障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第46号

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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第46号(平成23年 1月号)
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■目次
【1】新年のご挨拶
【2】お知らせ
【3】NISEトピックス
【4】研究紹介
【5】特別支援教育関連情報
【6】研修員だより
【7】アンケートのお願い
【8】編集後記
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【1】新年のご挨拶
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 皆様、新年明けましておめでとうございます。本メールマガジンをいつも
ご愛読いただき、誠にありがとうございます。
 本年は本研究所の第三期中期計画の始まりの年となります。新年を迎える
にあたり研究所の過去の5年間の活動を振り返りつつ、新たな5ヵ年につい
て、支援を必要とする子ども一人一人のために、どのように活動を進めてい
くか思いを巡らせております。平成23年度から27年度までの新しい計画を本
年の4月には作成し、皆様にお知らせする予定です。
 過去の5年間は、業務体制の見直しを行い、研究班体制の整備、研究計画
の策定、発達障害教育情報センターの設置などを行い、それらを充実しつつ、
研究活動、研修事業、情報普及活動等を推し進めました。
 次の5年間については、多くの方々からの声を踏まえ計画を作成し、特別
支援教育に関する研究活動を中心に教職員等への研修などの事業を柔軟かつ
着実に行っていく予定です。
 これらの活動により、我が国唯一の特別支援教育のナショナルセンターと
しての役割を果たしつつ、障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応
した教育の実現に一層貢献していく所存です。
 なお、このメールマガジンも創刊から4年近くになり、第46号に達しまし
た。毎号順調に登録者数を増やし、現在では、PC、携帯を合わせて7,000
人を超える方々にご覧いただいております。
  今年も特別支援教育に関する最新の情報を提供できるよう、更なる内容の
充実を図っていきたいと考えておりますので、ご意見、ご感想などをお聞か
せいただければ幸いです。
 どうぞ、本年もよろしくお願い申し上げます。

              独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
                          理事長 小田 豊

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【2】お知らせ
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★NEWS★
●平成22年度 国立特別支援教育総合研究所セミナーI・IIのご案内
本年度は下記のとおり実施いたします。多数のご参加をお待ちしております。

◆平成22年度国立特別支援教育総合研究所セミナーIのテーマ
 特別支援教育のさらなる進展へのチャレンジ
 -学習指導要領改訂にあわせて-

 期日 平成23年 1月27日(木)・ 1月28日(金)
 会場 国立オリンピック記念青少年総合センター
※まだ席に余裕がありますので、引き続き申込を受け付けております。詳細
は以下のWebサイトをご覧ください。

 ○国立特別支援教育総合研究所セミナーIの詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/blog/2010/10/post_388.html

◆平成22年度国立特別支援教育総合研究所セミナーIIのテーマ
 特別支援教育の展開と質的向上を目指して
 -国立特別支援教育総合研究所の研究活動の成果から-
 
 期日 平成23年 2月28日(月)
 会場 国立オリンピック記念青少年総合センター
 申込み期間 平成22年12月13日(月)~ 平成23年 1月 7日(金)
※まだ席に余裕がありますので、申込み期間を過ぎましても引き続き受付い
たします。詳細は以下のWebサイトをご覧ください。

 ○国立特別支援教育総合研究所セミナーIIの詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/blog/2010/10/post_389.html

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【3】NISEトピックス
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★トピックス★ 
●第30回アジア・太平洋特別支援教育国際セミナー開催の報告

 本研究所では12月 6日~12月 9日の4日間にわたって、第30回アジア・太
平洋特別支援教育国際セミナーを開催しました。 
 このセミナ-は、研究所が昭和56年から開催しているもので、今年は「障
害者の自立と社会参加に向けて-障害者の進路指導・職業教育の観点から-」
をテーマに、オ-ストラリア・バングラデシュ・中国・インド・インドネシ
ア・日本・韓国・マレーシア・ネパール・ニュージーランド・パキスタン・
フィリピン・スリランカ・タイの14カ国の研究者や教育行政官等各国からの
代表者の他、文部科学省、特別支援学校の教職員、大学の職員、研究者、保
護者等4日間で延べ約260名の参加がありました。
 第1日はプレカンファレンスとして、今年度の開催テーマに沿った教育機
関である東京都立中央ろう学校及び東京都立青鳥特別支援学校を見学し、そ
の後、研究所の施設見学等を行いました。第2日の開会式では、小田豊理事
長の歓迎の挨拶に続き、千原由幸文部科学省特別支援教育課長より挨拶をい
ただきました。続いて美濃亮文部科学省特別支援教育課課長補佐により「日
本における特別支援教育の概要と、障害のある子どもたちの社会参加・自立
に向けた進路指導・職業教育、キャリア教育について」をテーマとした基調
講演が行われました。第2日から第4日の午前にかけては、各国代表者によ
る国別の報告、会議の締めくくりには総括協議が行われ、各国の現状や課題、
今後の方向性等について活発な討論が交わされました。
 なお、今回の第30回をもって、本セミナーはひとまず閉幕することになり
ました。これまでのセミナーでの経験を生かしながら、次期計画としてはイ
ンクルーシブ教育システムの問題など喫緊の課題にテーマを絞った、新たな
形での会議を開催したいと考えております。

 ○詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/blog/2011/01/ap30th.html

●海外情報の紹介
◇カナダ・オンタリオ州での実地調査報告

                田中 良広(教育相談部・総括研究員)
                工藤 傑史(教育支援部・総括研究員)
                横尾 俊(教育相談部・主任研究員)

 平成22年10月30日から11月 7日にかけて、本研究所専門研究A「障害のあ
る子どもの今後の教育についての基礎研究-日本社会に即したインクルーシ
ブ教育の実践にむけて-」の一環としてカナダのオンタリオ州トロントにお
いて実地調査を行いました。今回はその概要について報告いたします。
 カナダは連邦制を敷いていることから、各州における教育制度等もそれぞ
れ異なっていますが、オンタリオ州はその中でも先進的な取り組みを行って
いると言われています。今回の調査で訪問したのは、トロント大学附属オン
タリオ教育研究所、トロント市内の小・中・高等学校、そして、障害者と健
常者とが共にスポーツなどのレクリエーションを楽しむことができる総合施
設であるVariety Villageです。また、トロントに在住している日本人で、
障害のある子どもたちの保護者の方々に直接お話を伺う貴重な機会を得るこ
ともできました。

 今回の調査では、障害のある子どもたちが小・中学校等で学ぶ際の配慮の
視点であるアコモデーション(通常のカリキュラムへのアクセスを可能にす
るための配慮)やモディフィケーション(質的な変更を加えることによって
通常のカリキュラムへのアクセスを部分的に可能にするための配慮)といっ
た考え方や、校区や校内における支援のための専門スタッフや支援システム
など、多くの情報を得ることができました。これらの事柄は、今後、我が国
においてインクルーシブ教育を行っていく上で、大いに参考になると考えて
います。詳細につきましては、今後、研究成果報告書としてまとめ、公表して
いきます。

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【4】研究紹介
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●共同研究 親子で学べる構音障害改善のためのデジタルコンテンツ開発
(平成21年度)

           研究代表者 久保山 茂樹(企画部・主任研究員)
           共同研究機関 独立行政法人理化学研究所

 私たち研究グループは、平成19~20年度共同研究『構音障害のある子ども
が自ら学べる動画教材と配信技術の開発』の成果としてWebサイト『ネット
で学ぶ発音教室』(文末にアドレスを掲載)を公開し、言語障害教育を担当
する先生方の自己研修やことばの教室での指導等に活用していただいていま
す。
 本研究では上記の研究に続くものとして、主として保護者の方むけのWeb
サイト開発を行い『親子で学べる発音教室』を公開しました。Webサイトは
3部構成になっています。第1部『発音の誤り=障害?』では、構音の誤り
は発達の過程で誰にでも生じるものであるなど、構音障害に関する考え方を
示しました。第2部『おうちでできることは?』では、家庭でできる遊びを
いくつか紹介し、遊びや日常生活の中で、構音の発達が自然に促進されるこ
とを解説しました。同時に、遊びや日常生活の中でうまくいかないことがあ
る場合、想定される原因を解説し、専門機関の利用をお勧めしています。第
3部『練習した方が良い場合もあります』では、すでに「ことばの教室」を
利用している方むけに、家庭での発音の練習の進め方や、ことばの教室との
連携のあり方について解説しました。多くの方々に活用いただければ幸いで
す。

 ○『親子で学べる発音教室』Webサイトはこちら→
  http://forum.nise.go.jp/oyakotoba/

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【5】特別支援教育関連情報
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●『お知らせ』中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育の在り方に
関する特別委員会論点整理に関する意見募集の実施について
             〔文部科学省初等中等教育局特別支援教育課〕

 中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育の在り方に関する特別委
員会では、障害者の権利に関する条約の理念を踏まえた特別支援教育の在り
方について審議を重ね、このたび12月24日(金)に「中央教育審議会初等中
等教育分科会特別支援教育の在り方に関する特別委員会論点整理」を取りま
とめました。つきましては、本論点整理について広く国民の皆様から御意見
をいただくため、意見募集を開始いたしましたので、御意見等ございました
ら2011年 1月23日(必着)までにお寄せいただきますようお願いいたします。

○意見募集の詳細は以下のWebサイトをご参照ください。こちら→
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000493&Mode=0

○特別支援教育の在り方に関する特別委員会については以下のWebサイトを
ご参照ください。こちら→
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/index.htm

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【6】研修員だより
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 今号は、平成18年度第一期短期研修修了の成住きよみ先生からお寄せいた
だきました。

「研修のあとの絆をつないで!」

                成住 きよみ(北九州市立大原小学校)

 野比海岸を望んでの研修の日々から4度目のお正月を迎えました。最先端
の情報のシャワーを浴び、記憶が確かなうちに講義をまとめたり、他県の研
修生と談笑したりした日々が思い出されます。とりわけ、私たち研修員と地
域の方が、一緒におみこしを担いだのは、NISE始まって以来のできごとだっ
たそうです。
 現在、私は小学校の特別支援学級を担任していますが、通常の学級の児童
支援が課題となっています。そこで、全国に同じ悩みを抱えている仲間のた
めに役立ちたいと、研修員のネットワークを生かして公開講演会を企画して
います。昨年は、NISEの海津先生、玉木先生をお迎えして京都で開催しまし
たが、本年度は北九州市で実施します。講師は、NISEに長年ご勤務された福
岡大学の徳永豊先生です。講義を受けて受講者参加型のワークショップを開
催します。
 テーマ「子どもの社会性の育ちと特別支援教育」
 日時:平成23年 1月22日土曜日 13時より
 場所:福岡県 北九州市小倉北区 北九州市立生涯学習総合センター
参加申し込みは、以下に示すE-mailアドレスにご氏名と所属をお知らせくだ
さい。
 詳しくはナイセイトレーニーズネットワークのWebサイトをご覧ください。 
 情報獲得あり、思い出話あり、癒し合いありの研修会にどうぞご参加くだ
さい。お待ちしております。

 ○NISETN-TRAINEES-NETWORK(ナイセイトレーニーズネットワーク)のWeb
 サイトはこちら→
  http://blogs.yahoo.co.jp/nisetn
 
 申込はこちら→ E-mail nisetn[アットマーク]yahoo.co.jp
        ([アットマーク]を@にして送信してください。)

 ○北九州市立大原小学校学校のWebサイトはこちら→
  http://www.kita9.ed.jp/obaru-e/

※「短期研修」は、平成19年度以降、「特別支援教育専門研修」と名称及び
内容を変えて実施しています。

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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

 ○アンケートはこちら→
  http://www.nise.go.jp/enquete/fm/haisin/maga46

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【8】編集後記
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 2011年が始まりました。毎年この時期になると何か新しいことを始めたい
気持ちに駆られます。新たなる挑戦、出来事への着手を通じて、自分の世界
の広まりを期待します。一方、これまで何気なく「続けていること」に対す
る価値の再確認も大切なように思えます。もしかしたら自分で「続けている」
ようでいて、実は多くの見えない支えがあってこそ「続けられている」のか
もしれません。少し立ち止まって、これらに思いをはせることは、自分自身
の世界の深まりにもつながります。
 NISE(ナイセ)メルマガも今年で4度目の新年を迎えることができました。
少しずつですが、多くの皆さんのお手元に届けられていることを実感してい
ます。こうしてメルマガを続けて配信できるのも、その先にお顔は見えませ
んが読者の方々がおられるからこそと思います。これからも皆様のお顔を想
像しながら、少しでも有益な情報を発信できるよう努めて参ります。
                  (第46号編集主幹 海津 亜希子)

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■次号のメールマガジンは・・・

●トピック
 国立特別支援教育総合研究所セミナーIの報告

●研究紹介
 専門研究B 知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校
に在籍する児童生徒の増加の実態と教育的対応に関する研究(平成21年度)

以上の記事を予定しております。是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第46号(平成23年 1月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
([アットマーク]を@にして送信してください。)

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