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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン第180号

メールマガジン

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      国立特別支援教育総合研究所(特総研)メールマガジン
         第180号(令和4年3月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【お知らせ】
・令和4年度前期免許法認定通信教育の受講募集スケジュールについて
・世界自閉症啓発デー2022イベントについて
【NISEトピックス】
・令和3年度国立特別支援教育総合研究所セミナー実施報告
・令和3年度発達障害教育実践セミナ―実施報告
・令和3年度「こころの病気のある子どもへの教育支援(Co-MaMe:こまめ)
 セミナー」実施報告
【特別支援教育関連情報】
・令和4年度特別支援教育関連予算案について
【高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ】
【NISEダイアリー】
【アンケートのお願い】

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【1】お知らせ
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●令和4年度前期免許法認定通信教育の受講募集スケジュールについて

 特総研では、3月28日(月)から、令和4年度前期免許法認定通信教育の
受講募集を開始いたします。開設科目は、次の通りです。

 開設科目:
  ○視覚障害児の心理、生理及び病理(1単位)
  ○聴覚障害児の心理、生理及び病理(1単位)
 受講資格:特別支援学校、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、
 高等学校又は中等教育学校等に勤務している教職員
 講習期間:令和4年5月9日(月)~令和4年8月19日(金)
 試験日:令和4年9月11日(日)
 受講募集期間:3月28日(月)~4月28日(木)

 受講を希望される場合には、募集開始と同時に下記ホームページに掲載す
る受講募集要項をご確認ください。

○令和4年度前期免許法認定通信教育の詳しい内容はこちら→
 http://forum.nise.go.jp/tsushin/boshu_yoko/


●世界自閉症啓発デー2022イベントについて

 毎年4月2日は、国連総会が定めた世界自閉症啓発デーです。特総研を含
む関係団体で組織された日本実行委員会では、自閉症に関する理解を広める
ことを目的として「世界自閉症啓発デーONLINE2022―輝く人・照らす人―」
を開催します。今年は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、
令和4年4月2日(土)より動画配信形式で開催します。
 本イベントでは、セサミストリートから「ジュリアのヘアカット」や、
「当事者メッセージ」として自閉症など発達障害の当事者が社会に対して
訴えたいメッセージなどをご紹介します。また、東京タワーブルーライト
アップの点灯式も実施する予定で、今年は初の試みとして点灯式の様子を
中心にライブ配信を行う予定です。
 これらのイベントの詳細等については、世界自閉症啓発デー・日本実行委
員会の公式サイトをご確認ください。

○世界自閉症啓発デー・日本実行委員会の公式サイトはこちら→
 http://www.worldautismawarenessday.jp
○世界自閉症啓発デー日本実行委員会の公式Twitterはこちら→
 https://twitter.com/waadjapan

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【2】NISEトピックス
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●令和3年度国立特別支援教育総合研究所セミナー実施報告

 令和4年2月5日(土)に令和3年度国立特別支援教育総合研究所セミナ
ーを無事に開催することができました。ZoomウェビナーとYouTubeライブ
配信を合わせて771名が参加、午後に実施した6つの分科会では112名から
最大205名の参加をいただきました。また、オンデマンドパートでは、障害
種別の研究活動等の動画を配信しており、本セミナーへ参加をお申込みの方
が1,000名を超えました。今回のセミナーは、特総研の第5期中期目標を
踏まえ「共生社会の形成に向けた特別支援教育の展開」をテーマと致しまし
た。ここでは当日のプログラムを振り返るとともに、まだご覧いただける
オンデマンドパートもご紹介します。
 セミナー当日は、開会式に先立ち、第35回辻村賞授賞式を行いました。
受賞者は、東京学芸大学名誉教授の松矢勝宏氏です。特設ページのオンデマ
ンドパートには、3月4日まで松矢先生の記念講演を掲載中です。
 開会式では、宍戸理事長より、一人一人が共生社会とは何か、自ら考える
ことが大切であるとの趣旨の挨拶に続いて、行政説明として文部科学省初等
中等教育局山田特別支援教育課長より、国の特別支援教育施策についてのお
話をいただきました。
 基調講演では、東京大学先端科学技術研究センター准教授で小児科医の
熊谷晋一郎氏に「共生社会の形成に向けた教育の展開 私が今後の特別支援
教育に期待すること」と題し、ご自身のお育ちや、ご経験の中から具体例を
挙げて、障害の社会モデルや、自立について貴重なご講演をいただきました。
 午後は、この基調講演を踏まえる形で、シンポジウムを行いました。
テーマに掲げた「活躍」「多様性」「社会モデルの考え方」そして「ICTへの
期待」など、シンポジストの方々からの熱心なご発表により、議論を深める
ことができました。
 シンポジウムの後、分科会別のZoomミーティングにより、特総研が実施
している重点課題研究及び障害種別特定研究チームによる6つのテーマの分
科会を開催し、全国の多くの方々にご参加いただくことができました。終了
アンケートでは、分科会についても、多くのご意見やご感想をいただきまし
た。
 さて、次年度の研究所セミナーは、より一層、参加された方々との対話を
充実すべく、対面での実施も含めた開催の検討を進めております。
 その他、特設ページのオンデマンドパートでは、特総研の事業紹介、研究
紹介を3月4日まで公開しております。1つのコンテンツは10分程の長さで
す。公開期間が残りわずかとなりますが、是非、ご視聴いただけることを願
っております。

○研究所セミナー特設ページはこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/training_seminar/special_seminar/r3


●令和3年度発達障害教育実践セミナ―実施報告

 令和4年1月27日(木)に「令和3年度発達障害教育実践セミナー」(以
下「セミナー」)をオンラインで開催しました。セミナーでは、過去2年間、
文部科学省と厚生労働省による「家庭と教育と福祉の連携『トライアングル
』プロジェクト報告(平成30年)」を踏まえた事業「特別支援教育担当教員
の資質向上に向けた人材育成プロジェクト(以下『人材育成プロジェクト』
)」の自治体の取組などを取り上げてきました。
 今年度は、その最終年度として、これまで検証してきた「研修コアカリキ
ュラム案」を活用した具体的な取組に焦点を当て、メインテーマを「発達障
害者支援を充実するための教育と福祉の合同研修の在り方の検討」としまし
た。都道府県・指定都市・中核市の教育委員会及び教育センターの研修担当
の指導主事に加え、福祉行政担当者や発達障害者支援センターの職員など福
祉の関係者からも幅広く参加を募りました。
 午前中は、人材育成プロジェクトに参加している9自治体(秋田県、福井
県、福井市、滋賀県、山口県、徳島県、宮崎県、宮崎市、川崎市)から、教
育と福祉の合同研修に関するそれぞれの取組を紹介していただきました。
 午後は、参加者参加型で情報交換会を行い、各自治体が現在進めている取
組や課題等について活発な意見交換を行いました。
 セミナーの最後には、『トライアングル』プロジェクトに関する事業を協
働で取り組んできた当研究所発達障害教育推進センターと国立障害者リハビ
リテーションセンター発達障害情報・支援センターの両センター長が、事業
の成果と課題についてまとめ、また、厚生労働省障害児・発達障害者支援室
発達障害施策調整官及び文部科学省 特別支援教育課特別支援教育調査官よ
り、それぞれ今後の展望についてご講話いただきました。
 当日は最大(YouTubeを含む)で約160機関のアクセスがあり、多くの皆様
にご参加をいただくことができました。アンケートでは、回答をいただいた
機関の98%以上から、プログラムのいずれの内容についても「とても参考に
なった」「やや参考になった」の評価をいただきました。

○令和3年度発達障害教育実践セミナーの詳細はこちら→
 http://cpedd.nise.go.jp/katsudo/seminar/r3


●令和3年度「こころの病気のある子どもへの教育支援(Co-MaMe:こまめ)
 セミナー」実施報告

 令和4年1月29日(土)に「令和3年度こころの病気のある子どもへの教
育支援(Co-MaMe:こまめ)セミナー」をオンラインにて開催しました。
 本セミナーは、昨年度に2回実施し、今年度は3回目の開催となりますが、
精神疾患・心身症、発達障害の二次的な障害等、こころの病気のある子ども
への多相的多階層支援(Co-MaMe)についての理解を深め、実際の支援に役
立てていただくことを目的としています。
 今年度は、小・中学校、高等学校、特別支援学校の教員や指導主事、遠く
は海外日本人学校からの参加を含め、134名の参加申し込みがありました。
 本セミナーでは、最初に「こころの病気のある子どもへの多相的多階層支
援(Co-MaMe)について」の講義を行い、令和3年6月の文部科学省「障害
のある子供の教育支援の手引」から「近年は、自閉症や注意欠陥多動性障害
と診断されていた子供が、うつ病や適応障害等の診断を受けて、年度途中に
特別支援学校(病弱)に転入してくることが増えている。」こと等の話題提
供を行い、こころの病気のある子どもへの支援の必要性とCo-MaMeの概要に
ついての説明を行いました。
 次に、「こころの病気のある子どもへの多相的多階層支援(Co-MaMe)の
実際」ということで、実際にCo-MaMeのアセスメントシートや整理用シート
を活用した演習と、それらをどのように子ども達の支援に活かすかの説明を
行いました。
 セミナー終了後に参加者の方からいただいたアンケートを読ませていただ
くと「一人ではなく、複数の人で児童生徒の実態を把握し、組織として支援・
配慮を意図的継続的に行っていけるようにしなければいけないと改めて感じ
ました。」や「支援のイメージ図も視覚的に分かりやすく話し合うのにとて
も効果的だと感じました。」「とても有意義な時間となりました。来週から
の指導・支援に役立てていきたいと思います。」という感想をいただきまし
た。
 本セミナーを通して、こころの病気のある子どもへの支援に関わられてい
る先生方がCo-MaMeを活用した支援を行っていただけることを期待しています。

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【3】特別支援教育関連情報
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●令和4年度特別支援教育関連予算案について

 令和4年度政府予算案の閣議決定に伴い、文部科学省において、本年1月、
予算案の発表資料が同省のWebサイトに掲載されました。
詳しくは下記をご覧ください。

○文部科学省が公表した内容はこちら→
 https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/h31/1412639_00004.htm
(特別支援教育関係は初等中等教育局の各資料をご覧ください)

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【4】高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ
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●高齢・障害・求職者雇用支援機構より「働く広場」3月号のご案内

 「働く広場」は、障害者雇用に取り組む企業事例を中心に、身近な障害者
雇用問題を取り上げた月刊誌です。成人期を迎えた障害者の働き方や、障害
者雇用を進める先進的な取組のヒントとして、ご覧ください。

○3月号(2月25日発行)の掲載内容
 2021年12月に東京都で開催した「第41回全国障害者技能競技大会(全国ア
ビリンピック)」の特集 ほか

○最新号URL:https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/index.html

*このご案内は教育現場と就労をつなぐために掲載しております。

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【5】NISEダイアリー
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         「線路はつづくよ どこまでも」
           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

 令和3年度の研究所セミナーが終わり、のんびりメルマガ3月号の話題を
考えていた時に、標記の言葉が頭に浮かんだ。これからの研究所の行末と重
なっていたのかもしれない。子どもが口ずさむ楽曲であるが、そのルーツは
どうか、具体的に調べてみることにした。すると、昭和37年に放送された
「みんなのうた」で用いられていたことが分かった。
 しかし、歌の背景は、それだけに留まらなかった。原曲は、「I've been
 Working on the Railroad」であり、19世紀半ばのアメリカにおける南北戦
争当時、大陸横断鉄道の建設労働者によって歌われた曲であった。日本語の
歌詞とは異なり、アメリカ西部にある山脈の厳しい地形や気候の中で、鉄道
の敷設に当たる人たちが、その過酷な労働を歌った曲であったようだ。
 ともかく、日本語の歌詞の方は、鉄道に乗って、見知らぬところへ旅をす
る子どもが、口ずさみたくなるような楽しい内容である。
 さて、話を元に戻すが、私が思い浮かべたのは、研究所のこれからである。
線路がどこまでも続くように、研究所も先々まで続いていって欲しいという
思いが、この歌を思い浮かべさせたのだろう。
 それでは、我が特総研には、どんな未来が待っているのだろうか。
 「線路はつづくよ どこまでも…」と歌われているが、線路は果たしてど
こまでも続くのだろうか。特総研の立ち位置(独立行政法人)を思い描きなが
ら、その務めを想像した。すると、それは、線路の中ほどで客車に乗って、
楽しく旅をする立場とは異なると思った。つまり、線路の先頭の方で、新し
い線路を敷設する役割なのかもしれないと考えた。勿論、単独でそれを行う
ものではない。所管している文科省等の行政機関や関係団体などの協力を
得ながら務めることではあるが、線路を敷設する仕事であることに変わりは
ない。それは、この歌の原曲のように、厳しい仕事であると思う。研究活動
や研修事業、情報収集・発信等を行うということは、特別支援教育における
新たな線路を敷設することと考えたい。日本語の歌詞のように、「ランラ、
ランラ、ランラ…」という気分では、行えないことかもしれないと思う。
 特別支援教育という線路の敷設は、誰かがやらなければならない仕事であ
る。そして、それが、特総研の仕事であると考えれば、特総研にも重大な役
割や存在意義があるということになる。さらに、その役割を務めるためには、
職員一人一人の心構えと意欲が求められる。自分のことを第一に考える人ば
かりでは、到底、この役割は果たせないと思う。自分のことをさておいても、
他人のことを優先できる資質が望まれる。それは、使命感でもあり、教育愛
でもある。
 また、特別支援教育の対象となる人たちは、なかなか自分の希望を明確に
主張できないことも考えられる。もしそうであれば、周囲の人々が想像する
しかない。障害のある子どもたちに関わる者に、想像力が求められる所以で
ある。このことは、日常の仕事を進めていく上でも欠かせないことである。
つまり、身近な人たちが何を考えているか、何に悩んでいるかは、話をする
こと以外では、想像して把握するしかないと思うからである。
 特総研は、特別支援教育という線路を敷設する仕事を担っているというこ
とを肝に銘じて、研究所の職員には、日々、努力して欲しいと期待する。

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 84号から連載してきました「NISEダイアリー」ですが、今号で最終回を迎
えることとなりました。宍戸理事長が徒然に感じたことをつづった「NISEダ
イアリー」は、子どもに寄り添うこと、関わること、理解すること、分かり
やすい指導をすることの重要性等を、教職員や研究所職員に向けて自身の経
験を踏まえて伝えるメッセージ性の高い内容が多く、読者の皆さまには、共
感を得られる内容も多かったのではないでしょうか。
 また、皆さまからは、アンケートを通して多くの感想をお寄せいただきま
した。「NISEダイアリー」をご愛読くださった皆様に感謝申し上げます。
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部

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【6】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。
 
○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=84241&lang=ja
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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第180号(令和4年3月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
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 【インクルDB】
  http://inclusive.nise.go.jp/

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  https://www.nise.go.jp/nc/training_seminar/online

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  http://forum.nise.go.jp/tsushin/

> 教育支援機器、教材について知りたいとき
  http://forum.nise.go.jp/ilibrary/

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  https://www.nise.go.jp/kenshuka/jokan/gallery/ichiran.html
 
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