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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第167号

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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第167号(令和3年2月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【お知らせ】
・令和2年度研究所公開の開催(終了報告)
【NISEトピックス】
・研究所創立50周年記念令和2年度国立特別支援教育総合研究所セミナーに
ついて
【NISEダイアリー】
【研修員だより】
【高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】NISEトピックス
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●令和2年度研究所公開の開催(終了報告)
 令和2年12月24日(木)から令和3年1月11日(月)、「特総研初!バー
チャル研究所公開~WEBから見つかる子ども支援のヒント~」というテーマ
で令和2年度研究所公開を開催しました。
 研究所公開としては、初のオンライン配信による開催で、「新しい生活様
式」に対応した学校教育の在り方にフォーカスを当てて、取組事例の紹介や
生活の工夫、授業等の指導の工夫を障害種別に動画を公開し、視聴者の方か
らは「動画の公開があると気軽に見ることができてありがたい。」、「様々
な最新情報がまとめられていて参考になった。」というご意見をいただき、
期間中はのべ5,000回以上ご視聴いただきました。
 本事業の実施に当たり、多くの方々に御協力いただきましたことに感謝申
し上げます。

○令和2年度研究所公開の実施内容についてはこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/laboratory_release

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【2】NISEトピックス
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●研究所創立50周年記念令和2年度国立特別支援教育総合研究所セミナーに
ついて
 
 令和2年度の研究所セミナーは「インクルーシブ教育システムの推進-共
生社会を目指した新しい時代の特別支援教育を考える-」をテーマとして、
インターネットによる配信にて実施します。

◇日時:令和3年2月27日(土) 9:00~16:25
 ※特設ページの動画配信は、令和3年2月27日(土)~3月26日(金)
◇開催方法:
 ライブ配信・・・Zoomウェビナー及びYou Tube Liveによる配信
 動画配信・・・・研究所Webサイトの特設ページから配信
◇定員:500名(先着順)
 ※既に定員に達しましたので現在はYou Tube Liveでの視聴による参加を
 お願いしています。
◇申込期間:令和3年2月5日(金)17:00まで

◇プログラム
 【オンラインパート・プログラム(ライブ配信)】
 ・辻村賞授賞式・記念講演
 ・行政説明
 ・創立50周年記念講演
  「創立50周年を迎えた国立特別支援教育総合研究所のこれから
   ~新しい時代の特別支援教育を担うみなさんへ~」
 ・創立50周年記念パネルディスカッション
  「これからの特別支援教育の展望~子どもとともに~」
 ・基幹研究(横断的研究)及び地域実践研究 成果報告
 【オンデマンドパート・プログラム(動画配信)】
 ・障害種別研究班による基幹研究成果報告
 ・ポスター発表
 ・教材紹介

 *オンデマンドパートはWebサイトの特設ページにおいて配信します。
 *各パートの視聴には事前登録が必要です。下記の研究所Webサイトより
 お申し込みください。皆さまのご参加をお待ちしています。

○国立特別支援教育総合研究所セミナーの詳細及び申込みフォームはこち
ら→
 https://www.nise.go.jp/nc/training_seminar/special_seminar/1234

○研究所公式LINEアカウントからも随時情報を発信しますので、是非友だち
登録をお願いします→ 
 https://lin.ee/jhnGAG7

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【3】NISEダイアリー
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             「一枚の年賀状」
           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

 1月7日に、新型コロナウイルス感染症の著しい地域に二度目の緊急事態
宣言が出され、不要不急の外出を控えたり、職場においても、テレワークを
一層推進したりすることが求められている。
 家で、窓から入る日差しに温まりながら、年度末の仕事に向かっている方
も多いことだろうと想像する。いつの間にか、松の内や成人の日も過ぎ、正
月に届いた年賀状に、改めて目を通している方もいよう。私自身、少なくな
った年賀状に目を通していて、気が付いたことがあった。
 昔の教え子からの一枚の年賀状である。今どきのものゆえ、印刷された文
字ばかりではない。その背景に写真も添えられていた。家族で七五三のお参
りをした時に写したものであろう。一言、手書きの言葉も添えられていた。
「子供が三歳になり、4月からは、幼稚園に入ります」と。
 私は、聾学校に勤めていた。小学部で13年間、子供たちと過ごしていた。
当時は、3年間ずつ、一人の先生が担任をする仕組みであった。小学校のよ
うに、1年間や2年間では、なかなか子供との関わりが深まらないし、指導
の結果も見えないということで、「3年間、担任をする」という慣習であっ
たのだろう。このことは子供とじっくり関われるという意味でのよさもあっ
たが、担任の考えが子供に映し出されるという怖さもあった。
 始めは、高学年を担任していた。そして、初めて低学年を受け持った時の
教え子である。言葉の面で厳しさのある子供だった。聞こえにくい子供に言
葉の指導を行うことは、聾教育の永遠の課題でもある。あれこれ、自分なり
に工夫して指導をしたものだが、なかなか効果は上がらなかった。一番の思
い出は、小学部で個別指導の授業を提案することになったときのことである。
一年生の秋の講習会で、その子を対象児として授業を組み立て、本番に臨ん
だ。ところが、参観者がぞろぞろと教室に入って来るなり、いつもと違う雰
囲気に驚いたのだろう、泣き出されてしまった。全然予想もしていないこと
で、私の方が泣きたいくらいだった。まだまだ、子供の気持ちを想像するこ
とができなかったのだろう。自分の至らなさを子供に謝るしかなかった。三
年生になり、秋の講習会で、同じように個別指導を提案することになった。
私は再びその子に登場してもらい、授業を見てもらうことにした。その時は、
泣かずに、終わりまで、私とのやり取りを参観者に見てもらうことができた。
 年賀状の送り主は、そんな教え子である。今は、いくつになったのだろう
と、指折り数えてみた。当時は、「こどもことばえじてん」を使って、やり
取りをしながら言葉を増やそうとした。家庭でもお母さんとそれを使ってや
り取りをしたそうだ。後で、ぼろぼろになった辞典を見せてもらった。
 小学部、中学部、高等部、その後、社会に出て、周囲の人々の助けを得な
がら、今は「お母さん」として社会に溶け込んでいる。一言、自筆でメモを
書いてくれたことが何より嬉しかった。改めて、子供の可能性を思い浮かべ
た。さらに「自立とは?」、「社会参加とは?」を考えた。いずれも子供一
人一人に合ったものがあると思う。決して、型はめをせず追求したいものだ。

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【4】研修員だより
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 今号は、平成29年度第一期特別支援教育専門研修を修了された青栁憲充先
生からお寄せいただきました。

         「久里浜での充実した語らいの時間」
                  青栁 憲充(埼玉県立越谷特別支援学校)

 専門研修の2か月間は、毎日がとても魅力的で刺激的でした。講義やワー
クショップだけでなく、講師の先生や研修仲間との語らいを通して理解を深
め、研修に参加した自分の使命についても自覚するようになりました。
 所員の先生方からは、講義のほかにも班の話し合い、自主勉強会や教材制
作会、懇親会など様々な場で色々な話を聞かせていただきました。質問に伺
うと、どの先生も十分に時間をとって対応していただき、本当に感謝してい
ます。また、外部からの講師の先生との懇親会も何度か企画されました。そ
のような語らいの場では、先生方の特別支援教育への情熱を肌で感じ、自分
もその思いに応えたいと心を熱くしました。
 研修員同士でも、宿泊棟の共有スペースで毎晩のように語り合いました。
研修員は、聴覚、視覚、病弱、肢体不自由とそれぞれの参加コースは違いま
したが、児童生徒の未来を描き、目を輝かせて語らう場はとても居心地が良
かったです。研修修了から3年経ちますが、SNSやWeb飲み会で近況報告を
したり、研修を誘い合ったり、直面している課題について相談したりしなが
ら、今でも互いに学び、励まし合っています。
 現在、私は所属校で教育課程検討委員長として教育課程の改善に取り組ん
でいます。研修で学んだことを生かして、また全国の仲間も頼りながら、本
校の教育活動の充実・改善に向けて尽力したいと思います。

○埼玉県立越谷特別支援学校のWebサイトはこちら→
 https://koshigaya-sh.spec.ed.jp/

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【5】高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ
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●高齢・障害・求職者雇用支援機構より「働く広場」2月号のご案内
 「働く広場」は、障害者雇用に取り組む企業事例を中心に、身近な障害者
雇用問題を取り上げた障害者雇用の月刊誌です。成人期の働き方の情報とし
て、また障害者雇用を取り巻く先進的な取組のヒントとして、ご覧ください。
○2月号(1月25日発行)の掲載内容
 2020年11月に愛知県で開催した「第40回全国障害者技能競技大会(全国ア
ビリンピック)」の特集 ほか

○最新号の詳しい内容はこちら→
 https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/index.html
*このご案内は教育現場と就労をつなぐために掲載しております。

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【6】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。
 
○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=25663&lang=ja

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【7】編集後記
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 今月もメールマガジンをご愛読いただき、ありがとうございました。
 この編集後記を書いている現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、
特総研のある神奈川県を含む11都府県が、2度目の緊急事態宣言の最中とな
っています。
 全国の教育委員会、各学校においては、感染症対策に加えて、子供たちの
学びを保障するための様々な取組を進めています。特に、教育課程の見直し
やICTの活用などは、どの学校でも苦慮したことの一つではないでしょうか。
GIGAスクール構想の実現も踏まえて、ICTの活用は重要な課題とされていま
すが、コロナ禍で各学校から発信される授業や研修等でのICT活用の取組は、
先生方の熱意や工夫が感じられるものが多くみられます。
 議論が進められている「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識
者会議」では、昨年12月22日に報告(案)が示されました。これからの特別
支援教育の方向性について確認し、今後やるべきことを考えたいと思います。
 2月となり、今年度のまとめと来年度の準備を進める時期になってきまし
た。皆様も体調にはくれぐれも気をつけて取り組んでください。
                   (第167号編集主幹 吉川 知夫)

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第167号(令和3年2月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
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○研究所メールマガジンの利用(登録、解除、バックナンバーを含む)につ
いてはこちら→
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 【発達障害教育推進センターwebサイト】
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 【インクルDB】
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  https://www.nise.go.jp/kenshuka/jokan/gallery/ichiran.html
 
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