当研究所では、11月7日から11月10日の4日間にわたって、第25回アジア・太平洋特殊教育国際セミナ-を開催した。
同セミナ-は、当研究所が日本ユネスコ国内委員会との共催で昭和56年から開催しているもので、今年は「知的障害のある子どもの指導の工夫および教育環境の整備-就労をとおした社会への積極的な参加をめざして-」をテ-マに、オ-ストラリア・バングラディシュ・中国・インド・インドネシア・マレ-シア・ニュ-ジ-ランド・パキスタン・フィリピン・韓国・スリランカ・タイの12カ国の研究者や教育官等が参加した。
7日の開会式では、小田理事長の挨拶に引き続き、日本ユネスコ国内委員会を代表して、文部科学省国際統括官付 南 哲人ユネスコ第3係長が出席し、挨拶を行った。引き続き、大阪障害者雇用支援ネットワ-ク(NPO)代表理事の関 宏之氏による「知的障害のある人の自立と社会参加-働くことの意味-」をテ-マとした基調講演が行われた。
8日から9日の午前にかけては、各国代表者による国別の報告が行われ、9日の午後には、会議の締めくくりとして、総括協議が行われた。最終日の10日には海外からの参加者12名による横浜市立高等養護学校の見学が行われた。4日間にわたるセミナ-には海外からの参加者や全国の大学・特殊教育諸学校の職員、保護者等、所外から延べ119名の参加があった。
第25回アジア・太平洋特殊教育国際セミナ-まとめ
このセミナ-はアジア・太平洋地域の13ヶ国の代表者と基調講演者、および日本のオブザ-バ-から構成されるものであった。
各国代表者は「知的障害のある子どもの指導の工夫および教育環境の整備-就労をとおした社会への積極的な参加をめざして」のテ-マに基づいた報告を行った。
知的障害のある子どもの就労に向けた移行過程のより良い支援をめざし、教育における問題点と今後の課題に関して、それぞれの国別報告があった。
協議でまとめられた内容
- 知的障害のある青少年の教育に関する認識を広めていくことが必要である。インクル-シブな社会を目指して、知的障害のあるすべての子どもや若者のための義務教育を実現していかなければならない。
- 知的障害のある青少年の適切な雇用の確保は、それに見合った法律を効果的に遂行していくことと、職業教育にむけた政策を整備することによって、支えていかなくてはならない。また、法に基づいたモニタリング体系を明確にしていくことが必要である。
- 知的障害のある青少年のために、個別のニ-ズに対応した義務教育を確固たるものにし、また地域という場において、職業体験を含む弾力的なカリキュラムの開発を確実にしていく。
- 地域社会を拠点とした雇用の提供、およびその地域資源をうまく活用した新しい職業選択の創出、さらに知的障害のある青少年を雇用する社会環境の形成が必要である。―これらについては、知的障害のある青少年の長所や能力を考慮した職業を作り出すことによって、より促進される。
- 知的障害のある青少年の潜在的能力と雇用の可能性に対しビジネス分野や産業界を含む社会の認識や態度を変化させるために必須な法的な策を講じる。
- 知的障害のある青少年と、彼らにかかわる人々のために、遠隔地通信教育やアシスティブテクノロジ-を活用していく。
- 知的障害のある青少年の雇用状況の改善を図るため、職業訓練の移行期戦略について模範となる実践例や情報を共有する重要性について認識する。
第25回アジア・太平洋特殊教育国際セミナ-開会式
平成17年11月7日(月)13:00~13:30
- 開式
- 理事長挨拶
- ユネスコ国内委員会挨拶
- 外国人参加者紹介
- 閉式
挨拶をする小田理事長
日本ユネスコ国内委員会を代表して挨拶される南哲人ユネスコ第3係長
基調講演者 関宏之氏
各国からの代表者と研究所職員
