公開研究協議会の参加者募集の終了について

 平成24年10月12日(金)開催予定の公開研究協議会への参加募集は締め切らさせていただきました。沢山の参加申し込みありがとうございました。

研究代表者  

澤田真弓

研究分担者  

松村勘由、伊藤由美、笹森洋樹、大崎博史、久保山茂樹、熊田華恵、横尾 俊、涌井 恵、庄司美千代、植木田潤

研究協力者  

笹本 健

研究班 

 在り方班

概要 

 本研究では、インクルーシブ教育システムの構築に向け、関係者に求められる専門性の内容を明らかにするとともに、それを踏まえた研修カリキュラム(試案)を提示することを目的としています。
具体的には、中央教育審議会「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」をはじめとするインクルーシブ教育システムの構築に向けたこれまでの議論や、本研究所での関連先行研究の成果等を踏まえ、教育委員会や学校関係者に求められる専門性の内容について考察するとともに、それを効果的に修得するための研修カリキュラム(試案)を各都道府県教育センター等での研修や校内研修の実践事例の収集、分析を行いながら提示していきます。
本研究成果は、インクルーシブ教育システムの効果的な実施・運用に寄与するものと考えています。

研究経過 

 平成23年度研究経過

 研究1年目では、研修に関わる情報を国内外から収集・分析し、インクルーシブ教育システムを構築していくための研修に必要な要素について検討してきました。以下にその取組と成果を挙げます。
(1)情報収集及び概念整理について
まず、我が国における障害のある子どもの教育について、特殊教育から特別支援教育へ転換した経緯やそこから生じた課題について整理し、とりわけ研修に関わる課題や関連文献から、特別支援教育推進のための必要な知識や技能についてまとめました。
次に各都道府県市における特別支援教育下での研修や専門性向上の取組について、各都道府県市の教育センター等のホームページや、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課主催の特別支援教育担当者会議での資料を基に、整理・分析を行いました。
また海外における障害のある子どもの教育システムと教員養成及び研修の現状について、特にイギリスとイタリアの2カ国についてまとめました。さらに、インクルーシブ教育において必要とされる教師の専門性や研修内容について、海外の文献にあたり、その概要について整理しました。加えてユネスコがWebサイト上で公開しているガイドブック等の情報についても収集・整理しました。
これら情報収集した事項から、インクルーシブ教育システムの構築に向けて必要となる研修の要素を検討しました。
(2)専門性の考え方の整理について
「(1)情報収集及び概念整理」にて収集した情報や、インクルーシブ教育システムの構築に向けて必要となる研修要素等を基に、関係者に求められる専門性の考え方について整理しました。具体的には、管理職に求められる専門性、特別支援学校の特別支援教育コーディネーターや通常の学校の特別支援教育コーディネーターに求められる専門性、特別支援学級担当教員や通級指導教室担当教員に求められる専門性、通常の学級担任に求められる専門性、さらには、特別支援教育支援員等、外部人材に求められる専門性についてまとめました。

 研究最終年度に向けて、上記事項をさらに検討し、「研修カリキュラム(試案)」の作成等、本研究の目的を達成していきます。