障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第13号

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      国立特別支援教育総合研究所メールマガジン
          第13号  2008.4.1
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【目次】
■お知らせ
■NISEトピックス
 トピックス
 研究紹介
 ちょっと一息 季節のたより
■特別支援教育関連情報
■研修員だより
■特別寄稿
■編集後記
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■お知らせ
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★NEWS★
●平成20年度各研究協議会の参加者推薦について

 本研究所の平成20年度研修計画一覧については、各都道府県教育委員会等
通じてお知らせしていますが、この度次の各研究協議会の実施要項を決定し、
参加者の推薦について、都道府県教育委員会等に照会しています。
 なお、各研修の参加に当たっては、国立大学の附属学校の教員については
当該国立大学長、公立学校の教員及び教育委員会、特別支援教育センター等
の教育職員については当該都道府県又は当該政令指定都市の教育委員会教育
長、私立学校の教員については当該都道府県知事の推薦を受け、それに基づ
き本研究所の理事長が決定した者としています。
 
 □平成20年度特別支援学校寄宿舎指導実践指導者研究協議会
  ■期日・募集人員等 平成20年 7月24日(木)~25日(金)の2日間
            宿泊研修、募集人員80名
  ■推薦期限 平成20年 5月 2日(金)

 □平成20年度発達障害教育指導者研究協議会【新規】
  ■期日・募集人員等 平成20年 8月 7日(木)~ 8日(金)の2日間
            宿泊研修、募集人員120名程度
  ■推薦期限 平成20年 5月 2日(金)

 □平成20年度交流及び共同学習推進指導者研究協議会
  ■期日・募集人員等 平成20年11月20日(木)~21日(金)の2日間
            宿泊研修、募集人員80名
  ■推薦期限 平成20年 6月 6日(金)

 □平成20年度特別支援教育コーディネーター指導者研究協議会
  ■期日・募集人員等 平成20年11月26日(水)~28日(金)の3日間
            宿泊研修、募集人員60名
  ■推薦期限 平成20年 6月 6日(金)

(注)いずれも、本研究所を会場にしており、仮に募集人員を超えた場合、
会場に余裕がある時は受け入れることとしています。

 また、この他、本研究所では、文部科学省の事業である「特別支援学校教
員専門性向上事業」の「平成20年度特別支援学校教員専門性向上研究協議会」
の開催・実施について必要な協力を行うこととしています。具体的には、後
日文部科学省初等中等教育局特別支援教育課から、各都道府県等教育委員会
に通知される見込みです。

  ■期日 平成20年 8月18日(月)~22日(金)の5日間
      本研究所を会場に、宿泊研修

●研修事業の平成18年度受講に関するアンケート調査へのご協力について

 本研究所が実施している障害のある子どもの教育に関する指導者研修につ
いては、研修内容・方法等の充実を図るため、一定期間後に各受講者の研修
成果の還元内容・方法を把握するとともに、その活用状況等について任命権
者である教育委員会又は受講者の所属長の評価をいただくこととしています。
 ついては、平成18年度中に実施しました下記研修について、アンケート調
査を実施しています。受講された方々には、ご多用中誠に恐縮ですが、是非
ともご協力くださるようお願いいたします。

 □短期研修(特殊教育中堅教員養成研修)
   第一期 視覚障害教育コース、聴覚障害教育コース、
       言語障害教育コース、情緒障害教育コース
   第二期 肢体不自由・病弱教育コース、知的障害教育コース
 □特別支援教育コーディネーター指導者研究協議会
 □交流及び共同学習推進指導者研修
 □自閉症教育推進指導者研修
 □LD・ADHD・高機能自閉症指導者研修
 □盲・聾・養護学校寄宿舎指導員指導者講習会
 □情報手段活用による教育的支援指導者研修

 ○平成20年度国立特別支援教育総合研究所研修計画一覧は
  こちら→http://www.nise.go.jp/blog/kenshuichiran.html
 ○平成20年度特別支援学校寄宿舎指導実践指導者研究協議会の実施要項は
  こちら→http://www.nise.go.jp/blog/kisyukusya.html
 ○平成20年度発達障害教育指導者研究協議会の実施要項は
  こちら→http://www.nise.go.jp/blog/hattatsu.html
 ○平成20年度交流及び共同学習推進指導者研究協議会の実施要項は
  こちら→http://www.nise.go.jp/blog/coordinator.html
 ○国立特別支援教育総合研究所研修派遣に関する事後アンケート調査
  (平成18年度受講分)については
  こちら→http://www.nise.go.jp/blog/2008/02/18_11.html
 ○研修事業のお問い合わせは
  こちら→総務部研修情報課研修係
           TEL:046-839-6827・6828・6895
           e-mail:a-kenshu@nise.go.jp

●3.31付け研究職員人事異動について

 平成20年 3月31日付けで、次のとおり研究職員の異動がありましたので
お知らせします。(50音順)

内田 俊行(企画部研究員)      →広島県立広島特別支援学校教諭
大柴 文枝(教育相談部主任研究員)  →定年退職
亀野 節子(教育相談部脳波測定員)  →退職
齊藤 宇開(教育支援研究部主任研究員)→NPO法人(申請中)職員
當島 茂登(教育支援研究部総括研究員)→鎌倉女子大学児童学部児童学科教授
徳永  豊(企画部総括研究員)    →福岡大学人文学部教授
渡邉  章(教育研修情報部総括研究員)→植草学園大学発達教育学部教授

●4.1付け研究職員人事異動について

 平成20年 4月 1日付けで、次のとおり研究職員の異動がありましたので
お知らせします。(職制順)

◆採用◆
長沼俊夫(教育支援部総括研究員) 
井上昌士(教育支援部総括研究員) 
金森克浩(教育研修情報部総括研究員) 
菊地一文(教育支援部主任研究員) 
大城政之(発達障害教育情報センター主任研究員) 

◆昇任◆
中澤惠江(企画部上席総括研究員・国際担当)←教育支援研究部総括研究員
滝川国芳(教育研修情報部総括研究員)←教育支援研究部主任研究員

★NISE新刊情報★
☆新刊☆
『Final Report of the 27th Asia-Pacific International Seminar on
Education for Individuals with Special Needs』
 http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_d/d-266.pdf
 平成19年12月に開催した第27回アジア・太平洋特別支援教育国際セミナー
の各国報告、及び総括討議の内容等に関する結果を「ファイナルレポート」
(英語版)として収録しました。

☆新刊☆
 『世界の特別支援教育 XXII(22)』
 http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_d/d-265.pdf
 平成19年度研究所で開催(又は共催)した国際セミナー等の報告や国際会議
・外国調査等の報告など、諸外国における特別支援教育の取組等について情
報提供をしています。

○研究所刊行物は各関係機関に送付する他、研究所Web に掲載しています。

★報告とお礼★
●平成19年度「特別支援教育と脳科学」第1回セミナー終了報告と参加への
お礼
 平成20年 3月 8日(土)にSYDホール(代々木)において開催しました、
本セミナーには、会場が満席となる280名の参加者を得ました。
シンポジウムをはじめ、各講演について活発な質疑応答がなされ、講師やシ
ンポジスト、参加者の皆様のおかげをもちまして成功裡に終えることができ
ました。この場をお借りして、皆様のご協力に深く感謝いたします。
 今回のセミナーでは、参加申し込みが主催者の予想をはるかに越え、早々
に参加申し込みの受付を終了したこと、時間の都合で質疑応答を途中で打ち
切らざるをえなかったことなど皆様にはご迷惑をおかけしました。
 これらの課題を改善して、同様のセミナーを平成20年度も開催していきた
いと考えております。
 その節は、皆様のご参加をお待ちしております。

 ○セミナー概要については、こちら→
  http://www.nise.go.jp/blog/nokagaku.html
 ○研究詳細はこちら→http://www.nise.go.jp/blog/2007/04/post_651.html

●研究所メールマガジンをリニューアル!
 本研究所では、より多くの方に価値ある情報をお届けできるよう、構成を
見直し、より充実した内容にしました。
 また、通勤途中やご家庭でもお読みいただけるよう、携帯電話版もぜひご
登録ください。

 ○携帯電話版メールマガジンの登録はこちら→
  http://www.nise.go.jp/magazine/keitai/guide.html

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■NISEトピックス
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 このコーナーでは、研究所の事業に関する話題、出来事や研究所の発信す
る特報、情報提供のトピックスと、研究所で行っている研究についてその最
新の成果を順次紹介する研究紹介で構成されています。

★トピックス★ 
●特別支援教育のナショナルセンターとしての今年度の取組について

       独立行政法人国立特別支援教育総合研究所理事長 小田 豊

 昨年度、特別支援教育が本格的なスタートを切ってからちょうど1年が経
ちました。この国立特別支援教育総合研究所メールマガジンも創刊号から数
えて2年目に入り、おかげをもちまして、1,500名を超える多くの方々にご
愛読いただいております。
 平成20年度の初めにあたり、今年度の本研究所の主な取組についてご紹介
します。
 はじめに、本年4月より、新たに発達障害児の教育的支援を行うため、本
研究所に発達障害教育情報センターを設置しました。具体的に同センターか
ら提供するコンテンツ等については、現在、研究所内で検討を進めておりま
すが、できるだけ早い時期にホームページを立ち上げ、発達障害教育に携わ
る教員など関係者に役立つ情報を提供していきたいと考えております。
 また、研究活動については、将来的な見通しを持った戦略的な研究を推進
する観点から、中長期的視点から取り組む主要研究課題や今後5年間に実施
或いは着手する研究課題などを取りまとめた研究基本計画を策定することと
しております。また、この研究計画を円滑に実施していくために、研究の実
施主体である研究所の研究体制や業務体制もあわせて再構築しております。
 さらに、研修事業については、昨年12月に政府において決定した「独立行
政法人整理合理化計画」を踏まえつつ、各都道府県等の指導的立場にある現
職教員の一層の資質向上や小中学校における支援の拡充の観点から、従来の
研修プログラムを大幅に見直し、より充実した内容の研修を行うとともに、
新たに幼・小・中・高の教員を対象に発達障害教育指導者研究協議会を開催
し、発達障害教育への一層の取組を進めることとしております。なお、これ
らについては、今後、この研究所メールマガジンでも詳しくお伝えしていく
予定です。
 本研究所では、このような取組を通じて、特別支援教育のナショナルセン
ターとして、これまで以上に、特別支援教育の充実・発展に寄与できるよう、
国の政策的課題や教育現場のニーズに対応した研究活動や研修事業等の一層
の充実を図っていく所存です。
 今後とも、皆様方のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

●平成20年度の研究活動について

                大内 進(企画部・総合企画調整担当)

 本研究所においては平成16年度に組織を再編し、障害種別等の研究部中心
の体制から業務別の体制に移行しました。研究活動は横断的なチームを編成
して実施することになり、戦略的・機動的に学校等での喫緊の課題や政策課
題等に積極的に取り組んできました。
 平成20年度からは、これまでの取組を踏まえて新たに研究班制を導入する
とともに研究基本計画を策定して、これまで以上に体系的且つ系統的で質の
高い研究の充実進展を図っていくことにいたしました。

 ■研究基本計画の策定
  特別支援教育のナショナルセンターとしての責務を果たすために、本研
 究所で取り組む研究課題を体系的に取りまとめた「研究基本計画」を策定
 することとしております。
  この計画は、特別支援教育の実際的な研究を総合的に行うために、必要
 な政策課題及び教育現場の喫緊の課題に対応した研究課題から中・長期を
 展望した研究課題までを総覧するものです。平成20年度からの研究は、基
 本的にこの研究基本計画に基づいて実施していくことになります。

 ■研究班制の導入
  さらに、研究基本計画に基づいた研究推進のための戦略・方針の検討や
 体系的・系統的な研究を進めていくために、研究目的や研究内容に応じた
 研究職員で構成した「研究班」を組織して、柔軟で機動性の高い研究体制
 (態勢)を構築しました。
  研究班は、横断的テーマやその専門性を勘案して、5研究系13班でスタ
 ートします。

 ○研究班の詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/magazine/file/20080401_2.html

 ■研究の区分の見直し
  研究の性格の一層の明確化、重点化を図るために研究の区分も見直し、
 新たに基幹研究(専門研究A、専門研究B、専門研究C、専門研究D)、
 外部資金研究、受託研究、共同研究の5区分9種に再編することとしました。

 ○研究区分はこちら→
  http://www.nise.go.jp/magazine/file/20080401_3.html

★研究紹介★
●プロジェクト研究「小・中学校における障害のある子どもへの『教育支援
体制に関する在り方』及び『交流及び共同学習』の推進に関する実際的研究』
(平成16~19年度)

            研究代表者 藤本 裕人 (企画部・総括研究員)

 本研究では、中央教育審議会で提言された「特別支援教室(仮称)」の検
討と、特別支援学級在籍児童生徒と通常の学級との「交流及び共同学習」の
推進方法の二つの検討を行いました。
 「特別支援教室(仮)」に向けての研究では、 (1)特別支援学級における通
級による指導の取組、 (2)特別支援学級の弾力運用として基本となる9パタ
ーンの方法があること、 (3)障害種別の指導の専門性を生かす上で、地域内
支援体制の構築が有効であることが明らかになりました。
 また、交流及び共同学習の研究では、特別支援学級に在籍する児童生徒の
現状把握と推進方法を明らかにするために、(1)障害の種別、(2)交流及び共
同学習を行っている教科、(3)給与されている教科書、(4)評価の方法、(5)
介助の状況について、調査を行いました。
 その結果、交流及び共同学習は、ほとんどの児童生徒が行っており、その
時間数に違いがあるものの、積極的に行われていることが分かりました。今
後、交流及び共同学習を進めていくために、特別支援学級に在籍している児
童生徒については、現行の教科書給与の制度についても検討を加える必要が
あることが分かりました。

 ○報告書はこちら→http://www.nise.go.jp/blog/2006/06/post_611.html

●調査研究「障害のある子どもの教育における情報手段活用についての知識
・技能の効果的な普及方策に関する実際的研究」(平成19年度)

        研究代表者 渡邉 章 (前教育研修情報部・総括研究員)

 この研究では、「情報手段活用による教育的支援指導者研修」をモデル研
修として位置づけ、障害のある子どもの教育における情報手段活用に関する
知識・技能をどのようにすれば効果的・効率的に普及できるかを、研修の企
画・実施・評価・フォローアップを通じて検討しました。この研修の特色は、
次の3つのステージから成っていることです。
 
 第1ステージ:受講者用 Webサイトの利用及び配信講義の視聴による事前
        学習
 第2ステージ:研究所における研修プログラムへの参加
 第3ステージ:受講者用 Webサイトを利用した研修後のフォローアップ

 平成18年度の受講者アンケート調査の結果を踏まえて、平成19年度におい
ては、研修企画及び実施に関する種々の改善の取組を行いました。また、受
講者用 Webサイトを利用して、研修後約3か月経過時点でのフォローアップ
調査を行いました(受講者35名、アンケート回答者18名)。その結果、約3
か月経過時点で、7名から校内研修等を既に実施したという回答があり、研
修の成果を各学校等に還元するための取組を行っている事例があることが示
されました。この研究の成果は、今後の研究所における研修に生かされてい
きますが、情報手段活用に関する知識・技能の普及を図るための各地域の研
修の場でもご活用いただけると思います。

 ○研究の詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/blog/2007/10/post_706.html
 ○研究報告書はこちら→
  http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub-b.html

◆ちょっと一息 季節のたより -横須賀市の木 オオシマザクラ- 

 今年の桜の開花(横浜)は平年より5日早い 3月23日でしたが、研究所の
桜は 3月21日に開花しました。この桜は、伊豆の大島に多く自生していたオ
オシマザクラと言う山桜の一種で、生命力が強く海に囲まれた横須賀市では
多く見られます。約30年前には、横須賀市民の投票により市の木に制定され、
市民にとってはなじみの深い桜でもあります。白い大輪の花はほのかな香り
を放ち、葉は大きく香りがよいので、塩漬けにして桜餅を包むのに使われま
す。また、多くの園芸種の元になった種で、江戸時代に生まれたソメイヨシ
ノの片親であることが遺伝子解析で明らかになりました。ソメイヨシノの名
所は研究所の近くにもたくさんありますが、研究所の裏手の山から通じる神
明山(くりはま花の国)にはこのオオシマザクラの群生地があります。薄桃
色一色に染まるソメイヨシノは妖艶で華やかですが、野山を埋めて咲くオオ
シマザクラの白い花の雲と鮮緑の若葉に命のすがすがしい輝きを感じずにい
られません。

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■特別支援教育関連情報
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 このコーナーでは文部科学省や他省庁からの特別支援教育に関するお知ら
せ及び財団の行事案内などの情報を中心に紹介しています。

●「平成19年度特別支援教育体制整備状況調査」等の結果について

               文部科学省初等中等教育局特別支援教育課

 平成19年10月に実施しました「平成19年度特別支援教育体制整備状況調査」
「特別支援学校に関する調査」「通級による指導実施状況調査」の結果がま
とまりましたので、都道府県教育委員会等に通知いたしました。
 関係機関におかれましては、本調査の結果を踏まえ、引き続き、特別支援
教育の推進に努めていただきますようお願いいたします。
 なお、これらの調査結果については、近日中に文部科学省ホームページ
「特別支援教育に関すること」に掲載する予定です。

 ○こちら→http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main.htm

●厚生労働省「発達障害情報センター」の設置及び発達障害情報センターホ
ームページの開設について

厚生労働省の「発達障害情報センター」が 3月28日(金)に設置され、同日
付けでホームページが開設されました。

○詳細はこちら→http://www.mhlw.go.jp/ddis/index.html

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■研修員だより
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 このコーナーでは、研究所に研修に来られた方々からの寄稿やさまざまな
情報提供を行っていきます。今号は、平成15年度短期研修重度・重複障害教
育コース修了の植田先生からお寄せいただきました。

             植田 香(京都市立呉竹総合支援学校 教頭)

 中学校の国語教師として14年間教壇に立った後、知的障害養護学校(当時)
の高等部で10年目を迎えた平成15年度に、第2期(9 ~10月)短期研修重度・
重複障害教育コースでお世話になりました。
 ちょうど京都市の養護学校が障害種別を超えた地域制総合養護学校に再編
される前年に当たり、各校の改修工事や京都市立北総合養護学校(現:京都
市立北総合支援学校)の新設工事が大詰めの段階に入るとともに、様々な準
備作業が着々と進められている時期でした。
 短期研修では、普段自分自身があまり関わったことのない障害種別に少々
戸惑いながらも、幅広い知識、視点を得ることができました。特に「学校づ
くり」の課題別演習では、自分達の日々の実践をじっくり振り返りながら、
全国各地の仲間や研究所の先生方と真剣に語り合った経験は、かけがえのな
いものになりました。
 短期研修では、このように学びたいだけ学べ、思う存分研修に専念できる、
信じられないような環境に身を置く恵まれた生活を送ることができ、あっと
いう間に研修期間を修了しました。今思えば、研究所や職場の方々、そして
家族に支えてもらい、そんな至福の時を過ごさせていただけた幸せをしみじ
みと感じます。
 研修終修了後は再編業務に全力投球、翌16年度は職業学科を創設した白河
総合養護学校(当時)へ赴任、次の2年間は京都市教委教育委員会の指導主
事として京都市内の学校を走り回る生活を経た後、昨年4月より本校に勤務
しています。
 昨年夏は全国肢体不自由養護学校PTA連合会結成50周年記念「京都大会」
の共同事務局校として、本校だけでなく、近畿地区、更には全国のPTAの方々
と交流を深めさせていただいたり、「全肢P連50年史」の校正作業を通じて
肢体不自由教育の歴史を振り返ったりと、得難い経験をさせていただきまし
た。
 今年は「第47回全日本特別支援教育研究連盟全国大会京都市大会」(10月
29~31日)の事務局校として、京都市ならではのスパイスの効いた大会運営
をしていきたいと考えております。深まりゆく秋の風情を京都で存分に楽し
んでいただきながら、全国各地の、そして京都市の実践の成果を沢山お土産
に持ち帰っていただければと思います。

 ○第47回全日本特別支援教育研究連盟全国大会京都市大会の Webサイトは
  こちら→http://homepage3.nifty.com/zentokuren/
 ○京都市立呉竹総合支援学校 Webサイトはこちら→
  http://www.edu.city.kyoto.jp/hp/kuretake-y/

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■特別寄稿
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 本研究所は、ケルン大学人間科学学部と1998年に学術交流協定を締結して
以来、様々な研究交流を行っています。昨年10月から6か月間ケルン大学人
間科学学部のクリスティーナ・アールトさんを特別研究員として受け入れま
した。この度、アールトさんが日本での研究を終え帰国されるにあたって、
3月13日に以下の寄稿をいただきました。 (日本語訳:教育支援部笹本上席
総括研究員)

Ein halbe Jahr ist vergangen und mein Praktikum bei NISE geht zu Ende.
Es waren sehr ereignisreiche sechs Monate, die ich sicher nicht
vergessen werde. Ich habe viel ueber das japanische System der
Sonderpaedagogik, ueber NISE und ueber die Paedagogik und die
Kommunikationsmoeglichkeiten fuer schwerstbehinderte Schueler gelernt.
Da ich die Moeglichkeit hatte, an Beratungsgespraechen teilzunehmen
und viele verschiedene Schulen zu besuchen, habe ich vor allem auch
praktische Erfahrungen sammeln koennen. Vor allem die Begegnungen mit
den Kindern, die Beobachtung von Unterrichtstunden und die Gespraeche
mit den Lehrern haben bei mir Eindruck hinterlassen. Die in Japan
gesammelten Kenntnisse werden mein weiteres Studium sicher beeinflussen.
Durch meine japanisch Kurse und Bekanntschaften und Freundschaften zu
verschiedenen Mitarbeitern des Instituts, hat sich mein Japanisch
enorm verbessert. Ich hoffe, dass ich in Deutschland auch weiterhin
Zeit finde, japanisch zu lernen.
Ich moechte mich ganz besonders bei Oda-Sensei, Kamada-Sensei und
Sasamoto-Sensei dafuer bedanken, dass sie mir den Aufenthalt bei NISE
ermoeglicht haben. Die Zeit ist wirklich erstaunlich schnell vergangen
und ich finde es sehr schade Japan bald verlassen zu muessen.
Ich hoffe, dass Sie auch in Zukunft mit der Universitaet zu Koeln
und mir persoenlich in Kontakt bleiben.
                                                     Christina Arlt

 半年が過ぎ、NISEでの私の研究・研修生活もまさに終わろうとしています。
この6か月は私にとって忘れ得ないすばらしい日々の連続でした。私は日本
の特別支援教育のシステムのこと、国立特別支援教育総合研究所のこと、教
育のこと、そして重度・重複障害のある児童生徒のコミュニケーションの可
能性について、多くのことを学びました。それは、教育相談場面に参加した
ことや多くのさまざまな学校を訪問する機会を得て、何よりもまず実践的な
体験を積み上げることができたからです。
 さまざまな体験の中でも、とりわけ子どもたちとの活動、指導の観察、先
生方との話し合いが深く印象に残っています。日本でのこれらの知見は、私
の今後の研究・勉学に大きく寄与することはいうまでもありません。
 日本語コース(彼女は横須賀市主催の日本語コースに通っていました:訳
者注)や研究所の方々との交友や友好を通じ、おかげさまで私の日本語はめ
きめきと上達していったと思います。ドイツに帰っても暇をみては日本語の
勉強に励みたいと思っています。そして、このような私のNISE滞在の機会を
与えてくださった小田理事長、鎌田理事、笹本先生には心から感謝いたしま
す。
 時の経つのは驚くほど早いものです。本当に名残惜しいのですが、私はも
うすぐ日本を離れねばなりません。皆様方の心の中にケルン大学とそして私
のことをいつまでも留めておいていただければ幸いです。

                      クリスティーナ・アールト
     
 ○交流協定締結機関との交流はこちら
  →http://www.nise.go.jp/blog/kokusai.html
 ○ケルン大学 Webサイトはこちら
  →http://www.uni-koeln.de/allgemeines/homepage.e.html

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■編集後記

 春ですね。ここ久里浜もだんだんと日差しが暖かくなり、桜も開花してま
いりました。
 いよいよ新年度がスタートし、研究所も、新年度から発達障害教育情報セ
ンターが新設される等、業務及び研究態勢の組織も大きく変わりました。
 本メールマガジンも、今号から皆様の多様なニーズにお応えするため、構
成を見直しましたがいかがでしたでしょうか。私たち研究所メールマガジン
編集委員会では、これからもより充実した内容を皆様に提供できるよう努力
してまいります。
 今後とも研究所メールマガジンのご愛読をよろしくお願いいたします。
 皆様が新年度、新たな気持ちでご活躍されることを心よりお祈り申し上げ、
編集後記とさせていただきます。
                   (第13号編集主幹 大崎 博史)

 ○「メールマガジン」へのご意見・ご感想をお寄せください。
  こちら→ a-koho@nise.go.jp
 ○研究所メールマガジンのバックナンバーは、こちら→
  http://www.nise.go.jp/magazine/back.html
 ○研究所メールマガジンの利用については、こちら→
  http://www.nise.go.jp/magazine/policy.html
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第13号
          発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
                 メールアドレス:a-koho @nise.go.jp
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