障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第18号

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      国立特別支援教育総合研究所メールマガジン
        第18号(平成20年 9月号)2008.9.1
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【目次】
■お知らせ
■NISEトピックス
 トピックス
 研究紹介
■特別支援教育関連情報
■研修員だより
■特別寄稿
■編集後記
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■お知らせ
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★NEWS★
●「発達障害教育情報センター」Webサイト開設される!

 本年4月に当研究所に設置された「発達障害教育情報センター」では、発
達障害にかかわる教員及び保護者をはじめとする関係者への支援を図り、さ
らに広く国民の理解を得るために、Webサイト開設の準備を進めてきました。
 その「発達障害教育情報センター」Webサイトが8月27日に開設され、同日、
開設を記念して「開設式・記念講演」が開催されました。開設式では、ご出
席くださった多くの関係者から今後の発展への期待を込めたお言葉をいただ
きました。また、記念講演として、市川宏伸氏(東京都立梅ヶ丘病院院長)
から「発達障害教育情報センターに期待すること」について講演をいただき
ました。
 今回のWebサイトは、第1段階としてのスタートです。今後も多くのユー
ザーの声をいただきながら、充実したものにしていきたいと考えております。
皆様のご意見、ご感想をお寄せください。
 なお、「発達障害情報センター」Webサイトは、本研究所Webサイトから入
ることができます。
 どうぞ、気軽にお立ち寄りください。
 
 ○本研究所Webサイトはこちら→http://www.nise.go.jp/

●平成20年度 発達障害学生支援セミナー ~実際の取組と情報交換~ 
の開催について

 本研究所では、平成17年度より独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)
との共同研究として、高等教育機関における発達障害のある学生の支援に関
する研究を行ってきました。この研究の一環として、高等教育機関の教職員
を対象としたセミナーを平成20年10月 9日(木)に開催いたします。本テー
マに関連した文部科学省の事業「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プ
ログラム(学生支援GP)」を進めている高等教育機関の方々から、実際の支
援策や工夫の在り方を紹介していただいたのち、聴講者がそれぞれの機関の
現状について情報交換する場を設けます。
 本研究所のWebサイトにセミナーの案内を掲載しています。参加申込もこ
ちらから受け付けていますので、どうぞご覧下さい。

 ○案内及び参加申込はこちら→
  
http://www.nise.go.jp/blog/2008/06/20_19.htm

●平成20年度研究所要覧刊行のご案内
 
 平成20年度の研究所の組織や事業の概要を示した「国立特別支援教育総合
研究所要覧2008」が完成しました。下記から、ダウンロードできますのでご
覧ください。

 ○「要覧2008」はこちら→
  
http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_d/d-271.pdf

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■NISEトピックス
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★トピックス★ 
●事業・連携・生涯学習担当の業務について

              西牧 謙吾(教育支援部・上席総括研究員)

 平成20年度の組織再編では、従来の教育支援研究部医療・福祉連携担当を
改組し、教育支援部事業・連携・生涯学習という担当が新設されました。こ
こでは、研究所セミナー事業、医療・福祉・労働の連携と生涯学習を担当し
ます。乳幼児期から学校卒業後まで見据えて、医療・福祉・労働と協働して、
障害のある子どもの成長・発達を保障し、就労を含め、障害の重症度によら
ず、地域における生活の質を高めるための情報収集・提供が業務です。中で
も、本研究所特別支援教育セミナー事業(I・II)は、研究所の研究をベー
スに、最新の特別支援教育のトピックスに関する情報提供を行う中心的な業
務です。
 また、連携・生涯学習に関する業務では、医療・福祉・労働に関する幅広
い情報収集と整理を行っています。特に学校教育の中で、特別支援教育の推
進に向け生涯学習や社会保障等の視点で理論的、実践的な情報提供を行って
いきます。

★研究紹介★
●課題別研究「我が国の病気のある子どもの教育の在り方に関する研究-病
弱教育と学校保健の連携を視野にいれて-」(平成18~19年度)

        研究代表者 西牧 謙吾(教育支援部・上席総括研究員)

 課題別研究「我が国の病気のある子どもの教育の在り方に関する研究」か
ら、支援冊子「病気の児童生徒への特別支援教育『病気の子どもの理解のた
めに』」を紹介します。幼稚園、小・中学校、高等学校等や特別支援学校に
は、多くの病気の子どもがいます。また、病気を理由に長期欠席している子
ども達もいます。そのような子どものこころとからだに配慮した教育を普及
するために、情報システム開発の一環として作成したのが、この支援冊子で
す。
 本冊子の構成は、以下の3部構成になっています。
 1)病気の子どもの理解のために(パンフレットとして利用できます)
 2)病気の子どもの学校生活を支える(平成19年度版は「白血病」)
 3)病気の子どもの教育的支援について
 本冊子は、病院にある学校に在籍する子どもが退院して地元の学校に復帰
する際に、教員が利用できる他、認定講習のテキストとして、病弱教育の専
門性を高めるためにも利用できます。下記のWebサイトからダウンロードし、
ご活用下さい。
 この冊子は、特別支援学校病弱教育校長会と共同で作成しており、今後、
「病気の子どもの学校生活を支える」(病種別)を拡充していきます。本冊
子の活用により、多くの先生方の、病気の子どもに対する理解を深め、子ど
もの教育の充実を願います。

○支援冊子はこちら→

http://www.nise.go.jp/portal/elearn/shiryou/byoujyaku/supportbooklet.html

●共同研究「構音障害のある子どもが自ら学べる動画教材と配信技術の開発」
(平成19~20年度) 

           研究代表者 久保山 茂樹 (企画部・主任研究員)
            共同研究機関 独立行政法人理化学研究所

 「あかさたなはまやらわ・・・」、私たちは日本語の発音をいつのまにか覚
え、使っています。しかし、思うように発音することができず悩んでいるお
子さんたちがいます。もちろん、何もしなくても成長に伴って改善する場合
もあります。しかし、舌に必要以上に力が入って反ってしまうなど、よくな
い癖がついてしまっている場合や、友だちにからかわれたり、発話が正しく
伝わらないなど、生活する上で困難さが大きい場合は、発音改善のための指
導(構音指導)が必要になることがあります。この指導は、小・中学校等に
設置された「ことばの教室(言語障害特別支援学級や通級指導教室)」で受
けることができます。
 本研究は、構音指導の基本場面をビデオ収録し、解説をつけた動画教材を
作成し、WebやDVD等で配信することを目的にしています。この教材によって
構音の練習をご家庭でもできるようにすることや、構音指導について学びた
い「ことばの教室」の先生方に活用していただくことを願っています。
 現時点では、先生方向けの教材がほぼ完成しています。今後、研究協力者
の皆さんに評価していただき修正版を作成します。また、家庭でも使ってい
ただける教材作成を計画しています。

 ○概要はこちら→
http://www.nise.go.jp/blog/2008/05/post_655.html

◆ちょっと一息 季節のたより -秋の七草-

 「秋の七草を言ってください。」と言われて、皆様は、すっと出てきます
でしょうか?
 「春の七草」は、1月7日に「七草がゆ」にして食する習慣があり、知る
人も多いと思いますが、「秋の七草」は、花を眺めて楽しむもののようであ
り、最近では、あまりなじみがなくなってきているように思われます。
 万葉集の中で、山上憶良が詠んだ歌が由来とされている「秋の七草」は、
「萩、すすき、くず、おみなえし、ふじばかま、ききょう、なでしこ」です。
その中には、「萩とすすき」のように、9月中旬の「仲秋の名月」に飾られ
たり、ききょう、なでしこは切り花として売られていたりと、かなり身近に
感じられる花もあります。
 開発などのために緑が破壊されていく昨今、この七草の一部の花が消えか
けているようです。三浦半島3市1町(横須賀市、三浦市、逗子市、葉山町)
には、この七草の花の保護育成のため、懸命に取り組んでいる寺社があり、
「秋の七草寺社めぐり」という開運めぐりがあるとのことです。
 皆様も、お仕事に疲れた時など、万葉集の中で読まれている秋の七草を身
近に触れて、こころを和ませてはいかかでしょうか?

                (総務部企画調整課 岩川 史子 記)

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■特別支援教育関連情報
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●文部科学省初等中等教育局 特別支援教育課からのお知らせ

◆「特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議」の設置について

 文部科学省において、特別支援教育の今後の具体的な推進方策について検
討を行うため、「特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議」が設置
され、8月13日に、第1回目の会議が開催されました。

◆平成21年度特別支援教育関連概算要求の概要について

  文部科学省では、平成21年度概算要求を財務省へ提出しました。以下では、
特別支援教育に関連する主な要求内容について紹介します。

○要求趣旨
 幼稚園から高等学校までを通じて,発達障害を含む障害のある幼児児童生
徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、子
ども一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を行うため、
外部専門家の活用を含めた特別支援教育の体制整備を総合的に推進します。

○内容
 1.発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業(拡充)  806百万円
   発達障害を含む全ての障害のある幼児児童生徒の支援のため、外部専
  門家による巡回指導、各種教員研修、学生支援員の活用などを実施する
  ことにより、特別支援教育を総合的に推進します。
     ◇委嘱先:47都道府県

 2.発達障害等に対応した教材等の在り方に関する調査研究事業(新規)
                              106百万円
     発達障害等のある児童生徒の教科学習等における困難を改善するため、
  一人一人の障害特性、発達段階、教科の特性などに応じた教材等の在り
  方、それらを活用した効果的な指導方法や教育的効果等について、実証
  的な調査研究を実施します。
     ◇委託先:6団体

 3.発達障害早期総合支援モデル事業(拡充)  198百万円
   発達障害のある幼児の早期発見・早期支援を強化するため、モデル地
  域において、関係機関が連携した支援体制の整備や個別の教育支援計画
  の作成方策の開発、保護者等への相談支援の在り方等について実践的な
  研究を実施します。
     ◇指定地域数:20地域

 4.高等学校における発達障害支援モデル事業(拡充)  65百万円
   発達障害のある高校生の支援のため、国公私立の高等学校をモデル校
  として指定し、当該高等学校に在籍する発達障害のある生徒に対して、
  専門家を活用したソーシャルスキルの指導や授業方法・教育課程上の工
  夫、就労支援等について実践的な研究を実施します。
     ◇指定校数:20校

 5.特別支援学校等の指導充実事業(拡充)  132百万円
      特別支援学校等の教育課程や職業教育の改善、PT(理学療法士)、
  OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)等の外部専門家を活用した指
  導方法等の改善及び自閉症の特性に応じた教育課程の在り方等について
  実践研究を実施します。
     ◇委託先:40都道府県市

 6.発達障害を含む特別支援教育におけるNPO等活動体系化事業(新規)
                             132百万円
      NPOを含む民間団体における障害児教育支援活動について、異なる
  団体間の連携及び支援活動の協同等のネットワークの構築及び、課題と
  されている分野への活動の促進等を図ることにより、団体間の連携、情
  報共有、支援活動の互助を推進するための体系化を推進します。
     ◇委託先:11団体

 7.特別支援教育就学奨励費負担等  7,137百万円
   特別支援学校及び小・中学校の特別支援学級等への就学の特殊事情を
  かんがみ、障害のある児童生徒等の保護者等の経済的負担を軽減するた
  めに必要な援助を行い、就学を奨励します。

▼第2弾 ----------------------------------------------------------
平成20年度第33回特別支援教育教材・教具展示会作品募集中!
 (財団法人障害児教育財団)
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 前号でご案内させていただきましたが、上記展示会の作品をただいま募集
中です。お近くに教材・教具を作り、教育に活用している方がいましたら、
ぜひお声をかけていただき、ふるってご応募くださるようお願いします。
 ◇賞:文部科学大臣賞
    国立特別支援教育総合研究所理事長賞
    障害児教育財団理事長賞(金賞、銀賞、銅賞、佳作)
 ◇応募締め切り 平成20年10月10日(金)必着
 ◇応募先    (財)障害児教育財団事務局
          〒239-8585 神奈川県横須賀市野比5丁目1番1号
            TEL 046-839-6888

 ○募集要項及び応募用紙はこちら→
  
http://www.nise.go.jp/blog/kyozaitenjikai.html

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■研修員だより
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 今号は、平成12年度第三期短期研修言語障害教育コース修了の片岡一公先
生からお寄せいただきました。

「Ya Ya (あの時代を忘れない)」

     片岡 一公(岡山県総合教育センター特別支援教育部・指導主事)

 「どんな障害もたちどころに<治して>しまう魔法のステッキを探しに行
く」そんな思いを抱いて短期研修に臨んだのが平成13年の1月。「ことばの
教室」の担当になって1年足らずの頃でした。それまでの通常学級担任とし
ての経験だけではどうにもならないという思いからか、それとも「私、この
子と一緒に死のうかと思ったこともあったんよ…」という母のことばを聞い
たからか…。重い何かを背負って私は久里浜にやって来ました。
 短期研修がスタートして間もなく、私は一人の仲間から「片岡さんの考え
はあぶないな…」と言われました。このことばが、それから後の私にずっと
ついて回ることになるのです。著名な講師の方々と研究所の先生方、そして
全国から集まった個性的な仲間たち。昼となく夜となく語り合う中で、自分
の価値観は大いに揺らされました。そして、ふと気が付くと、いつの頃から
か、その揺れを心地よく感じている自分がいました。
 あれから7年。今、私は、あの頃とは違った立場で障害のある子どもたち
の教育に携わっています。しかし、「○○ちゃんの障害と付き合うのか、障
害のある○○ちゃんと付き合うのか…」といった議論は、今でも私のベース
になっています。診断名のみにとらわれることのないように、その子自身を
見失うことのないように、野比海岸の青い海とうまい酒、そして仲間たちと
過ごした時間が、今でも私に語りかけてくれています。

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■特別寄稿
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 本研究所は、日本・マレーシア経済連携研修を、平成19年より3年間の予
定で行っております。本年度は、この研修プログラム(6月23日~7月18日)
に、マレーシアから9名の研修員が参加しました。この研修の知的障害教育
コースに参加された、モハド・アシャリ・B・マヘラン氏とモハマッドダン
・B・ユソフ氏が投稿してくださいました。なお、和訳については、筆者の
思いを伝えるために、あえて直訳をしておりますのでご了承ください。

◆モハド・アシャリ・B・マヘラン氏
  (スリプルヘンティアン中高等学校・特別支援教育コーディネーター)

 わたしの名前はモハド・アシャリ・B・マヘランです。わたしはマレーシ
アから来ました、知的障害者を教えている特別支援教育教員です。日本・マ
レーシア経済連携研修(EPP)に参加し、国立特別支援教育総合研究所(NISE)
を訪れることができました。
 NISEは、特別支援教育を必要とする子どもたちの教育に関する貴重な知識
を収集するのに最高のところです。研究所の構造や設備は、様々な障害のあ
る子どもたちの教育の質を向上させるという経験豊富な目的を持つ研究者に、
とてもふさわしいものです。
 NISEには、特別支援教育関連の文献が揃った最高の図書室があります。遅
い時間まで開かれており、世界のどの図書館もかないません。どの雑誌、論
文、文献、研究結果にも簡単にアクセスすることができます。また、この図
書館はインターネット環境が整備されているので、どのような情報も指一本
で求めることができます。
 NISEは特別支援教育の情報センターです。研究者の方々が、国内外の特別
支援教育に関する最新情報を収集しており、特別支援教育を必要とする子ど
もたちのために、熱心に働いておられます。またNISEは、EPPのようなすば
らしいプログラムを、独立行政法人国際協力機構(JICA)や財団法人日本国
際協力センター(JICE)と連携して行っています。
 NISEは、日本・マレーシア経済連携協定に重要な役割を担っています。マ
レーシアからの教員が学び、日本の研究者と教育的視点を交換できる機会を
与えてくれます。そしてそれは、特別支援を必要とする子どもたちに最高の
教育を提供する機会を与えるためという、たったひとつの理由のために。

◆モハマッドダン・B・ユソフ氏
(トゥンク マフムッド イスカンダー中高等学校・特別支援教育コーディ
ネーター教諭)

 はじめに、私が日本に来て特別支援教育についての知識を広げる機会を設
けてくださったJICAとJICEに感謝申し上げます。JICAは、この研修全般のマ
ネージメントをしてくださいました。JICAは、農業、健康、そして忘れては
いけない教育分野などにおいて国外に支援を行っています。JICEは、英語の
通訳としてアドバイスやサポートをしてくださいました。
 NISEは、研究者による講義や学校見学を通じて特別支援教育の知識を広げ
てくださいました。NISEの研究者の方は、とても知識が豊富で、私に理論、
データ、指導手引き、そして日本における知的障害者指導カリキュラムにつ
いての概要を講義してくださいました。NISEの研究者の方は、常に特別支援
教育についての研究を行っています。知的障害者の職業教育及び進路指導に
関する研究も、他機関の支援チームや様々な就労の場と連携しながら行われ
ています。たくさんの経験を積んだ研究者が大勢いる日本は恵まれています。
 NISEの研究者は研究チームに所属しており、様々な現場において役に立つ
研究に取り組んでいます。NISEの研究成果は研究者だけではなく、教職員、
保護者など日本中に還元されています。私の知っている国と比較しても、特
別支援教育に関する研究は進んでいます。私はこの研究結果が日本国内にと
どまることなく、国外にも広がればと願っています。
 学校見学や教職員と研究者の対談を通して、私の国でも少しの修正で実施
できることがたくさんあることに気がつきました。私は、これらが私の学校
でも試され、我が国の特別支援教育の向上に寄与できればと願っております。
この効果は、生徒自身、職業教育及び進路指導、特別支援教育政策に大きな
革命を起こすでしょう。もし、この職業教育及び進路指導が円滑に行われれ
ば、彼らは自分の技能や能力にあった職業を得ることができ、より良い人生
を送ることができるでしょう。
 JICA、JICE、NISE、そしてすべての協力者の方々に感謝申し上げます。と
ても良い思い出になりました。また、近い将来日本を家族と共に訪れ、日本
の美しさを一緒に味わいたいと思っております。

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■編集後記

 今年の夏も記録的な猛暑や熱帯夜が続きました。メルマガ読者の皆様にお
かれましては、暑い中もたくさんの研鑽を積まれてきたことと思いますが、
中には体調を崩されたという方もおられたのではないでしょうか。皆様はい
かがですか?
 さて、研究所では9月3日より約2ヶ月間にわたる第二期特別支援教育専門
研修「知的障害、肢体不自由、病弱教育コース」が始まります。本研修では、
「知的障害教育」「肢体不自由教育」「病弱教育」の三つの専修プログラム
と「知的発達の遅れを伴う自閉症」「重複障害」「情報手段活用」の三つの
重点選択プログラムを設定しています。これらは専門性を高めるための講義
や演習、実地研修、研究協議等で編成されています。北は北海道、南は鹿児
島県までの約100名の先生方が受講する予定で、私たちスタッフ一同、本研
修の充実に向けて準備を進めてきたところです。
 長い夏休みも終わり、子どもたちが元気に登校していることと思います。
まだまだ残暑が続きそうですが、子どもたちの元気に負けないよう、この夏
の研修成果を活かした実践が各地で展開されていくことを期待しております。

                   (第18号編集主幹 菊地 一文)

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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第18号(平成20年 9月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho@nise.go.jp
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