研究代表者

棟方哲弥

研究分担者

中村 均,金森克浩,土井幸輝

研究班

情報・機器班(研究班長 棟方哲弥)

概要

 本研究では,新学習指導要領による授業が行われる時期を捉えて,その課題である障害の重度化と多様化に対応するアシスティブ・テクノロジー(支援機器や教材・教具とその利用技術までを含む。)について,その選定手続きを含めた活用の方法を明らかにし,これらを利用した教育の効果について検討します。本研究期間の 2カ年は,そのアプローチとして,まず,特別支援学校におけるアシスティブ・テクノロジーの活用報告を精査し,それぞれのテクノロジーが持つ「障害に基づく困難の改善・克服への効果」と「教育目標達成への効果」に分けて体系的に整理するとともに,学校における適用事例の研究を進めます。また,個別の指導計画や個別の教育支援計画において,一人一人のニーズに合わせたアシスティブ・テクノロジーを決定するための手続きを提案します。

研究協力校(50音順)

  • 愛媛県立松山盲学校
  • 香川大学教育学部附属特別支援学校
  • 群馬県立二葉養護学校
  • 滋賀大学教育学部附属特別支援学校
  • 筑波大学附属桐が丘特別支援学校
  • 筑波大学附属久里浜特別支援学校
  • 東京都立立川ろう学校
  • 北海道八雲養護学校

研究協力者(50音順)

  • 氏間 和仁氏(福岡教育大学)
  • 太田 容次氏(滋賀大学教育学部附属特別支援学校)
  • 大森 直也氏(京都府総合教育センター)
  • 小森 信幸氏(北海道旭川養護学校)
  • 坂井 聡 氏(香川大学)
  • 丹羽 登 氏(文部科学省)
  • 東原 文子氏(聖徳大学)
  • 研究パートナー機関(50音順)
  • 大阪府立茨木支援学校
  • 京都府立城陽養護学校
  • 長野県稲荷山養護学校

研究パートナー機関(50音順)

  • 大阪府立茨木支援学校
  • 京都府立城陽養護学校
  • 長野県稲荷山養護学校

平成21年度の研究の経過

 本研究期間の2か年の最初の1年である平成21年度は(1)アシスティブ・テクノロジー関連の研究論文,実践研究等の文献の所在とその数について整理作業,(2)アシスティブ・テクノロジーの活用に関して優れた実践のあると思われた学校への訪問調査と研究協力の依頼,(3)アシスティブ・テクノロジー活用事例の整理の枠組みの検討,(4)アシスティブ・テクノロジー活用事例を記述するためフォーマットの検討,(5)研究協力機関に依頼する活用事例の選定等を実施しています。
以下に,順に,その内容を紹介します

(1)文献情報の整理では,関連学会等の学会誌,大会論文集,研究会,助成金を受けた実践研究等についての情報を整理しています。さらに,国立特別支援教育総合研究所の特別支援教育実践研究データベースから最近3か年のデータ(2,345件)を取り出して,そこに出現するアシスティブ・テクノロジーに関する用語を抽出し,それらに基づいて,障害種別に,活用事例を整理したデータを作成し,分析を行っています。

(2)学校訪問では,特別支援学校における支援機器等の保有状況・利用状況実態調査のデータ(専門研究A「障害のある子どものための情報関連支援機器等の活用を促進するための教員用映像マニュアル(別ウィンドウで開きます。)作成に関する研究(研究代表者:中村 均)」において平成20年1月に実施)をもとに優れた実践を行っていると考えられた学校を選定し訪問調査を実施しました。

(3)活用事例を「a. 支援機器等によって,障害による学習上又は生活上の困難を(主体的に)改善克服するための活用が主たる目的である場合」や,「b.指導や授業のねらいがあり,そのために支援機器等を利用する場合」に分けて整理すること,アシスティブ・テクノロジー選定のプロセス,個別の指導計画,個別の教育支援計画とのアシスティブ・テクノロジーの使用効果あるいは,指導の効果と使用した機器の役割と評価について記述する計画です。

(4)アシスティブ・テクノロジー活用事例を記述するためフォーマットの検討

  1. タイトル
  2. 事例の対象となる児童生徒について
  3. 使用した機器(支援機器等)名称と特長
  4. 使用した機器を選定した理由
  5. 選定のプロセス
  6. 個別の指導計画と個別の教育支援計画
  7. 指導の内容
  8. アシスティブ・テクノロジーの使用効果あるいは,指導の効果と使用した機器の果たした役割と評価
  9. まとめと今後の課題

(5)活用事例として,各障害種別において典型的なアシスティブ・テクノロジーの活用の事例を中心に実施をする計画です。

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