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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第199号

メールマガジン

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      国立特別支援教育総合研究所(特総研)メールマガジン
         第199号(令和5年10月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
台風13号で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。
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■目次
【お知らせ】
・令和5年度研究所公開の参加申込み受付開始
・令和5年度特別支援教育推進セミナー(九州ブロック)申込受付について
・NISE研究レポート公開のお知らせ
【研究紹介】
・ICT等を活用した障害のある児童生徒の指導・支援に関する研究
【NISEトピックス】
・特別支援学校寄宿舎指導実践協議会の終了報告
・高等学校における通級による指導に関わる指導者研究協議会の終了報告
【連載コーナー】
・特別研究員だより〈第1回〉
【NISEエッセイ】
・研修を振り返って~自分に与えられた役割~
【高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ】
・「働く広場」10月号のご案内
【アンケートのお願い】

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【1】お知らせ
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●令和5年度研究所公開の参加申込み受付開始

 11月3日(金・祝)に開催する令和5年度研究所公開の参加申込み受付を
開始しました。
 研究所公開では、ユニバーサル野球体験会や生活支援研究棟見学ツアー、
あしたの教室でのICT機器の活用体験など、「体験」しながら障害のある子
供一人ひとりの教育的ニーズに対応する教育を学べ、障害理解を深めていた
だけます。
 お越しいただく際は、事前に参加申込みいただくと、入場がスムーズです
し、定員制の催しに申込みいただくことができます。
 皆様のご来場をお待ちしております。

○令和5年度研究所公開は、こちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/laboratory_release

●令和5年度特別支援教育推進セミナー(九州ブロック)申込受付について

 特別支援教育推進セミナーは、地域における特別支援教育の理解啓発を図
るため、教育委員会、特別支援教育センター、関係団体等及び大学と連携を
図りながら、インクルーシブ教育システム構築に向けて開催する事業です。
 本セミナーでは、昨今の教育課題に対応した特別支援教育に関する講義や、
実践発表、研究協議を行います。全国を6ブロック(北海道・東北ブロック、
関東甲信越ブロック、東海・北陸ブロック、近畿ブロック、中国・四国ブロ
ック、九州ブロック)に分け、参加者はブロック内の他の自治体や学校の参
加者と交流を図ることで、新たな視点や知見を広げる機会としていただけま
す。令和5年度は、9月14日(木)に中国・四国ブロック、同月15日(金)
に北海道・東北ブロックを対象に実施しました。11月24日(金)には九州ブ
ロックを対象に開催します。
 現在、令和5年度特別支援教育推進セミナー(九州ブロック)のお申込み
を受け付けております。立場の異なる視点からの講義があり、発達障害をよ
り理解いただける機会となるため、是非、ご参加ください。

○令和5年度特別支援教育推進セミナー(九州ブロック)は、こちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/snep-seminar/r5ko

●NISE研究レポート公開のお知らせ

 NISE研究レポートを特総研Webサイトに掲載しました。
 特総研は、特別支援教育のナショナルセンターとして、重点課題研究、障
害種別特定研究、基礎的研究活動、外部資金研究といった各種の研究に取り
組んでいます。NISE研究レポートは、特総研における各種の研究全ての概要
や成果について総覧できるものです。是非、ご覧ください。

○NISE研究レポートは、こちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/report_material/research_results_publications/research_report

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【2】研究紹介
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 ここでは、令和4年度に終了した研究課題について、研究概要並びに成果
報告をさせていただきます。

●ICT等を活用した障害のある児童生徒の指導・支援に関する研究
 ~特別支援学校におけるICT活用を推進するためのガイドの作成~
                       研究代表者:棟方 哲弥

 文部科学省のGIGAスクール構想をご存じでしょうか。「全ての人にグロー
バルで革新的な入口を」(Global and Innovation Gateway for All)とう
たって多様な子供たち(特別な支援を必要とする子供を含む)を誰一人取り
残すことなく、資質・能力を一層確実に育成できる教育ICT環境の実現を目
指しているものです。具体的には、全ての学校に高速通信回線と1人1台端
末、そして特別支援教育では障害の特性に対応した入出力装置の整備も行わ
れました。これまでの教育実践の蓄積にICTを活用することで、学習活動の
一層の充実、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を目指すもの
です。学校に端末等が多数整備されたことで活用の可能性が広がった一方で、
ICTの活用を推進するための校内体制の充実や校内研修の実施などが重要な
課題となりました。
 本研究は、令和3~4年度の重点課題研究として「ICT等を活用した障害
のある児童生徒の指導・支援に関する研究」をテーマに進めたものです。ま
ず、全国の都道府県教育委員会に依頼して、ICT活用に先進的に取り組んで
いる学校の情報を得て調査対象校を選定しました。そして、それらの学校が
どのようにして先進校となることができたのか、その実践の特色や成果につ
いて調査し、質的分析を行って、そのプロセスを明らかにしました。その上
で、これをもとに特別支援学校におけるICT等を活用した障害のある子供の
指導・支援を推進するための取組に関するガイドブック(ICT推進ガイド)
を作成したものです。
 このガイドブックには、研究で明らかになった19のチェック項目とそれに
対応した取組の実際が紹介されています。学校の管理職、校内のICT活用を
推進するリーダー的立場の教員の方が自校の長所や強み、そして課題等を把
握することで、今後重点的に取り組む必要がある事項の存在を確認した上で、
各学校のICT活用の推進、指導・支援の充実に活かせるように工夫したもの
です。また、学校現場での活用に加えて、教育委員会等が、地域の学校の強
みや課題を把握した上でICT活用推進のための指導助言や必要な施策を検討
するためのツールとしての活用も想定しています。特総研のWebサイトから
ダウンロードして活用して頂けると幸いです。

○ICT推進ガイドは、こちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/report_material/research_results_publications/specialized_research/b-378

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【3】NISEトピックス
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●特別支援学校寄宿舎指導実践協議会の終了報告
          
 令和5年8月22日(火)に令和5年度特別支援学校寄宿舎指導実践協議会
をオンラインとオンデマンドを併用して開催しました。
 各都道府県教育委員会等から推薦された82名の寄宿舎指導員の皆様が参加
しました。
 事前のオンデマンド配信では、「特別支援教育の充実について」をテーマ
に、特別支援教育の現状、新たな教育振興基本計画等を踏まえた最近の動向、
ICTの活用等について、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課課長補佐
嶋田孝次氏より行政説明をいただきました。
 当日は、オンラインで協議会を開催しました。日本体育大学名誉教授野村
一路氏から「寄宿舎生活における『余暇』について」をテーマに基調講演を
いただき、幼児児童生徒にかかわる私たち自身の主体的な問題意識として、
余暇の在り方について考える機会になりました。また、筑波大学附属久里浜
特別支援学校寄宿舎副指導員長中田明斗氏から「寄宿舎での取組と実践 知
的障害を伴う自閉症児の指導~発達段階を踏まえた指導と安心できる人を目
指して~」をテーマに実践報告していただきました。久里浜特別支援学校の
寄宿舎で取り組んでいる具体的な実践から、安心できる人についてまとめて
いただき、各部会別協議に向けた話題提供をしていただきました。
 各部会別協議では、視覚障害教育(3班)、聴覚障害教育(1班)、知的
障害教育(4班)、肢体不自由教育・病弱教育(2班)の計10班に分かれ、
「舎生の将来に向けて、豊かな寄宿舎生活を支えるための主体的な取組や工
夫等について」をテーマに協議が行われました。各班では、青森県、千葉県
の指導主事と特総研の研究職員が進行役を務め、各障害種別の特性に応じた
寄宿舎指導における取組や課題等について、活発な協議や情報交換を行うこ
とができました。協議の最後には、全国特別支援学校長会から推薦いただい
た8名の校長先生方から、これまでの御経験を踏まえた貴重な御助言をいた
だき、本協議会を盛会のうちに終えることができました。
 本協議会での、全国から集まった寄宿舎指導員の成果や、舎生の余暇につ
いて共に学び、協議や情報交換をした内容を、各地の寄宿舎の充実につなげ
ていただくことを願っております。
 今後とも、各地の寄宿舎指導の課題解決や充実に寄与できるよう、本協議
会に取り組んでまいります。
          情報・支援部 学校教育支援・連携担当:滑川 典宏

●高等学校における通級による指導に関わる指導者研究協議会の終了報告

 高等学校における「通級による指導」は、平成30年度に制度化されました
が、この「高等学校における通級による指導に関わる指導者研究協議会」は
その前年にあたる平成29年度から、特総研で開催されているものです。昨年
度はコロナ禍の影響を受けオンライン開催となりましたが、今年度は8月31
日(木)、9月1日(金)の2日間にわたる対面による開催となり、全国か
ら指導主事(36名)及び高等学校で通級による指導を担当する教員(41名)
の計77名が特総研に集まりました。
 今回の開催方法は対面となりましたが、オンライン開催と同様に特設サイ
トを開設し、協議会参加前に、文部科学省による行政説明や、通級による指
導に関する研究紹介を動画で視聴できるよう、学びの機会は残したものとな
りました。
 本協議会が始まってから7回目となる今年度は、改めて自立活動を参考に
した指導について考えようということになり、教員には「通級による指導の
理解啓発について」、指導主事には「自立活動を参考とした指導について」
というテーマを設定しました。
 1日目は、特任研究員の笹森洋樹氏から「高等学校における通級による指
導の成果と課題、今後に向けて」というタイトルで講演をいただき、その後、
岐阜県の教育委員会の指導主事と、宮崎県の高等学校の先生から、各テーマ
に沿った取組紹介を発表していただきました。さらに発表内容を踏まえ、笹
森氏と文部科学省特別支援教育調査官から、協議会のテーマにつながるコメ
ントをいただき、研究協議に向け、通級による指導意義について考える機会
となりました。その後、教育委員会と通級担当の先生が11班に分かれ、事前
レポートを活用した班別協議を行いました。
 2日目は、各班でテーマに応じた協議を行い、協議をした内容を発表・共
有しました。その後、個人作業と情報交換を行い、最後に文部科学省特別支
援教育調査官から2日間の講評をいただきました。
 久しぶりの対面開催となり、コロナ以前の協議会を思い出しながら運営を
進行する中、色々な課題に気づくこともありました。参加者のみなさまには、
ご不便をお掛けしたこともあったと思いますが、最後には参加者全員による
拍手で協議会を終えることができました。本協議会が、高校通級の充実に直
結するものになることを願いつつ、次年度も充実した協議会になるよう努め
たいと考えています。
                実施ワーキンググループ長:伊藤 由美

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【4】連載コーナー
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●特別研究員だより〈第1回〉

 今号より、特総研が取り組む重点課題研究の各チームの一員として研究に
参画し、各地域の課題の解決に向けた研究に取り組んでいる特別研究員の先
生方から、活動を紹介していただきます。

          「秋の風を感じて、久里浜」
        特別研究員 佐々木 晶子(青森県立八戸第二養護学校)

 久里浜に来て半年が経ちました。「コンビニが近くにない…」、「スーパ
ーまで遠い…」と途方に暮れていた4月のことが嘘のように、スーパーまで
の道のりは夕飯後のちょうどよい散歩コースとなり、夜には海の音を聞きな
がら眠りにつく生活に心地良さを感じています。
 さて、私は「特別支援教育に係る教育課程の基準等に関する研究」をテー
マとした教育課程研究チームに所属しています。本研究では次期学習指導要
領改訂の検討に向けた論点の整理を目的に、現在は文部科学省関連文書の整
理、先行研究に関連する文献レビューなどに取り組んでいます。
 現行の学習指導要領では、各教科等を合わせた指導を行う場合においても
各教科等の目標や目指す資質・能力を明確にすることなど、教科の視点を明
確にして取り組むことについて記載されています。これを受け所属校では、
今年度より教科別の指導を教育課程の中心に据えて新しい一歩を踏み出しま
した。これは青森県内では初めての試みとなります。転換点に立った所属校
の先生方の意識の変化や、全国各地で教科別の指導を実践している学校の情
報を収集することで、カリキュラム・マネジメントの視点から見た教科別の
指導の良さ、課題を整理し、今後の青森県の特別支援教育の発展に寄与でき
るよう、研究に邁進してまいります。

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【5】NISEエッセイ
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 今号は、令和元年度第三期特別支援教育専門研修を修了された佐藤茜先生
からお寄せいただきました。

      「研修を振り返って~自分に与えられた役割~」
                  立山町立立山中央小学校 佐藤 茜

 私が特総研の専門研修に参加したのは令和元年度第三期。新型コロナウイ
ルス感染症が出始めた頃でした。当初は、自分の専門性を高めることを目的
に参加しました。様々な分野の専門家による講義を聞いたり、仲間と情報交
換を行ったりする中で、この専門研修は「特別支援教育全体の専門性向上」
を図る役割を担う教員育成が目的だと気付きました。研修を終えたとき、
「貴重な研修に送り出してくださった富山県に恩返しをしたい!子供が輝く
未来を送ることができるように自分の役割を果たしたい!」と、強く思いま
した。
 あれから、4年。今回の原稿執筆依頼を機にこれまでの自分の取組を振り
返ることができました。若手の先生に研修を行ったり、困っている先生の相
談にのったり、自分にできることは積極的に取り組むようにしてきました。
また、富山県の特別支援の研究会では専門委員を担い、研修の企画・運営に
携わってきました。しかし、まだまだ、自分の役割を果たしている途中です。
一人でも多くの発達障害の子供が自分らしく生き生きと生活できるよう、特
別支援教育のさらなる向上を目指して自分に与えられた役割を果たしていき
たいと決意を新たにしました。

○富山県 立山町立 立山中央小学校のWebサイトは、こちら→
 https://tateyama-chuo-e.edumap.jp/

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【6】高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ
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●「働く広場」10月号のご案内

 「働く広場」は、障害者雇用に取り組む企業事例を中心に、身近な障害者
雇用問題を取り上げた月刊誌です。成人期を迎えた障害者の働き方や、障害
者雇用を進める先進的な取組のヒントとして、ご覧ください。

○10月号(9月25日発行)の掲載内容
 精密電子部品の加工などを行う、「可能性を限定しない」を社訓にだれも
が一緒に同じ仕事に取り組む職場を目指す企業の取材記事 ほか

○最新号URL:https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/index.html

*このご案内は教育現場と就労をつなぐために掲載しております。

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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。
 
○アンケートはこちら→
 https://forms.office.com/r/4BqE25YuKK
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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第199号(令和5年10月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
          ([アットマーク]を@にして送信してください。)

○研究所メールマガジンの利用(登録、解除、バックナンバーを含む)につ
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 【発達障害教育推進センターWebサイト】
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 【発達障害ナビポータル】
 https://hattatsu.go.jp/

>「合理的配慮」や「基礎的環境整備」の実践事例が知りたいとき
 【インクルDB】
 https://inclusive.nise.go.jp/

> インターネットで講義を聴講したいとき
 https://www.nise.go.jp/nc/training_seminar/online

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 http://forum.nise.go.jp/tsushin/

> 教育支援機器、教材について知りたいとき
 http://forum.nise.go.jp/ilibrary/
 
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