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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第157号

メールマガジン

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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第157号(令和2年4月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【新年度を迎えて】
【令和2年度の主な年間行事予定について】
【お知らせ】
・令和2年度に実施する各指導者研究協議会について(照会開始)
・NISE講義配信が「NISE学びラボ」としてリニューアルしました
・特総研ジャーナル第9号及びNISE Bulletin Vol.19の刊行について
・世界自閉症啓発デー2020イベントの中止について
【NISEトピックス】
・地域実践研究フォーラム開催に関する報告
・令和2年度の研究活動について
【研修報告】
・第三期特別支援教育専門研修(発達・情緒障害・言語障害コース)(終了
報告)
【NISEダイアリー】
【特別支援教育関連情報】
・令和元年度(第17回)特別支援教育研究助成論文集について
【研修員だより】
【研究職員の異動について】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】新年度を迎えて
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 この4月から、令和2年度を迎えました。
 令和元年度の3月には、新型コロナウイルスによる感染症予防のため、皆
様ご苦労されたことと思います。新年度はそうした心配が少なくなり、無事
に迎えられますことを心から祈念します。
 研究所にとって、本年度は、第4期中期目標期間の最終年度に当たります。
変化の激しい時代の中で、本研究所は、特別支援教育の推進のため、気持ち
を新たに種々の事業に取り組み、当初の目標の完遂に力を尽くしたいと思っ
ています。
 基幹研究としての横断的研究や障害種別研究、また、地域実践研究を実施
していくとともに、特に、これまでの研究成果の教育現場等における活用を
重視して、小学校や中学校等にも本研究所を知っていただけるよう、一層、
工夫を凝らしていくこととしています。
 研修事業に関しては、小学校等の学習指導要領において書き込まれた、障
害のある子どもが各教科等の学習活動を行う際に生じる困難さへの対応につ
いて、新たな講義コンテンツを作成するなどして、小学校等における特別支
援教育の充実に努める予定です。
 なお、インターネットによる情報発信がより効果的に行えるよう、視聴者
の目線でWebサイトの見直し等を行うこととしています。
 発達障害に関わる家庭と教育と福祉の連携に関する「トライアングル」プ
ロジェクトについては、昨年度作成した研修プログラムの試案に基づき、発
達障害の子どもの教育に関わる教員等の専門性向上に資するため、いくつか
の地方自治体で研修の機会を設けるなどして検証を行う予定です。
 インクルーシブ教育システム推進センターにおいては、5年間の地域実践
研究の集大成を図るとともに、二つのテーマを取り上げ、今年度も地域実践
研究員を受け入れ、地域の実情に応じたインクルーシブ教育システムの確立
に向けて、研究所職員とともに研究活動を進めることとしています。
 これら諸事業の活動状況については、折々に、様々な媒体を活用して、特
別支援教育関係者はもとより、広く一般の方々にもお伝えしていく予定です。
 我が国における特別支援教育の推進に貢献できるよう、本研究所としても
応分の努力を行って参ります。
 本年度も、皆様のご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
               独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
                        理事長  宍戸 和成

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【2】令和2年度の主な年間行事予定について
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 本研究所が本年度に実施する主な行事予定は、下記の通りです。各種行事
への参加をご検討いただく際に、ご参考にしていただければ幸いです。
 なお、専門研修及び研究協議会は、各都道府県教育委員会等より推薦を受
けた教職員が対象となりますので、予めご了承ください。

5月11日 第一期特別支援教育専門研修(~7月10日)
6月19日 支援機器等教材に関する地域展示会(山形県)
7月17日 特別支援学校寄宿舎指導実践協議会
7月21~22日 特別支援教育におけるICT活用に関わる指導者研究協議会
8月19日 支援機器等教材に関する地域展示会(山梨県)
9月2~4日 高等学校における通級による指導に関わる指導者研究協議会
9月9日 第二期特別支援教育専門研修(~11月13日)
10月22~23日 支援機器等教材に関する地域展示会(長野県)
11月上旬 研究所公開
11月19~20日 交流及び共同学習推進指導者研究協議会
11月26~27日 特別支援学校「体育・スポーツ」実践指導者協議会
11月28日 インクルーシブ教育システム普及セミナー(国立オリンピック記
念青少年総合センター、東京都)
12月3~4日 発達障害教育実践セミナー
12月10~11日 難聴児の切れ目ない支援体制構築・推進に向けた全国研修会
(国立オリンピック記念青少年総合センター、東京都)
12月18~19日 支援機器等教材に関する地域展示会(宮崎県)
[翌年]
1月6日 第三期特別支援教育専門研修(~3月12日)
2月26日~27日 国立特別支援教育総合研究所セミナー
※各行事は、新型コロナウィルス感染症の状況により、中止や延期となる場
合がございます。

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【3】お知らせ
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●令和2年度に実施する各指導者研究協議会について(照会開始)
 本年度に実施する下記の指導者研究協議会の受講候補者の推薦について、
都道府県教育委員会等に照会を行っています。
 なお、推薦に係る実施要項・推薦様式はホームページよりダウンロードで
きます。

◆特別支援学校寄宿舎指導実践協議会
 期日    令和2年 7 月 17 日 (金)の1日間
 募集人員  60名程度

◆令和2年度特別支援教育におけるICT活用に関わる指導者研究協議会
 期日    令和2年7月21日(火)~22日(水)の2日間
 募集人員  70名

◆令和2年度高等学校における通級による指導に関わる指導者研究協議会
 期日    令和2年9月2日(水)~4日(金)の3日間
 募集人員  100名

◆令和2年度交流及び共同学習推進指導者研究協議会
 期日    令和2年11月19日(木)~20日(金)の2日間
 募集人員  70名

◆特別支援学校「体育・スポーツ」実践指導者協議会
 期日    令和2年11月26日(木)~27日(金)の2日間
 募集人員  50名程度

○令和2年度国立特別支援教育総合研究所研修事業計画はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/page_20191114083003

●NISE講義配信が「NISE学びラボ」としてリニューアルしました
 本研究所では、障害のある児童生徒等の教育に携わる教職員の資質能力向
上を図る主体的な取組を支援するため、インターネットによる講義配信を行
っています。パソコン、スマートフォン、タブレット端末から、120以上あ
る講義コンテンツを無料で視聴できます。
 新システムへの移行に伴い、4月1日に「インターネットによる講義配信 
NISE学びラボ~特別支援教育eラーニング」としてリニューアルしました。
より視聴しやすい画面となり、ご自身の受講状況や受講履歴が確認できるよ
うになりました。また、従来の個人登録に加え教育委員会や学校等の団体登
録が可能となりました。登録いただいた団体は、複数の講義コンテンツを組
み合わせた研修プログラムを設定して研修会等で活用いただけます。
 新しくなった「NISE学びラボ」を是非ご活用ください。

○「NISE学びラボ」はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/training_seminar/online

●特総研ジャーナル第9号及びNISE Bulletin Vol.19の刊行について 
 この度、本研究所の2019年度における諸活動の成果等をまとめた「国立特
別支援教育総合研究所ジャーナル(特総研ジャーナル)第9号」、及び英文
でまとめた「NISE Bulletin Vol.19」を刊行し、それぞれ本研究所のWebサ
イトに掲載しました。
 特総研ジャーナル第9号では、本研究所が2019年度に実施した研究の概要、
調査研究報告、諸外国における障害のある子どもの教育に関する状況調査報
告、国際会議・外国調査等の報告、学会等参加報告、事業報告や、文部科学
省特別支援教育課による日本の特別支援教育の政策動向等を紹介しています。
 また、NISE Bulletin Vol.19では、本研究所が2019年度研究課題の概要、
本研究所の研究紀要に掲載されている論文の要旨、各部・センターの事業報
告や、文部科学省特別支援教育課による日本の特別支援教育の政策動向等を
英文で紹介しています。

○特総研ジャーナル及びNISE Bulletinはこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/report_material/research_results_publicati
ons/kiyou_jarnal_bulletin

●世界自閉症啓発デー2020イベントの中止について
 先月号で開催のご案内をしておりました「世界自閉症啓発デー2020・シン
ポジウム」について、現在発生している新型コロナウイルス感染症が拡大し
ている状況を受け、来場される方々の健康・安全面を第一に考慮した結果、
シンポジウムの開催を中止することにいたしました。
 開催を楽しみにしてくださった皆様には、急なご案内となりご迷惑をおか
けしますが、ご理解をいただきますようお願い申し上げます。
 なお、シンポジウムで実施予定であった内容を動画配信する予定です。

○世界自閉症啓発デー・日本実行委員会のWebサイトはこちら→
 http://www.worldautismawarenessday.jp

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【4】NISEトピックス
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●令和元年度地域実践研究フォーラムについて
 インクルーシブ教育システム推進センター地域実践研究事業担当

 平成28年度よりインクルーシブ教育システムの推進に向けて、地域や学校
が抱える課題に本研究所と教育委員会が協働して取り組む「地域実践研究事
業」を実施しています。地域実践研究に関するテーマから各教育委員会が地
域の実情・課題に応じたテーマを選択し、テーマごとに本研究所の研究員、
教育委員会から派遣された地域実践研究員による研究グループを組織して、
研究を推進しています。
 平成30年度から令和元年度に実施した研究は以下の4テーマでした。
・教育相談・就学先決定に関する研究
・インクルーシブ教育システムの理解啓発に関する研究
・多様な教育的ニーズに対応できる学校づくりに関する研究
・学校における合理的配慮及び基礎的環境整備に関する研究
 地域実践参画地域は、平成30年度に13県市、令和元年度に14県市町にご参
加をいただきました。それぞれの地域において、地域の課題を研究テーマと
して設定し、課題解決に向けた研究を実施しました。
 令和元年度の研究成果については、地域実践研究事業に参画している各地
域において、地域実践研究フォーラムを開催し、速やかに発信するとともに、
活用を図っていただいています。現在までに地域実践研究フォーラムを開催
した地域は以下の通りです。
静岡県  1月23日(木)清水町地域交流センター
埼玉県  1月31日(火)上尾市文化センター
横須賀市  2月4日(火)横須賀市教育委員会会議室
静岡県  2月21日(金)静岡県男女共同参画センター あざれあ
青森県  2月22日(土)青森県教育庁会議室
田原市  3月26日(木)愛知県田原文化会館(新型コロナウィルスの感
            染拡大に伴い開催中止となりました)
 各県市のフォーラムでは、地域における取組と課題等について教育委員会
からの説明、地域実践研究員からの地域実践研究の取組と成果についての報
告及び本研究所研究員からの研究や事業の報告等を行いました。当日は、特
別支援学校、幼稚園、認定こども園、保育所、小学校、中学校、高等学校の
教員、県教育委員会及び市町村教育委員会の職員、保護者などおよそ50名か
ら500名の参加があり、活発な質疑応答が行われました。地域実践研究フォ
ーラム終了後の参加者アンケートからは、本研究所及び地域実践研究事業に
対する期待や要望が多く寄せられました。
 地域実践研究フォーラムの開催に当たりまして、各県市教育委員会をはじ
め多くの方にご尽力いただきましたことに感謝いたします。

●令和2年度の研究活動について
                    研究企画部 総合研究推進担当

 本年度は、基幹研究(横断的研究)2件、基幹研究(障害種別研究)4件、
地域実践研究2件を実施します。研究成果は、研究成果報告書サマリー集の
ほか、教育現場で活用しやすいリーフレットやガイドブック等を作成し、そ
れらの活用方法の周知を含め、効果的な成果の普及を目指します。

◆基幹研究(横断的研究)2課題
1)我が国におけるインクルーシブ教育システム構築に関する総合的研究
  (平成28年度~令和2年度)
2)特別支援教育における教育課程に関する総合的研究
  (平成28年度~令和2年度)

◆基幹研究(障害種別研究)4課題
1)聴覚障害教育におけるセンター的機能の充実に関する研究-乳幼児を対
  象とした地域連携-(平成30年度~令和2年度)
2) 知的障害特別支援学級担当者サポートキットの開発-授業づくりを中心
  に-(令和元年度~令和2年度)
3)小・中学校における肢体不自由のある児童生徒への指導及び支援のため
  の地域資源を活用した授業改善に関する研究(令和元年度~令和2年度)
4)社会とのつながりを意識した発達障害等への専門性のある支援に関する
  研究-発達障害等の特性及び発達段階を踏まえての通級による指導の在
  り方に焦点を当てて-(令和元年度~令和2年度)

◆地域実践研究2課題
1)メインテーマ1:インクルーシブ教育システム構築に向けた体制整備に
関する研究
[サブテーマ]
・インクルーシブ教育システムの理解啓発の推進に関する研究(令和2年度)
2)メインテーマ2:インクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教
育に関する実際的研究
[サブテーマ]
・交流及び共同学習の充実に関する研究(令和2年度)

 これら以外に、終了課題の研究成果の普及活動、障害種別等の基礎的な調
査研究活動、さらには、科学研究費補助金などの外部資金研究等を実施しま
す。これらの研究のテーマや内容などは随時、本メルマガで紹介していきま
す。
 また、研究成果報告・研究成果報告書サマリー集・リーフレット・ガイド
ブック等のPDFファイルはホームページからダウンロードしていただけます。

○研究区分についての説明はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/study/intro_res

○報告書・資料についてはこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/report_material

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【5】研修報告
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●第三期特別支援教育専門研修(発達・情緒障害・言語障害コース)(終了
報告)

 1月8日から3月13日までの約2か月間、「第三期特別支援教育専門研修
(発達障害・情緒障害・言語障害教育コース)」を開催し、全国から86名の
先生方が参加しました。
 本研修は、発達障害・情緒障害・言語障害教育におけるスクールリーダー
として専門的知識及び技術を深め、指導力の一層の向上を図り、指導者とし
ての資質を高めることを目的としています。研修を終えた教員については、
それぞれの地域の特別支援教育が一層充実するよう、それぞれの地域におい
て、高めた資質を生かしながら、特別支援教育の中核的な役割を発揮するこ
ととなります。
 複数あるカリキュラムの中から、ここでは研究協議についてご紹介します。
研究協議は、事前レポートの内容を踏まえ、課題が関連する研修員で構成し
た班を編制し進めることとしました。設定された10コマ(1コマ=3時間)
の協議の中では、班ごとにテーマを設定し、学校現場の課題解決の実現に向
けた、研修員による主体的、自発的な協議が進められました。研究協議の最
終回には、パワーポイントを用いた班ごとの口頭発表(各班各10分)が行わ
れました。テーマは「ミカタを広げるはじめの一歩~子どもを中心に考える
理解啓発~」、「学校で不適応をおこす児童・生徒の理解と支援~発達障害
の二次障害と愛着障害の視点から~」など多様なものでした。発表は、どの
班も熱が入っており、それぞれの協議の深さが伺えました。
 発表会翌日には、86名全ての研修員が無事に研修修了の日を迎えることが
できました。研修員からは「研修に来て今までに学びたくても学べなかった
多くの知識を身に付けることができた。まだ十分に消化できていないが、地
元に帰って生かしていきたい」、「かけがえのない仲間ができた。これから
も困ったことがあれば相談できる仲間でありたい」などの感想が語られまし
た。研修を終えた研修員の今後のご活躍を期待しています。
                     実施グループ長:伊藤 由美

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【6】NISEダイアリー
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            「子どもからの一言」
           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

 先月は、令和元年度の終わりの3月。学校では、年度末の様々な行事や新
年度の準備が盛り沢山だった。でも、新型コロナウイルスによる感染症予防
のため、全国各地の学校が休校となった。
 研究所においても然り。一年間の研究に来ていた長期型の地域実践研究員
や第三期の専門研修員を無事地元に送り出し、ほっとするとともに、研究協
議会を中止にしたり、研究職員の出張を控えたり、運営委員会をメール審議
に切り替えたりするなどの対策を講じた。
 新年度においても、しばらくは職員一人一人が継続して用心する必要があ
るが、できることなら、予定した諸活動を進めていきたいものである。
 全国一斉の休校で、久里浜特別支援学校の卒業式に出席することも叶わな
かった。その席で、幼稚部を修了する、ある男の子とそのお母さんに伝えた
いと思っていたことをここで紹介したい。
 その男の子は、幼稚部三年間、久里浜特別支援学校の幼稚部にお母さんと
一緒に通学した。たまたま、私が出勤する時間と同じになることが多かった。
研究所前でバスを降りる男の子とお母さん。私は海岸沿いのバスで通い、野
比海岸のバス停で降り、歩いて研究所に来る。グラウンド横の坂道を上がっ
てバス通りに出た辺りで、研究所前を発車したバスとすれ違う。すると、遠
くに二人の姿が望める。
 幼稚部年少さんの頃は、歩くのが嫌で、よく道路にしゃがんだりしていた。
お母さんが抱えて、学校まで連れて来る。校門の前辺りで私とすれ違う。そ
の頃から、「おはよう」と声を掛けるのが習慣になった。お母さんが返事を
してくれる。年中さんぐらいになると、私の声掛けに、お母さんが男の子に
「おはよう」と言うよう促してくれる。頭を下げたりすることはあっても、
なかなか男の子の声は聞かれなかった。道路の側溝沿いの石積みに上がり、
コンクリートの上をたどりながら、学校に向かうのが好きだった。
 3年目、年長さんになった。男の子の体は大きくなり、お母さんが抱える
ことは難しくなった。子どもも立ち止まったりすることが少なくなり、歩く
のも早くなった。好奇心が旺盛になったのか、道草をするようにもなった。
年も明け、2月末のある日、研究所の北口辺りでいつものようにすれ違った。
道草をしたい男の子を制して、お母さんが登校を促していた時、私が「おは
よう。」と言うと、即座に私の方を見て、指を差しながら「あの人、だれ?」
と言う男の子の声が聞こえてきた。「おはよう。」という型通りの返事を予
想していた私は、見事に裏切られた。でも嬉しかった。「あの人」や「だれ?」
という表現を知っていて、実際に使えるんだと。
 実は、その時私は新型コロナウイルス感染症予防と花粉症対策で、マスク
を掛けたまま声を掛けた。突然の返事には、その影響があったのかもしれな
い。三年間、私は一人の隣人として声掛けをしてきたが、偶然、子どもの変
化(成長)に遭遇することができた。「子どもは変わる」と、改めて思うと
ともに、気長に寄り添うことの大切さに気付かせてもらった。

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【7】特別支援教育関連情報
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●令和元年度(第17回)特別支援教育研究助成論文集について
 本事業は、公益財団法人みずほ教育福祉財団の令和元年度特別支援教育助
成事業として、本研究所が協力して、障害のある幼児・児童・生徒に対する
特別支援教育の研究を支援するものです。主に初等中等教育の学校現場で、
実際に教職に携わる一方、特別支援教育に関する実践的な研究を行っている
教職員個人又は研究グループを対象としています。
 令和元年度は次の4件に対して研究助成を行い、その研究成果をこのたび
論文としてまとめ、本研究所のホームページにて公開いたしましたので、是
非ご覧ください。

特別支援教育研究助成論文集はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/report_material/research_results_publicati
ons/mizuho

 1.「定時制・通信制課程における特別な配慮が必要な生徒への指導方法
   等の確立─不登校・中途退学を経験した生徒、特別な支援を必要とす
   る生徒、日本語指導が必要な帰国・外国人生徒への特色ある指導方法
   等の調査研究─」
    全国定時制通信制高等学校長会
    代表者 理事長 林  眞 司(東京都立六本木高等学校長)
 2.「特別支援学校における学校経営上の問題点の把握と課題解決への方
   策等の検討」
    全国特別支援学校長会/全国特別支援教育推進連盟
    東京都立あきる野学園 校長 市川 裕二 他
 3.「肢体不自由のある児童生徒の自立活動の指導に関する研究─自立活
   動の指導の充実に向けた校内支援体制と地域支援システムの構築─」
    香川県立高松養護学校 教諭 大比賀 尚子
 4.「自発的な動きが制限されている重度の障がいがある子どもの微細な
   動きを利用した入力装置の工夫─訪問教育を通じた学習や生活の質を
   高める活用方法に焦点をあてて─」
    鳥取県立皆生養護学校 教諭 美舩 俊介

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【8】研修員だより
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 今号は、令和元年度第一期特別支援教育専門研修を修了された末久早春先
生からお寄せいただきました。

           「研修での日々を振り返り」
               末久 早春(兵庫県立阪神特別支援学校)

 2か月間、現場を離れる不安と新たな出会いに対する期待とが入り交じり
ながら久里浜へ向かったあの日から早いもので、もう約1年が経とうとして
います。
 全国の78名の先生方と過ごした研修の日々は、とても刺激的で時間が経つ
のがとても早かったのを覚えています。特に印象に残っているのは、16時半
以降に研究協議班で集まり行った自主勉強会です。心理・発達検査のこと、
応用行動分析のこと、自分の学校の問題や課題など様々なことをその時間に
話し合い、また共有することで学びを深め合うことができました。今、現場
に戻り過ごす毎日の中で「共有」ということの大切さを改めて感じています。
 久里浜で過ごした研修の日々が夢だったのではないかと感じるほど現場に
戻ると予想外のことが起き、とても忙しい日々を過ごしています。ですが、
研修中に頂いた膨大な資料、講義内容を記したノート、仲間との写真を目に
することで、あの時の時間を思い出すことができています。この思い出を大
切にしながら目の前の子どもたちと共に歩んでいきたいと思います。このよ
うな機会を与えて下さり、本当にありがとうございました。

○兵庫県立阪神特別支援学校のWebサイトはこちら→
 http://www.hyogo-c.ed.jp/~hanshin-sn/

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【9】研究職員の異動について
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●3月で本研究所を退職した研究職員を紹介します。

◆3月で本研究所を退職した研究職員
 ・李 熙馥 インクルーシブ教育システム推進センター 主任研究員

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【10】アンケートのお願い
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=29516&lang=ja

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【11】編集後記
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 この度、新型コロナウイルス感染症により、被害に遭われた皆様とそのご
家族の方、また関係各所でご尽力されている皆さまに、心よりお見舞い申し
上げます。新型コロナウイルス感染症が1日も早く収束し、子どもたちが安
心して学校で学べる日常となることを願うばかりです。
 さて、今月もメールマガジンをご愛読いただき、ありがとうございました。
今月号では、本研究所の主な年間行事予定や研究活動を掲載させていただき
ました。多くの関係者の皆様にご参加いただけるよう様々な事業を開催して
おります。本年度も、首都圏のみならず全国各地でセミナーや展示会等を開
催する予定です。皆様のお近くに参りました際には、私共の催しにお立ち寄
りいただけますと幸いに存じます。
 本研究所では今年度も引き続き、学校現場の実践の一層の充実に際してお
役に立てていけるよう、様々な研究の実施と、その成果の発信、情報の普及
に努めて参ります。今年度も皆様方の尚一層のご理解とご支援を賜りますよ
う、よろしくお願い申し上げます。
                    (第157号編集主幹 神山 努)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第157号(令和2年4月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
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○研究所メールマガジンの利用(登録、解除、バックナンバーを含む)につ
いてはこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/about_nise/mail_mag

-*-*-*-*-*-*- リンク集 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

> NISEweb(研究所webサイト)
  https://www.nise.go.jp/nc/

> 発達障害の情報を知りたいとき
 【発達障害教育推進センターwebサイト】
  http://icedd_new.nise.go.jp/

>「合理的配慮」や「基礎的環境整備」の実践事例が知りたいとき
 【インクルDB】
  https://inclusive.nise.go.jp/

> インターネットで講義を聴講したいとき
  https://www.nise.go.jp/nc/training_seminar/online

> 免許法認定通信教育について
  http://forum.nise.go.jp/tsushin/

> 教育支援機器、教材について知りたいとき
  http://forum.nise.go.jp/ilibrary/

> 障害のある子どものためのインターネットギャラリー
  https://www.nise.go.jp/kenshuka/jokan/gallery/ichiran.html
 
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