国立特別支援教育総合研究所メールマガジン第223号
国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第223号
メールマガジン
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国立特別支援教育総合研究所(特総研)メールマガジン
第223号(令和7年10月号)
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台風第15号により被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
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■目次
【お知らせ】
・第8回 広島大学・特総研ジョイントセミナー開催日程のご案内
・令和7年度研究所公開の参加申込み受付開始
【NISEトピックス】
・特別支援学校寄宿舎指導実践協議会実施報告
・高等学校における通級による指導に関わる指導者研究協議会実施報告
・国立特別支援教育総合研究所リポジトリのご紹介
【NISEエッセイ】
・~特別研究員だより~
【高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ】
・「働く広場」10月号のご案内
・第33回職業リハビリテーション研究・実践発表会参加者募集のお知らせ
【アンケートのお願い】
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【1】お知らせ
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●第8回 広島大学・特総研ジョイントセミナー開催日程のご案内
本セミナーでは、国内外の研究者・実践者をお招きし、「すべての人が包
み込まれ、幸せに暮らせる社会(インクルージョンとウェルビーイング)」
の実現に向けて、分野を超えた対話を行います。今回は「政策・研究・実践
をつなぐ」をテーマに、障害のある人の生活を支える教育制度のあり方、地
域での暮らしへの支援、そして異なる分野の連携によって広がる可能性につ
いて、さまざまな立場から考え、語り合います。是非、ご参加ください。
日時:令和7年10月12日(日)10時30分~16時30分(開場:10時)
会場:広島国際会議場
テーマ:「インクルージョンとウェルビーイングのためのシステム変革
―政策から実践へ、学術的対話を通じてー」
内容:
【話題提供】
インクルーシブな教育システムの実現に向けて
~日本の政策・研究・実践の現状と展望~
清重隆信(特総研 理事)
【基調講演1】
ウェルビーイングの格差とインクルージョンの社会的基盤
ウメシュ・シャルマ氏(ノッティンガム大学寧波校 副学長)
【基調講演2】
障害のある人の高齢化
~研究・実践・政策へのインクルーシブなアプローチ~
タマー・ヘラー氏(イリノイ大学シカゴ校 所長・特別教授)
【基調講演3】
インクルーシブなウェルビーイングのための政策システムの再構築
~構想から実践へ~
ロミーナ・ボアリーニ氏(フランスOECD センター長)
【講演】
包括的なウェルビーイングの実現に向けた共創
~教育・福祉・政策の接続と未来志向の実践~
川合紀宗氏(広島大学 教授)
【パネルディスカッション】
インクルージョンとウェルビーイングをつなぐ
~共生社会の実現に向けた対話~
〇申込みはこちら→
https://www.nise.go.jp/nc/news/2025/0918
●令和7年度研究所公開の参加申込み受付開始
11月8日(土)に開催する令和7年度研究所公開の参加申込み受付を開始
しました。
研究所公開では、特別支援教育について考える講話や、盲ろう児への支援
を学び、体験する生活支援研究棟ツアー、ICT機器の活用体験など多くの企
画を通じて、障害のある子供一人ひとりの教育的ニーズに対応する教育を学
び、障害理解を深めていただけます。
Webサイトより事前に参加申込みいただくと、入場がスムーズです。皆様
のご来場をお待ちしております。
■日時:令和7年11月8日(土)10時~15時30分
■場所:国立特別支援教育総合研究所
(神奈川県横須賀市)
■参加費:無料
〇令和7年度研究所公開の申込みは、こちら→
https://www.nise.go.jp/nc/laboratory_release
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【2】NISEトピックス
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●特別支援学校寄宿舎指導実践協議会実施報告
情報・支援部 学校教育支援・連携担当 滑川 典宏
令和7年8月20日(水)に令和7年度特別支援学校寄宿舎指導実践協議会
を開催しました。文部科学省の行政説明をオンデマンドで配信し、午前中の
基調講演及び実践発表を対面及びオンラインで全国の寄宿舎指導員の皆様が
視聴できるように配信しました。対面では各都道府県教育委員会等から推薦
された43名、オンラインでは約800名を超える寄宿舎指導員の皆様が参加しま
した。
事前のオンデマンド配信による行政説明では、「特別支援教育の充実につ
いて」をテーマに、特別支援教育の現状、特別支援教育の最近の動向、ICT
の活用、中央教育審議会における審議、寄宿舎指導員に求められること等に
ついて、文部科学省 初等中等教育局 特別支援教育課課長補佐 堀江菜津
子氏より説明していただきました。配信は、9月5日まで実施し、より広く
共有できるようにしました。
当日の午前中は、対面及びオンラインで協議会を開催しました。和歌山県
立紀北支援学校 教頭 道上里砂氏による「寄宿舎指導員が大切にしている
こと~寄宿舎指導員の資質能力、専門性について~」をテーマとした実践報
告が行われました。本報告では、和歌山県の寄宿舎の現状、異なる障害種の
児童生徒が寄宿舎で共同生活する利点、そして共生社会の実現に向けた寄宿
舎教育の課題について説明がありました。また、寄宿舎指導員の資質向上を
目的とした年間12回の合同研修等を踏まえ、今後求められる寄宿舎指導員の
役割や必要な能力についてお話をいただきました。
基調講演では、筑波大学附属学校 教育局 特任教授 萩庭圭子氏をお招
きし、「寄宿舎指導員の資質能力、専門性について」を主題にご講演いただ
きました。萩庭氏は、寄宿舎指導員の方々によるレポートを参照しつつ、寄
宿舎指導員に求められる専門的資質及び能力について、ご自身の豊富な経験
をもとに具体的にお話をいただきました。講演は、今後の寄宿舎指導員の専
門性の更なる充実を図るための課題認識を深める機会となりました。
また、午後は、対面参加者による各部会別協議が行われました。視覚障害
教育(2班)、聴覚障害教育(2班)、知的障害教育(2班)、肢体不自由
教育・病弱教育(1班)の計7班に分かれ、「寄宿舎指導員の資質能力及び
専門性として大切にしていること」をテーマに協議が行われました。各班で
は、特総研の研究員が進行役を務め、各障害種別の特性に応じた寄宿舎指導
における取組や課題等について、活発な協議や情報交換が行われました。協
議の最後には、千葉県立千葉盲学校 校長 浅沼千鶴氏、神奈川県立平塚ろ
う学校 校長 杉﨑郁夫氏、茨城県立友部特別支援学校 校長 鈴木和子氏、
千葉県立仁戸名特別支援学校 校長 日下奈緒美氏から、これまでのご経験
を踏まえた貴重な助言をいただき、本協議会を盛会のうちに終えることがで
きました。
本協議会で、全国から集まった寄宿舎指導員の皆様が学んだ成果を、各地
の寄宿舎の充実につなげていただくことを期待しております。
結びとなりますが、本研究協議会は、全国特別支援学校長会の御協力の下、
同校長会との連携研修として実施しております。協議会助言者の御推薦など、
様々な面から同校長会の御支援を賜わりましたことに、この場をお借りして、
厚くお礼申し上げます。
今後とも、各地の寄宿舎指導の課題解決や充実に寄与できるよう、本協議
会に取り組んで参る所存です。
●高等学校における通級による指導に関わる指導者研究協議会実施報告
実施ワーキンググループ長 滑川 典宏
高等学校における「通級による指導」は平成30年度に制度化され、本協議
会はその前年である平成29年度から特総研で開催されています。令和6年度
には対面開催に戻りましたが、台風10号の影響により急遽オンラインで開催
されました。本年度は、指導主事29名と通級担当教員53名の計82名が対面で
参加することができました。
今年度も特設サイトを開設し、協議会参加前に文部科学省による行政説明
や特総研の研究成果の紹介を動画で視聴できるようにしました。協議会後も
特設サイトを活用して振り返りに利用していただけたらと思います。
協議会1日目は、群馬県教育委員会 特別支援教育課 指導主事 坂本大
氏より、「県立高等学校等における『通級による指導』~生徒の気持ちに寄
り添う『ぐんま方式』~」、群馬県立前橋高等学校 高校通級担当教諭 富
所里美氏からは、「県立高等学校・中等教育学校における巡回による通級指
導 生徒の気持ちに寄り添う『ぐんま方式』の実際」というタイトルで群馬
県での取り組みを紹介していただきました。「ぐんま方式」がどのような経
緯で導入されていったのか、具体的な指導の様子を含めて丁寧にお話をいた
だきました。シンポジウムでは、特総研の井上総括研究員より、今後の通級
による指導の展開等について、質疑応答が行われ、より具体的な内容に触れ
ながら、協議につながる話がありました。後半は、教育委員会と通級担当教
員が11班に分かれ、事前に提出されたレポートを活用し、情報交換と協議を
行いました。2日目は、前日に続き協議を行い、その内容を指導主事グルー
プと通級担当グループに分かれ、発表・共有しました。
最後に文部科学省 特別支援教育課 特別支援教育調査官(発達障害教育
担当)近藤修史氏から2日間の講評をいただき終了となりました。
本協議会は、皆様方のおかげで円滑に終了しましたことを深く感謝申し上
げます。本協議会へのご参加が、各地域における高等学校における通級によ
る指導の更なる充実・発展に寄与することを心より期待しております。
●国立特別支援教育総合研究所リポジトリのご紹介
「国立特別支援教育総合研究所リポジトリ」は、特総研の研究紀要や研究
成果等の著作物を検索したりダウンロードしたりすることができます。著作
物をインデックスで分類して表示ができるため、同じ分類の資料を一覧で見
ることができ、探している資料に加えて関連のある資料も発見しやすい仕組
みになっています。
例えば、[研究成果報告書等]>[トピック]のインデックスでは、研究成果
報告書をテーマ別に分類しています。また、[障害の種類]のインデックスで
は障害種別に著作物を分類しています。是非、ご活用ください。
〇国立特別支援教育総合研究所リポジトリはこちら→
https://nise.repo.nii.ac.jp/
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【3】NISEエッセイ
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~特別研究員だより~
「子供たちを思い浮かべながら」
特別研究員 真野 光生(静岡県松崎町立松崎小学校)
特総研に来て、半年が経ちました。子供たちに会えない生活は、今までの
教員生活では考えられないことで、寂しさを感じることもありますが、その
一方で、子供たちを思い浮かべながらワクワクした気持ちで「多様な教育的
ニーズのある児童の主体的な学びの充実に関する研究」に取り組んでいる自
分もいます。先日、所属校で通常学級担任の先生方を対象に、子供の「主体
的な学び」について、先生方が大切にしている視点や抱えている課題を把握
することを目的に、聴き取り調査を行いました。現在はその分析に取り組ん
でいます。「子供が興味をもつための発問に重きを置いている」、「振り返
りをして子供自身が考えられるようにしている」、「子供の児童理解を大切
にして、主体的な学びを促そうとしている」と、先生方から様々な意見を伺
うことができました。様々な意見があるからこそ、一人一人の先生方の得意
なことや考えていることを活かせるように、チームで話し合う時間を設ける
ことが大切なのではと考え、学年団でのミニ校内委員会の実施を検討してい
ます。聴き取り調査は、初めての経験で緊張しましたが、所属校の先生方の
ご協力のおかげで、とても良い経験をさせていただきました。これからも子
供たちを思い浮かべながら、研究に邁進していきます。
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【4】高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ
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●「働く広場」10月号のご案内
「働く広場」は、障害者雇用に取り組む企業事例を中心に、身近な障害者
雇用の情報を取り上げた月刊誌です。成人期を迎えた障害者の働き方や、障
害者雇用を進める先進的な取組のヒントとして、ご覧ください。
○10月号(9月25日発行)の掲載内容
銀行の事務センターで、職場の意識改革を図り障がいのある職員への指導
や工夫を重ね、多様な業務で活躍の場を増やしている企業の事例など
○最新号についてはこちら→
https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/index.html
*このご案内は教育現場と就労をつなぐために掲載しております。
●第33回職業リハビリテーション研究・実践発表会参加者募集のお知らせ
独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、職業リハビ
リテーションに関する研究成果等を広く各方面に周知するとともに、参加者
相互の意見交換や経験交流を目的として、「職業リハビリテーション研究・
実践発表会」を毎年開催しています。
今年(第33回)は、11月12日(水)および13日(木)の2日間、東京ビッ
グサイトにて開催を予定しており、現在Webサイトにて参加申込みを受け付け
ています(参加費:無料)。申込締切は令和7年10月13日(月・祝)13時ま
でで、定員に達したプログラムから順次締め切りとなります。参加をご希望
の方は、どうぞお早めにお申込みください。
〇ご案内はこちら→
https://www.nivr.jeed.go.jp/vr/news/vrhappyou33-history.html
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【5】アンケートのお願い
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今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。
○アンケートはこちら→
https://forms.office.com/r/txwBDcyiDv
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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第223号(令和7年10月号)
発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
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【発達障害教育推進センターWebサイト】
https://cpedd.nise.go.jp/
【発達障害ナビポータル】
https://hattatsu.go.jp/
>「合理的配慮」や「基礎的環境整備」の実践事例が知りたいとき
【インクルDB】
https://inclusive.nise.go.jp/
> インターネットで講義を聴講したいとき
https://www.nise.go.jp/nc/training_seminar/online
> 免許法認定通信教育について
https://forum.nise.go.jp/tsushin/
> 教育支援機器、教材について知りたいとき
https://kyozai.nise.go.jp/
> NISE基金について
https://www.nise.go.jp/nc/fund
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