □ 問い合わせ先 □ ジアース教育新社 TEL 03-5282-7183(販売部) ○こちら→http://www.kyoikushinsha.co.jp/ また、上記の書籍は、本研究所内障害児教育財団でも取扱っています。 ○こちら→TEL 046-839-6888またはFAX 046-839-6919 ●ちょっと一息 季節のたより -流し雛- 本日 3月 3日は桃の節句、ひな祭り。本研究所のある横須賀市には、ひな祭 りの原型と言われる伝統の流し雛が毎年行われるところがあります。流し雛 は、人の形をした人形(かたしろ)に人の穢れを肩代わりさせ、川に流すこと で穢れを祓う、古くからある災厄祓いのひとつで、川のイメージが強いです が、ここでは海に流します。近くの神社から、おひな様と人形が神職や巫女 によって海岸まで運ばれ、小さな小舟に奉納されます。砂浜での神事の後、 神職や巫女が船に乗り、おひな様が乗った小舟を曳航します。湾内をゆっく り2、3周回った後、人形を海に流し、また厳かに神社に戻っていきます。 ここは東京湾に面した本研究所とは反対側の、富士を望む相模湾に面した、 普段は人もまばらな静かな海岸ですが、この日は海から神社までの細い沿道 に屋台が並び、大勢の地元の人たちに観光客も混じり、人が浜を埋め尽くし ます。横須賀では、このほかにも多くの伝統行事が大切に存続されています。 今では、女の子の節句として家族の行事として定着したひな祭り。皆さん の所では、今年はどんなひな祭りでしたか? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■今月の特集 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本研究所では、特別支援教育の研究動向や今日的課題、今後の方向性を検 討することを中心としたセミナー Iと本研究所の研修成果の報告を中心とし たセミナーIIを開催しています。今月は、先頃行われた平成19年度国立特別 支援教育総合研究所セミナー I・IIの報告を特集として取り上げました。 ●セミナー I 後上 鐵夫(セミナー I 実行ワーキンググループリーダー) 1月24日(木)~25日(金)の2日間にわたって、国立オリンピック記念青 少年総合センターにおいて開催しました。本年度は、特別支援教育を推進す るための喫緊の課題の一つである発達障害のある子どもへの対応に焦点を当 て、『「特別な支援を必要とする子ども」への支援の実際-発達障害のある 子どもを中心に-』をテーマに企画しました。 1日目は、「発達障害関係施策について」と題した文部科学省からの行政 説明の後、基調講演として「発達障害のある子どもへの支援」と題して講演 をいただきました。これらを受けた、パネルディスカッションでは「地域の 学校におけるつながりのある発達障害支援」をテーマのもとで特別支援学校 と市教育委員会の立場から提言がなされ、「つながり」「支援の充実」をキ ーワードに活発な議論が行われました。 2日目は、二つの分科会に分かれて行いました。第1分科会は「特別支援 教室(仮称)への展望」のテーマのもと、プロジェクト研究「小・中学校に おける障害のある子どもへの『教育支援体制に関する在り方』及び『交流及 び共同学習』の推進に関する実際的研究」での研究成果の報告とパネルディ スカッションを行い、特別支援教室(仮称)に向けた現行の指導体制からの ソフトランディング等、様々な意見交換が行われました。 第2分科会では、「自閉症教育の充実をめざして」のテーマのもと、プロ ジェクト研究「特別支援学校における自閉症の特性に応じた指導パッケージ の開発研究」の研究成果である『自閉症教育実践マスターブック(平成20年 2月発刊)』のエッセンスが報告された後、研究協力校による取組の報告、 パネルディスカッションを行い、教育課程の編成等の今後の課題と展望につ いて協議が行われました。 また、2日目の昼休みには、ポスター展示が行われ、本研究所の研究成果 と共に、研究協力校や研究パートナー校の研究成果も合わせて報告し、関心 を集めました。 本セミナーには、852名(2日間延べ1,537名)の方が参加され、会場の定 員(700名)を超えたため、 一部の方には第2会場でモニター視聴をお願い するほどの盛況でした。このテーマへの関心の高さに改めて身の引き締まる 思いです。 ○詳細は、こちらをご参照ください。 →http://www.nise.go.jp/blog/2008/02/19_17.html ●セミナーII 大内 進(セミナーII 実行ワーキンググループリーダー) 2月19日(水)、セミナー Iと同様に、国立オリンピック記念青少年総合セ ンターにおいて開催しました。午前は講演、昼休みをはさんでポスター発表 及びミニセッション、午後からは本研究所で取り組んだ研究の成果に基づい た三つの分科会を行いました。全国から 690名の参加がありました。 今回のセミナーは、特別支援教育を巡る昨今の状況を整理し、今後のステ ップへの手がかりとしていただくために「特別支援教育の今」というテーマ を掲げ、講演及び分科会形式での協議を行いました。 講演では、3名の講師により (1)国の行政施策の取組状況、 (2)地域での 取組として青森県での長期的展望に立った特別支援教育の体制作りや高等学 校での対応、 (3)国際情勢、特にイギリスでの動向を例にした政策と特別支 援教育の関わり、について、それぞれリレー形式で行いました。 分科会は、 (1)プロジェクト研究「小・中学校における特別支援教育への 理解と対応の充実に向けた総合的研究」、 (2)プロジェクト研究「発達障害 のある子どもの早期からの総合的支援システムに関する研究」、 (3)課題別 研究「知的障害者の確かな就労を実現するための指導内容・方法に関する研 究-職業教育の視点から-」の各研究チームがそれぞれの成果を踏まえて報 告を行いました。 昼休みには、広く研究の成果を知っていただくために、各研究チームのポ スターやパンフレットにより紹介するとともに、ミニセッションを行いまし た。 今回のセミナーIIの企画について、参加者の多くの方からご好評をいただ きました。特別支援教育の充実・発展の一助となれば幸いです。 ○詳細は、こちらをご参照ください。 →http://www.nise.go.jp/blog/2008/02/19_18.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■研究所の研究活動 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このコーナーでは、研究所の研究活動について紹介します。 ●調査研究「国内外における特殊教育の研究・施策の動向とその評価に関す る基礎資料の収集と分析」について 研究代表者 大内 進(企画部・上席総括研究員) 本研究所企画部では、研究所の将来計画の総合的な企画を行うために、国 内外における特別支援教育の研究・施設の動向とその評価に関する基礎資料 の収集と分析を行っています。本年度は、本研究所における研究基本計画( マスタープラン)策定のためのデータ収集及び分析や都道府県教育委員会等 を対象としたニーズ調査を行いました。研究基本計画は、研究職員全員の協 力のもと、我が国の特別支援教育において中長期的視点から必要とされる研 究課題を整理したもので、4月に公開予定です。 また、企画部では特別支援教育関連の学会データや政策動向等の情報を収 集・分析するとともに、研究所内に組織された国際比較調査ワーキンググル ープチームとの連携のもとで、特別支援教育に関する諸外国の制度的な枠組 などの基本データの収集・分析も行っています。 ○研究の概要はこちら→ http://www.nise.go.jp/blog/2008/01/post_732.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■特別支援教育トピックス ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このコーナーでは特別支援教育に関連する最近のトピックスを紹介してい ます。 ●幼稚園教育要領、小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領の改訂案の 公表について(意見公募手続(パブリック・コメント)関連) 文部科学省では、本年 1月17日の中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、 中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」を受 け、学習指導要領改訂の作業を進め、 2月16日、幼稚園教育要領、小学校学 習指導要領及び中学校学習指導要領の改訂案を公表しました。 これらの中には、特別支援教育に関連するものとして、以下のような記述 があります。 (7) 障害のある児童などについては、特別支援学校等の助言又は援助を活用 しつつ、例えば指導についての計画又は家庭や医療、福祉等の業務を行う関 係機関と連携した支援のための計画を個別に作成することなどにより、個々 の児童の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的 に行うこと。特に、特別支援学級又は通級による指導については、教師間の 連携に努め、効果的な指導を行うこと。 (12)学校がその目的を達成するため、地域や学校の実態等に応じ、家庭や地 域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また、小 学校間、幼稚園や保育所、中学校、特別支援学校などとの間の連携や交流を 図るとともに、障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習や高齢者など との交流の機会を設けること。 (以上、小学校学習指導要領案 第1章 総則 第4 指導計画の作成等に当 たって配慮すべき事項 より) ○関係資料はこちら→ http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/080216.htm ●文部科学省庁舎移転について 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 平成16年 1月より庁舎立替に伴い、丸の内の仮庁舎で業務を行っておりま したが、本年1月より、霞が関の中央合同庁舎第7号館に移転しました。特 別支援教育課は東館の8階です。所在地・電話番号等は下記のとおり(所在 地は仮庁舎への移転前と同じ)です。 〒100-8959 東京都千代田区霞が関三丁目2番2号 代表番号 03-5253-4111 (代表) IP電話番号 050-3772-4111(代表) ※特別支援教育課各係の内線番号は発達障害支援係を除き変更はありません。 発達障害支援係 仮庁舎 3190 → 新庁舎 3254 ○地図等につきましては、文部科学省のホームページをご参照ください→ http://www.mext.go.jp/submenu/07120607.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■研修員だより ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このコーナーでは、研究所に研修に来られた方々からの寄稿やさまざまな 情報提供を行っていきます。今号は、平成16年度短期研修知的障害教育コー ス修了の松田竜司先生からお寄せ頂きました。 ●「あれから3年・・・今思うこと」 松田 竜司(長崎県立島原養護学校南串山分教室 部主事) 私は温泉で有名な長崎県の雲仙市にある長崎県立島原養護学校の南串山分 教室に勤務しています。私が勤務する学校は、久里浜の海にも負けないくら い美しい橘湾を一望できる風光明媚な場所にあり、小学部6名、中学部4名 のすてきな子どもたちが通う特別支援学校(知的障害)です。 久里浜での日々を振りかえると、いろんな意味でとても内容の濃い3ヶ月 間であったことを実感します。この間、多くの先生方からたいへん貴重な情 報をたくさん得ることができ、また、大切な仲間もできました。短期研修で の体験を通して、担当する子どもたちを見て、感じて、かかわりあう私自身 の「心」が豊かになったと思います。この体験で得たことは私の宝です。 あれから3年の月日がたって思うことは、多くの情報を得た自分自身の実 践を深める喜びを知ったことと同時に、自分が信じたことを周りに広げてい くことの難しさです。外からの刺激では、人は本当には変わらないと言われ ます。だからこそ、周囲の人が共感し、自ら主体的に考えていただけるよう な働きかけが大切だと思っています。 ○長崎県立島原養護学校 Webサイトはこちら→http://www1.odn.ne.jp/ceb60590/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■編集後記 従来の広報誌「くりはまの海」に替わり、 平成19年 4月よりメールマガジ ンを毎月1号ずつ発行してきましたが、本研究所の事業の柱の一つである特 別支援教育セミナーを特集した本号によって1年間の区切りを迎えることが できました。ご愛読の皆様に対し、あらためて感謝申し上げます。 さて、本メールマガジンでは、皆様の様々なニーズにお応えしていくため、 第11号からの携帯版メールマガジン発行に続き、新年度からは構成を見直し、 より充実した内容にしていく予定です。引き続き、よろしくお願いいたしま す。 (第12号編集主幹 徳永 亜希雄) ○「メールマガジン」へのご意見・ご感想をお寄せください。 こちら→ a-koho @nise.go.jp ○研究所メールマガジンのバックナンバーは、こちら→ 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