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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン第174号

メールマガジン

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      国立特別支援教育総合研究所(特総研)メールマガジン
         第174号(令和3年9月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【お知らせ】
・令和3年度研究所公開はオンライン開催
・特総研LINE公式アカウントのご案内
・研究職員の公募について
・令和3年度後期免許法認定通信教育の受講募集について
【NISEトピックス】
・特別研究員の受け入れについて
・特別支援学校寄宿舎指導実践協議会の終了報告
【活動紹介】
・令和3年度インクルーシブ教育システム推進センターの事業について
【研究紹介】
・聴覚障害教育におけるセンター的機能の充実に関する研究
 -乳幼児を対象 とした地域連携-
・知的障害特別支援学級担当者サポートキットの開発
 -授業づくりを中心に- 
【高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ】
【NISEダイアリー】
【アンケートのお願い】

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【1】お知らせ
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●令和3年度研究所公開はオンライン開催

 今年度の研究所公開はコロナウイルス感染症拡大防止の観点から、Webに
よる開催といたします。研究所にて、様々な体験や意見交換ができることを
楽しみにされていた方々には申し訳ございませんが、Webならではの研究所
公開にどうぞご期待ください。

 実施期間:令和3年12月3日(金)~令和4年1月31日(月)
 内  容:特総研の事業紹介、ほか
 詳細は、今後、特総研webサイトでご案内します。
 
○研究所公開はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/laboratory_release


●特総研LINE公式アカウントのご案内

 特総研では、1年前に新たな情報発信の取組として、LINE公式アカウント
を開設しました。現場の教職員や関係者の方々に、より広く、より迅速に、
特別支援教育に関する情報をお届けできるよう努めています。今後も、情報
を積極的に配信しますので「LINE公式アカウント」による情報提供を是非
ご活用ください。

○特総研LINE公式アカウントはこちら→
 https://page.line.me/126vsvuc


●研究職員の公募について

 令和4年4月1日採用予定の研究職員を公募しております。

 採用予定職種:
  任期付研究職員(上席総括研究員、総括研究員、主任研究員又は研究員
  のいずれか。採用職種は、経歴等を勘案して決定する。)
 任期:
  任期付(任期は3年以内、再任あり)。
  ただし、勤務実績等を勘案し、任期なしとなることもある。
 募集人員:
  若干名。
 担当職務:
  所属部署(部又はセンター)に加え、所属部署を問わず設置する研究班・
  グループ等に所属し、主として下記の職務に従事する。
  (1)特別支援教育における実際的な研究
    1) 国の政策課題に対応する研究
    2) 教育現場の喫緊の課題に対応する研究
    3) 障害種別等の基礎的研究活動
  (2)特総研が実施する、研修等における講義・演習及び諸事業の担当
  (3)所属部署における業務
 応募資格:
  (1)修士以上の学位(採用予定日までに取得見込みを含む)又はそれ
     と同等の研究業績を有すること。
  (2)以下のいずれかに関する研究業績(実践に関する研究発表等を含
     む)があること。
    1) 自閉症をはじめとする発達障害教育領域の研究
    2) 特別支援教育におけるICT利活用に関する研究
  (3)上記(2)の研究業績と同じ分野における障害のある子供の教育
     経験(教育行政を含む)があることが望ましい。
 採用予定日:
  令和4年4月1日
 応募期限:
  令和3年10月4日(月)正午必着

 応募方法や提出書類などの詳細は、特総研Webサイトをご覧ください。

○採用案内はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/about_nise/others/recruit

 なお、特総研における研究活動や組織体制、所属部署における業務の内容
については、研究所要覧をご参照ください。

○国立特別支援教育総合研究所要覧2021はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/report_material/research_results_publications/seminar_materials/handbook_2021


●令和3年度後期免許法認定通信教育の受講募集について

 特総研では、特別支援学校教諭免許状の取得を支援するため、免許法認定
通信教育を開設しており、令和3年度後期の講座の募集を開始しました。

 開設科目:
  視覚障害児の教育課程及び指導法(1単位)
  聴覚障害児の教育課程及び指導法(1単位)
 受講資格:特別支援学校、小学校、中学校等に勤務している教職員
 講習期間:令和3年10月4日(月)~令和4年1月14日(金)
 単位認定試験日:令和4年2月6日(日)

 受講を希望される場合は、受講募集要項をご確認の上、9月24日(金)
までにお申込ください。

○令和3年度後期免許法認定通信教育の詳しい内容はこちら→
 http://forum.nise.go.jp/tsushin/boshu_yoko/

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【2】NISEトピックス
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●特別研究員の受け入れについて

                             研究企画部
 特総研では、従前から特別支援教育に関し、自身の研究を深めることを希
望する教員を特別研究員として受け入れています。令和3年度からはこの枠
組を活用して、都道府県・市の教育委員会から派遣された特別支援学校や小
・中学校の先生を受け入れることとしました。
 特別研究員の先生方は、特総研が取り組む重点課題研究又は障害種別特定
研究の各チームの一員として研究に参画し、各地域の課題の解決に向けた研
究に取り組みます。
 また、研究活動だけではなく、特総研の専門研修の講義受講や、学会参加
などの自己研修にも努めていただけるように、環境整備を行っています。
 今年度は、青森県、埼玉県、長野県、静岡県、横浜市の5自治体から6名
の先生が派遣されています。所属する研究チームは、重点課題研究では「学
習指導要領に基づく教育課程の編成・実施・評価・改善に関する研究」、
「ICT等を活用した障害のある児童生徒の指導・支援に関する研究」の2課
題、障害種別特定研究では「知的障害教育における授業づくりと学習評価に
関する研究」の1課題です。
 メルマガ10月号から12月号にかけて、特別研究員の先生方からは、日々行
っている研究や自己研修等に関わる活動について、ご紹介いただく予定です。
ご期待下さい。


●特別支援学校寄宿舎指導実践協議会の終了報告

           情報・支援部 学校教育支援・連携担当:滑川典宏
 令和3年7月21日(水)に令和3年度特別支援学校寄宿舎指導実践協議会
をオンラインとオンデマンドを併用して開催しました。
 各都道府県教育委員会等から推薦された74名の寄宿舎指導員等の、熱心に
講義を聞いたり、意見交換したりしている様子が見受けられました。
 事前のオンデマンド配信では、「特別支援教育の動向」をテーマに、新し
い時代の特別支援教育の在り方や学習指導要領の改訂、学校におけるICT環
境の充実等について紹介する行政説明が、文部科学省初等中等教育局特別支
援教育課課長補佐嶋田孝次氏から行われました。
 当日は、オンラインで協議会を開催し、東京学芸大学名誉教授菅野 敦氏
より「寄宿舎生の『自立と社会参加』に必要な力を育むための指導」と題し
た基調講演が行われたのち、視覚障害教育(2班)、聴覚障害教育(2班)、
知的障害教育(4班)、肢体不自由教育・病弱教育(2班)の計10班に分か
れて協議を行いました。
 部会別協議の助言者として、全国特別支援学校長会から推薦いただいた8
名の校長先生を迎え、「寄宿舎生の『自立と社会参加』に必要な力を育むた
めに」のテーマを中心に、各地の寄宿舎指導における実践や課題等について、
情報交換や意見交換が活発に行われました。寄宿舎生の多様化(障害の重度・
重複化、年齢幅)、入舎生数の減少、避難訓練の実施方法、寄宿舎生の携帯
電話やスマートフォンの使用、新型コロナウイルス感染症予防に関する取組
など、寄宿舎指導員が日頃抱えている課題やその工夫など、熱のこもった協
議が行われ、盛況のうちに本協議会を終えることができました。
 本協議会で、全国から集まった参加者(あるいは仲間)と共に学んだこと
や収集した情報等について、今後、各地で報告会が開催され、共有されるも
のと思います。
 これからも、各地の寄宿舎指導の充実を図るため、本協議会がより良いも
のになるように取り組んで参ります。

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【3】活動紹介
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●令和3年度インクルーシブ教育システム推進センターの事業について

       インクルーシブ教育システム推進センター長 久保山 茂樹
 インクルーシブ教育システム推進センターは、平成28年度に開設されて以
来6年が経過しました。今年度からの第5期中期目標期間には、(1)イン
クルーシブ教育システムの構築に向けて地域や学校が直面する課題に対応し
た「地域支援事業」、(2)インクルーシブ教育システムの国際的動向の
把握や諸外国の最新情報の収集及び海外との研究交流、(3)インクルーシ
ブ教育システム構築支援データベース(インクルDB)による情報提供の3事
業を展開します。
 地域支援事業(インクルーシブ教育システム構築のための地域支援事業)
は、令和2年度まで実施していた地域実践研究事業の成果を活用し、自治体
の事業に研究所が協働することで地域のインクルーシブ教育システム構築に
寄与することを目的としています。
 今年度は10の道府県の13の市町に参画いただいています。今後も地域実践
研究と同様、多くの自治体に参画いただき、成果発信と普及を行って参りま
す。
 諸外国のインクルーシブ教育システム等の取組に関する情報収集について
は、アメリカ、韓国、オーストラリア、イギリス、ドイツ、フィンランド、
スウェーデンの7か国を対象としています。それぞれの国の教育事情に詳し
い大学等の研究者の方々に特任研究員になっていただき、情報収集や資料作
成等の御協力をいただいています。
 海外の特別支援教育に関する研究機関等との交流も進めています。特に韓
国国立特殊教育院とは以前から交流を行ってきましたが、令和元年度に研究
協力及び交流に関する協定を再締結しました。
 今年度は11月に韓国国立特殊教育院の主催で「日韓特別支援教育協議会」
をオンラインで開催する計画です。この協議会では、日韓双方の障害のある
子どもの教育の現状や両研究所における事業等の情報交換、研究職員の交流
が予定されています。
 インクルDBは、インクルーシブ教育システム構築に関連する様々な情報を
広く提供する目的で公開しています。「合理的配慮の実践事例」の559事例
をはじめ、「交流及び共同学習実践事例集」や「学校における遠隔授業や
動画配信、新型コロナウイルス感染症予防の取組」も掲載しています。
引き続き皆様にご活用いただければ幸いです。

○インクルーシブ教育システム推進センターの事業についてはこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/about_nise/inclusive_center

○インクルDBはこちら→
 http://inclusive.nise.go.jp/

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【4】研究紹介
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 ここでは、令和2年度に終了した研究課題について、研究概要並びに成果
報告をさせていただきます。

●聴覚障害教育におけるセンター的機能の充実に関する研究
 -乳幼児を対象とした地域連携-

                          聴覚班 山本 晃
 聴覚班では、聾学校の乳幼児教育相談が、聴覚障害のある乳幼児とその保
護者に対して果たすべき役割について明らかにすることを目的とした研究に
平成30年度より3年間取り組んできました。
 平成30年度に国内の乳幼児教育相談を行っているすべての聾学校を対象に
実施した全国調査では、該当するすべての聾学校の乳幼児教育相談が医療機
関等との連携を着実に行っているものの、その連携の内容については学校差
があることが示されました。
 平成31年度から令和2年度にかけて実施した自治体への訪問調査を通じて、
これらの地域では、関係機関の役割の明確化や機関相互の連携体制の構築に
尽力してきたキーパーソンが存在することが明らかになりました。
 また、各地域の支援体制の特徴をパターン化することにより、聾学校の乳
幼児教育相談には、地域から求められている役割に違いがあることが示され
ました。
 切れ目ない支援体制の構築や充実のためには、自治体が地域の難聴児の支
援に係る連携協議会などを活用し、以下の4つの視点により検討を進めるこ
とが必要であることが示唆されました。
 1)聴覚障害発見後の支援機関の有無について市町村レベルで評価する。
 2)関係するそれぞれの機関の役割を明確化する。
 3)明確化した各機関の役割に基づき、体制充実に向けた取組を検討する。
 4)出生時からの支援の履歴を関係機関が共有するためのツールを検討す
      る。
 この研究の成果の一つであるリーフレットは、昨年度の「難聴児の切れ目
ない支援体制構築と更なる支援の推進に向けた全国研修会」事業で作成した
研修パッケージの中にも組み込んでいます。ぜひご覧ください。
 また、この研究を紹介する動画を今年度の「難聴児の切れ目ない支援体制
構築と更なる支援の推進に向けた地区別研究協議会」のオンデマンド講義と
して、10月1日から追加配信します。
 お申し込みいただきますと、オンデマンド講義を視聴することができます。
多くの皆様の参加をお待ちしております。

○研究成果が含まれる難聴児の切れ目ない支援体制構築と更なる支援の推進
 に向けた研修パッケージはこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/study/others/disability_list/hearing/package

○「令和3年度難聴児の切れ目ない支援体制構築と更なる支援の推進に向け
 た地区別研究協議会」の申し込みはこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/training_seminar/national_training/enter

○研究成果報告書はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/report_material/research_results_publications/specialized_research/b-361


●知的障害特別支援学級担当者サポートキットの開発
 -授業づくりを中心に-

                        研究代表者 涌井 恵
 知的班では、特別支援教育担当経験の浅い知的障害特別支援学級担任の専
門性向上を支援するために、標記の研究を行い、成果物として「知的障害特
別支援学級担任のための授業づくりサポートキット(小学校編)すけっと
(Sukett)」(以下、「すけっと」)を作成しました。
 「すけっと」は、知的障害特別支援学級の授業づくりに関する実践、理論、
資料、事例をまとめた電子冊子、知的障害教育に関する解説動画、冊子簡易
版リーフレットなどのコンテンツから構成されています。
 さて、本研究では、研究A:サポートキット試作版の作成、研究B:知的障
害特別支援学級における授業づくりのPDCAに関する事例研究、研究C:サポー
トキット試作第二版のモニター調査による有用性の検討、研究D:サポートキ
ット完成版の作成、という4つの研究を行いました。
 研究Bでは、当研究チームの他、委託研究として宮崎大学の半田 健 氏、
埼玉大学の長江清和氏、岡山大学の丹治敬之氏も事例検討を行いました。
(なお、委託研究の事例のエッセンスについては、サポートキット「すけっ
と」電子冊子の「読み物」にまとめています。)
 研究Bの事例研究から、ベテランの教員は、知的障害特別支援学級の授業に
おいて、児童の主体性や学びの意欲を引き出すことを指導目標や指導内容な
どの検討において重視していること、また、指導目標の設定、授業の流れ、
教材等を考える際に、児童の実態に立ち戻り、それぞれが児童の実態に合っ
た適切なものであるかを折々に確認しながら単元計画が立案されていること
が示され、児童の実態とのすり合わせが重要であることが明らかとなりまし
た。
 知的障害特別支援学級では、近年インクルーシブ教育システム推進の流れ
もあり、知的発達の遅れが重度の児童生徒と軽度の児童生徒が同じ学級に在
籍する場合もあり、各児童生徒の教育的ニーズに応えつつ学級全体として一
体的に授業を運営していくには、高い専門性が求められます。
 このような現況に対して、本研究により、知的障害特別支援学級に特化し
た教育課程や授業づくりに関する資料を提示できました。
 今後は、各教科等を合わせた指導における学習評価についての検討や、多
様で幅広い実態差のある集団での授業について、特別支援学校(知的障害)
の学習指導要領を超えた内容の指導が必要な場合も含めて検討していくこと
が必要と考えています。

○「知的障害特別支援学級担任のための授業づくりサポートキット
 (小学校編)すけっと(Sukett)」はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/study/others/disability_list/intellectual/sk-basket

○研究成果報告書はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/report_material/research_results_publications/specialized_research/b-362

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【5】高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ
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●高齢・障害・求職者雇用支援機構より「働く広場」9月号のご案内

 「働く広場」は、障害者雇用に取り組む企業事例を中心に、身近な障害者
雇用問題を取り上げた月刊誌です。成人期を迎えた障害者の働き方や、障害
者雇用を進める先進的な取組のヒントとして、ご覧ください。

○9月号(8月25日発行)の掲載内容
 コロナ禍で知的障害のある社員にもテレワークを導入した企業事例の紹介
、障害者雇用支援月間における絵画・写真コンテスト入賞作品 ほか

○最新号URL:https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/index.html

*最新号のホームページ掲載は9月6日(月)を予定しております。

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【6】NISEダイアリー
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         「あてレコのすすめ」

           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

 この夏は、新型コロナの感染が拡大し、旧盆時の里帰りの自粛などが話題
となった。その結果、「オンライン里帰り」などという言葉も耳にした。
動画を用いた故郷の祖父母とお孫さんとの意思疎通である。画面に映る祖父
母の笑顔が印象的だった。
 このように、携帯電話での通信では、音声に加えて添付するものが、写真
から動画へと推移してきたように思う。新型コロナの感染がもたらした変化
の一つかもしれない。
 携帯電話による近況報告においても、例えば、赤ちゃんの写真に留まらず
その動画などが多くなった。子供が1歳を過ぎると歩けるようにもなり、行
動が活発になる。写真ではその様子が伝え切れなくなり、動画を撮影して、
もっとリアルに子供の様子を伝えたいという思いが想像できる。
 先日届いた携帯電話の動画を眺めながら、気付いたことがある。それにつ
いて述べてみよう。先ずは、事の経緯から説明する。
 赤ちゃんが1歳3か月になり、家の中を自由に動き回るようになったよう
だ。それで危険防止のため、台所の入口に柵を設置した。ところが、たまた
ま扉の鍵が開いていたのだろう。赤ちゃんが自分で中に入り、内側から扉を
閉めて鍵がかかってしまったようだ。こんな場面での出来事である。
 赤ちゃんが両手で扉の格子をつかみ、半べその表情で何かを訴えている。
すると、お母さんが「自分で入ったんでしょ」と一言。その後、赤ちゃんが
「◇〇□▽・・♯!」と、何やら独り言を言っている。何か言い訳でもして
いそうな表情だ。それを感じたお母さんが、「こんなはずじゃなかったの?」
とあてレコし、更に「自分で鍵までがっちり閉めて」と自分の思いを付け加
えながら鍵を外して扉を開けてあげた。すると、赤ちゃんは表情も一変し、
柵の中から出て来て自分で扉を閉め、テレビの前に進み、画面に映るキャラ
クターを指差しながら、お母さんのご機嫌を取ろうとしていた。
 この動画を眺めながら、印象に残ったことは、赤ちゃんの独り言(喃語)に
上手にあてレコしてあげたお母さんの言葉だ。お母さんは、赤ちゃんの立場
になって、こんなことを言いたかったのだろうと想像しながら、咄嗟に言葉
にしている。日ごろの両者の関わりの賜物だ。発話が不明瞭な赤ちゃんも、
こうした相手の言葉を耳にしながら、次第に、場に応じた発言や気持ちの表
現を身に付けていくのであろう。
 このような場面を見ながら、聾学校での子供たちへの関わりを思い出した。
言葉を増やしたり、場に応じた言葉を身に付けさせたりするため、絵に吹き
出しを付けて言葉を書き入れさせたり、四コマ漫画のストーリーを書かせた
りしたことである。
 昔は、図や絵が主流だった。その後、VTRも普及したが、ビデオカメラは
まだ大型だった。今ではそれも小型になり、画質もよくなった。
 さらに、携帯電話での動画撮影も容易になり、それを手軽に知人に送付で
きるようになった。先の動画で、お母さんが子供の曖昧な言葉を即座に平易
な表現に変える作業は、まさしくあてレコである。「こんなことを言いたい
のだろう」と想像すること。そしてこれを繰り返すことは、子供への言葉の
指導に限らず、様々な指導に役立つのではないか。これからは、動画を見な
がら表現するあてレコも活用したいものである。

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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。
 
○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=63925&lang=ja
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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第174号(令和3年9月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
          ([アットマーク]を@にして送信してください。)

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