国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第127号
メールマガジン
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国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
第127号(平成29年10月号)
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■目次
【お知らせ】
・平成29年度第二期特別支援教育専門研修開講
・平成29年度 特別支援学校「体育・スポーツ」実践指導者協議会の開催
(終了報告)
・平成29年度第2回高等学校における通級による指導に関わる指導者研究協
議会」の開催(終了報告)
【NISEトピックス】
・研究所公開のご案内
【海外情報の紹介】
・韓国における特殊教育及び統合教育の現状に関する実地調査の報告
【連載コーナー】
・「地域実践研究員」だより[第3回]
【NISEダイアリー】
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】
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【1】お知らせ
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●平成29年度第二期特別支援教育専門研修開講
9月4日(月)、平成29年度第二期特別支援教育専門研修(発達障害・情
緒障害・言語障害教育コース)が開講しました。今期(9月4日~11月8日)
は、全国から集まった82名が受講しています。
特別支援教育専門研修は、年三期開講し、各都道府県等で指導的立場に立
つ又は今後指導的立場に立つことが期待される教職員が、教育委員会等の推
薦を受けて受講するものです。
研修プログラムは、特別支援教育全般と各障害種別に関する専門的な講義
や演習、研究協議、実地研修等で構成されています。約2ヶ月間の宿泊型研
修で、神奈川県横須賀市の本研究所にて受講していただきます。
この研修では、専門的知識及び技術を深めるとともに、全国から集まった
教職員同士の情報交換やネットワークづくりも魅力となっています。
○特別支援教育専門研修の内容等はこちら→
●平成29年度 特別支援学校「体育・スポーツ」実践指導者協議会の開催
(終了報告)
2020年のオリンピック・パラリンピックの開催や、障害者の生涯学習の推
進が求められる中、学校教育における授業や部活動等を通じて、幼児児童生
徒の体育・スポーツ活動のさらなる充実が期待されています。当研究所では、
特別支援学校教員の体育・スポーツに関する指導力向上を目指した新規事業
として、8月18日(金)に標記協議会を全国特別支援学校長会との共催で開
催しました。
午前中は、障害者スポーツに関する行政説明や特別支援学校の体育・スポ
ーツの指導に関する調査報告や講演、また2カ所の自治体・学校の実践状況
について報告がありました。午後は、「ボッチャ」を通じた実践交流を行い、
練習の進め方やコーチング等について学びました。参加者からは、多岐にわ
たる内容の情報を得ることができ、日々の実践に生かしていきたいといった
感想が多数寄せられ、好評のうちに終了しました。
●平成29年度第2回高等学校における通級による指導に関わる指導者研究協
議会の開催(終了報告)
8月28日(月)及び29日(火)の2日間、標記指導者研究協議会(3回連
続型)の第2回を本研究所において開催しました。本研究協議会は、平成30
年度から実施される「高校通級(高等学校における『通級による指導』)」
の円滑な実施に向けて、指導的立場にある教職員による研究協議等を通じ、
担当者の専門性の向上及び高校通級の理解推進を図ることを目的として、本
年度新たに開催したものです。今回は、全国から担当指導主事や高校等教員
103名と、多くの方に引き続き受講いただきました。
第2回の今回は、先ず、本研究所研究職員による講義「通級による指導に
おける自立活動と個別の指導計画」、文部科学省による受講者からの高校通
級に関する質問への回答に続いて、1コース(指導主事対象)、2コース
(教員対象)に分かれて、受講者からの取組紹介発表と計15班での班別協議
を行い、最後には全体会として各班の報告を行い、全員で共有しました。
特に全体での講義を踏まえ、2コース(教員)で「通級による指導におけ
る自立活動と個別の指導計画の実際」と題しての本研究所運営スタッフによ
る演習・班別協議を行いました。この演習は、「グループ協議での演習が具
体的かつ実際的でとても分かりやすくよかった」、「個別の指導計画の作成
ポイントについて知識を深めることができた」など、アンケートでも好評で
した。
なお、本研究協議会では、第1回に引き続き、文部科学省の田中・庄司両
特別支援教育調査官に、両日参画いただきました。
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【2】NISEトピックス
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●研究所公開のご案内
先月号でもご案内したとおり、11月11日(土)、本研究所の一般公開を開
催します。
本研究所公開では、学校や地域で障害のある子どもと障害のない子どもが
共に生活し、学んでいく際に参考となる様々な配慮や工夫等を様々な体験を
交えてわかりやすく紹介していきます。また、昨年好評でありました特別支
援学校生徒によるあん摩マッサージ体験やスタンプラリー等も実施します。
さらに、横浜高校野球部前監督の渡辺元智氏をお招きし、「愛情が人の心を
育て、人を動かす」というテーマでご講演いただきます。
託児サービスを完備し、子ども向けの企画も用意しており、ご家族でも参
加しやすい内容となっておりますので、是非、お誘い合わせの上、お気軽に
お越しください。
◇日時: 平成29年11月11日(土) 9時30分~16時(15時受付終了)
◇主な内容
・横浜高校野球部前監督の渡辺元智氏による講演及び宍戸理事長との対談
・障害者スポーツ体験「車椅子バスケットボール」
・特別支援教育の視点からの授業づくり体験
・特別支援学校生徒によるあん摩マッサージ体験
・NISE特別支援教育スタンプラリー
・ミニ講義「発達障害の特性に関する疑似体験」
・障害のある子どものための教育支援機器の展示・実演
・障害のある子どもがくつろげる心地よい環境づくりの体験
・障害のある子どもに対する生活環境面での身近な配慮や工夫の紹介
・本研究所の最新の研究成果等の紹介
・作業所によるイベント出店(パンや「よこすか海軍カレー」などを販売)
◇参加費: 無料
◇事前申込不要
◇駐車場有(80台分)
各企画内容については、WEBサイトやFacebookにて紹介していますので、
是非ご覧下さい。
○研究所公開の詳しい内容はこちら→
(WEBサイト)
https://www.facebook.com/nisekoho/ (Facebookサイト)
https://twitter.com/nisekoho/ (Twitterサイト)
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【3】海外情報の紹介
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●韓国における特殊教育及び統合教育の現状に関する実地調査の報告
李 熙馥
(インクルーシブ教育システム推進センター研究員)
去る7月17日から21日まで韓国の初等学校(「小学校」を指します)・中
学校・高等学校の計5校を訪問し、障害のある児童生徒に対する教育の実際
について実地調査を行いました。この実地調査は、韓国の特殊教育(「特別
支援教育」を指します)や統合教育(「インクルーシブ教育」を指します)
の現状について情報収集し、今後日本のインクルーシブ教育システム構築や
推進についての示唆を得ることを目的としました。
韓国の障害のある児童生徒は、日本と同様に特殊学校(「特別支援学校」
を指します)、特殊学級(「特別支援学級」を指します)、通常の学級で学
びます。近年は特殊学級や通常の学級で学ぶ児童生徒数が増加傾向にありま
す。障害のある児童生徒が通常の学校で学ぶ場合、通常の学級に在籍し、全
般的な教育活動は通常の学級で行い、国語や数学等個別の支援が必要な教科
のみ特殊学級で学びます。どの教科を特殊学級で学ぶかについては、子ども
の実態を踏まえ、子どもと保護者の意見を最大限に反映して決めるとのこと
です。
高等学校の特殊学級では、教科の学習のみならず、就労に向けた職業教育
が盛んに行われています。高等学校で教育する職種は学校によって様々です
が、郵便物の分類作業や菓子・パン作り、バリスタ、組立の作業等に関する
指導が行われています。職業教育においては、スマートフォンやタブレット
等のアプリを利用して仕事の際に必要なスキルを事前学習した後、実物で実
習を行う取組もなされています。また、職場となるカフェのような実習室を
用意し、制服を着用しコーヒーを淹れる本格的な実習も行われています。
統合教育については、障害のある人の人権に関する教育が、障害のある児
童生徒も障害のない児童生徒を対象に行われています。2008年に施行された
障害者差別禁止法の条文を特殊学級や通常の学級に掲示し、意識づける取組
もみられました。また、通常の学級の友達が障害のある児童生徒のピア・サ
ポーターとなり、移動時や筆記等の支援をする取組や、障害のある児童生徒
と障害の児童生徒が共に活動するサークルの運営も行っていました。
これらの韓国の取組は、日本で平成30年度から開始される高等学校におけ
る通級による指導において、卒業後の進路や就労を見据えた自立活動の指導
の充実を考えていくことや、今後インクルーシブ教育システムを構築してい
く上で2016年4月1日より施行された障害者差別解消法をより広く確実に周知
していくことの必要性について示唆を与えていると感じます。
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【4】連載コーナー
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●「地域実践研究員」だより[第3回]
「地域におけるインクルーシブ教育システム構築に関する研究」
地域実践研究員(長期派遣型) 太田 梨絵
(和歌山県立紀伊コスモス支援学校)
学校現場を離れての研究生活。教師になった頃には想像もしていなかった
研究の毎日にも少しずつ慣れ、気がつけば9月になり、周りは秋の気配とな
りました。窓から見える海や行き交う船を眺め、時には子どもたちと過ごし
ていた生活に思いを馳せつつ研究する日々を過ごしています。学校現場中心
の生活が一変し、不安や戸惑いを感じることもありましたが、今までの教師
としての自分を振り返り、そしてこれからの教師としての自分や地域の特別
支援教育について視野を広げるよい機会となっています。また研究所の先生
方や、同じ地域実践研究員の方々との新たな「つながり」が自分の世界を広
げてくれているように感じています。
地域実践研究では、特別支援学級における個別の教育支援計画の作成・活
用のための課題や、現在取り組まれていること等を明らかにし、市町村の小
中学校において効果的に活用していくための方策を探ることを目的としてお
り、和歌山県教育委員会のバックアップのもと、和歌山県内の教育委員会及
び各学校等のご協力をいただきながら研究を進めています。子どもの支援や
指導をつないでいくためには、個別の教育支援計画が果たす役割はとても大
きく、重要です。子どもをとりまく人々や機関をつなぎ、そして連携してい
くために、今回の研究が少しでも役立つように頑張っていきたいと思います。
「教材教具の活用と評価に関する研究」
地域実践研究員(長期派遣型) 二村 俊
(長野県飯山養護学校)
春から夏、そして秋に季節が変わってきています。研究室から海を眺める
と、波の音、船の往来、房総半島が目の前に広がっています。山に囲まれた
長野県から出てきた私にとっては、海が見える季節の移ろいは、とても新鮮
で目に焼き付けたい景色の毎日です。碧い海を見て仕事をする贅沢さがこの
研究所にはあります。
研究所に来たことは、自分の教員としての姿を振り返る機会にもなり、改
めて、自分の大事にすべきことを再確認できました。そんな中で、最も重要
だと思えることは、「歩」という字です。研究も、実践授業も、子どもの成
長も、「止まる」と感じることもあると思いますが、「少しずつ」前に歩ん
でいるのだと思います。今取り組んでいる研究も、止まったり戻ったりしな
がらも、少しずつ前に進んでいるという気持ちを忘れずに一歩一歩取り組ん
でいきたいと思います。
私が携わっている「教材教具の活用と評価に関する研究」では、長野県の
特別支援学校が行うセンター的機能の一つである地域支援に着目し、タブレ
ット端末等ICT機器の利活用の促進につながるよう研究を行っています。具
体的な研究活動としては、特別支援学校には地域の小・中学校等へのタブレ
ット端末等ICT機器の活用に関する地域支援について調査、地域の小・中学
校等の特別支援教育に携わる先生方には、タブレット端末等ICT機器を活用
する場合のニーズについて調査を行っています。両面からの調査を行うこと
により、センター的機能の地域支援を行うにあたり、どのようなニーズがあ
り、そしてどのような地域支援を行う必要があるかについてまとめたいと考
えています。
本研究所では、同じ地域実践研究員の方々や研究所の先生方に、日々心に
かけていただき、つながりを感じながら研究に取り組んでいます。この結び
つきを大事にし、研究を通して得られた成果や知識、情報などを長野県に少
しでも還元できるよう今後の研究に精進していきたいと思います。
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【5】NISEダイアリー
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「その子の分かる言葉で・・・」
宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)
9月のある日曜日の早朝、目覚まし時計代わりにテレビのスイッチを入れ
た。すると、前にも見たことのある場面が映し出された。
知的障害のある高等部の生徒が勢いよく走り出す場面だった。
確か、6月にも放送され、それを見た記憶がある。その時は、どこの特別
支援学校だろう?誰がその才能を見いだしたのだろう?国際大会に出場して、
メダルを獲得したんだ、そんなことが頭に残った。
今回、そんな記憶を引き出しながら、改めて眺めていて、今度は、別のこ
とに刺激を受けた。新しい発見であった。
そのスプリンターの名前は、川上春菜さん。石川県立七尾特別支援学校珠
洲分校の生徒であり、今春、卒業された。そして、5月にタイのバンコクで
開かれた国際知的障害者スポーツ連盟(INAS)主催の陸上競技世界選手
権大会に400メートルリレーのアンカーとして出場し、銀メダルを獲得した。
その才能を見いだしたのは、珠洲分校の坂口教頭先生。体育の時間に彼女
の走る姿を見て、「この子、走れる」と感じ、指導を開始したという。
彼女は、人との関わりが難しく、特に初めての人には鋭い視線を走らせる。
言葉も少なく、練習の指示も伝わりにくい。両足跳びで、低いハードルをぴ
ょんぴょん跳び越す動作をどうやって伝えようかと坂口先生は悩む。
陸上競技の指導経験は長いが、障害のある子どもへの指導は初めて。試行
錯誤が続く。その時、ひょんなことから、「うさぎ、ジャンプ」と言ったら、
それが彼女に通じたという。そこで、先生が気付いた。「その子の分かる言
葉を遣えばいいんだ。」ということに。
練習の途中、“全速力”で走ることを伝えようと思うが、なかなか通じな
い。あれやこれや考えていて、「ウルトラ」という言葉に至る。「ウルトラ、
ウルトラ」、「超ウルトラで走れ!」そんな言葉掛けをしている場面が出て
くる。併せて、必死で走る川上さんの姿も。
彼女は高等部卒業後、地元の福祉施設で働きながら、陸上競技を続ける。
そして、リレーの日本代表に選ばれ、アンカーを務めることになる。しかし、
第三走者からのバトンの受け渡しの要領が上手く理解できない。タイミング
よく駆け出して、トップスピードでバトンを受け取るようにしたいと考えた
先生は、始めは、「逃げろ!」という言葉を遣って指示していた。上手くい
かない。そして、「ピュー」という言葉にしたら駆け出せるようになったと
いう。
本人の努力、周囲の人たちの支えなど、彼女が活躍するための要因がある。
しかし、今回見ていて印象に残ったことは、子どもの分かる言葉でこちらの
意図を伝えるということ。当たり前のことだが、その言葉が見付かるまでに
は時間が掛かる。もしかすると、根気の勝負かも知れない。でも、個々の子
どもと通じ合える言葉は必ずあるはず。沢山ある中から、伝わり合える言葉
を見付けたいと思う。それが分かってこそ、子どもの可能性を伸ばす第一歩
になるかも知れないと思った。
(「目撃!にっぽん選『走る~知的障害・陸上短距離 川上春菜さん~』」
を見て)
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【6】研修員だより
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今号は、平成27年度第一期特別支援教育専門研修を修了された宮本知子先
生からお寄せいただきました。
「ことばが生まれる理由」
宮本 知子(千葉県立我孫子特別支援学校)
平成27年度第一期「言語障害専修プログラム」の研修に参加させていただ
きました。
言語障害教育については未知の世界だったこともあり、どの講話も新鮮で、
知らないことを知ること、学ぶことは楽しいことだと改めて感じたものでし
た。
講師の先生方の話には芯があり、常に情熱が溢れていました。また、全国
の仲間との出会いと共有した時間は何物にも代え難い宝物です。
私には、この研修で強く印象に残り、常に心に刻んでいる言葉があります。
「ことばは、心が動いたときに生まれてくる。」
初めて耳にした時ハッとしました。そして同時に、担任していた子どもた
ちの顔が浮かびました。「たのしい」「うれしい」「できた」などの言葉や
表現が自然に出てくるような場面はあっただろうか、学校は心が動くワクワ
クする場所、子どもの心がキラッと光る場所になっているだろうかと改めて
思ったのです。私は人として対等に、子どもが「話したい」「伝えたい」と
思える存在でありたいと素直に思いました。
久里浜での学びや経験は、私の心を大きく動かしてくれました。先生方や
仲間たちと時間を忘れて語り合ったあの日々を糧に、歩んでいます。前へ。
○千葉県立我孫子特別支援学校のWebサイトはこちら→
https://cms2.chiba-c.ed.jp/abiko-sh/
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【7】アンケートのお願い
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今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。
○アンケートはこちら→
https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=58951&lang=ja
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【8】編集後記
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野比海岸から涼しい風を感じ始め、蝉の声から虫の声へと移り変わり、季
節が秋に移り変わってきたことを感じる今日この頃です。9月4日から始ま
った第二期専門研修も丁度折り返し地点になろうとしています。緊張してい
た研修員の先生方も研究所の生活に慣れ、充実した日々を送られています。
もう少しで子どもたちの元に戻りますので、先生方のお土産話を楽しみに待
っていてほしいと思います。
第二期専門研修で、初めて講義を担当しました。「私のデビュー戦です」
そんな自己紹介から講義を始めました。講義を通して、いろいろなことを感
じたり、学んだりすることができました。自分の知識に曖昧な部分があった
こと、調べたことをわかりやすく伝えることの難しさ、体験や対話を講義の
中にどのように入れたらいいのか、講義をする側の立場と講義を聞く側の立
場を考えることの大切さを体験することができました。3時間の講義を終え
ると講義の中で紹介した宮澤章二さんの詩「行為の意味」の一節「『こころ』
はだれにも見えないけれど『こころづかい』は見える」のように、研修員の
皆様のあたたかい心のこもった拍手から「こころづかい」を感じ、感謝の気
持ちでいっぱいになりました。私にとって忘れることのできない一生の思い
出に残る講義になりました。「あたたかいこころ」が、「あたたかい行為」
となり、人のこころに届いた時、人は、この人とつながりたいと思うのかも
しれません。子どもや保護者、先生、地域の方とつながりたいと思った時、
「行為の意味」を考えることが、つながることの一つのきっかけになるのか
もしれないと思いました。
これから残りの研修の期間、私も研修員の皆さんと一緒にいろいろなこと
を考えたり、悩んだり、学んだりしながらたくさんの思いを感じて一緒に成
長し、つながっていきたいと思います。
(第127号編集主幹 滑川 典宏)
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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第127号(平成29年10月号)
発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
([アットマーク]を@にして送信してください。)
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