HOME > 広報 > メールマガジン > 最新号・ バックナンバー > 国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第234号(令和8年9月号)

国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第234号(令和8年9月号)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
国立特別支援教育総合研究所(特総研)メールマガジン
第234号(令和8年9月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━

令和8年8月に各地で発生した豪雨災害により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■目次
【1】お知らせ
  ●研究成果報告書(令和7年度終了課題)公開のお知らせ
【2】NISEトピックス
  ●特別支援教育におけるICT活用に関わる指導者研究協議会終了報告
【3】NISEの活動紹介
  ●令和8年度のウェルビーイングS&Iセンターの活動について
【4】研究紹介
  ●通常の学級に在籍する子供への個に応じた指導・支援に関する研究
【5】特別支援教育関連情報
  ●第4回インクルーシブ教育教材コンテスト、応募受付中です!
【6】NISEエッセイ
  ●~研修を振り返って~
【7】高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ
  ●「働く広場」9月号のご案内
  ●第34回職業リハビリテーション研究・実践発表会参加者募集のお知らせ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】お知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●研究成果報告書(令和7年度終了課題)公開のお知らせ

令和7年度に終了した「重点課題研究」4課題、「障害種別特定研究」1課題について、
「研究成果報告書」を特総研リポジトリで公開しています。
重点課題研究は、「障害種の枠を超えて、国の特別支援教育政策の推進、
又は教育現場等の喫緊の課題の解決に寄与する研究」、
障害種別特定研究は、「各障害種における喫緊の課題の解決に寄与する研究」
という位置づけで、
特総研の全研究職員が下記のいずれかの研究チームに所属し、組織的に取り組んできました。

<令和7年度終了「重点課題研究」>
・特別支援教育に係る教育課程の基準等に関する研究(令和5-7年度)

・多様な教育的ニーズのある子供の学びの場の充実に関する研究 
 -通常の学級に在籍する子供への指導・支援に焦点を当てて-(令和5-7年度)

・共生社会の担い手を育む教育に関する研究-障害理解教育の検討を中心に-
 (令和5-7年度)

・障害のある児童生徒のキャリア教育の充実に関する研究 
 -特別支援学校における「キャリア・パスポート」の作成・活用の現状と展望-
 (令和6-7年度)

<令和7年度終了「障害種別特定研究」>
・肢体不自由教育におけるICTの活用に関する研究(令和5-7年度)

研究成果報告書は、各研究チームが所外の研究協力機関や研究協力者の協力のもと、
調査や実践研究等に取り組み、その成果をまとめたものです。
教育委員会、教育センター、各学校等における業務・教育実践等にお役立ていただければ幸いです。
また、上記5課題も含め、特総研の各研究の概要や成果を総覧できる「NISE研究レポート」も公開していますので、ぜひご活用ください。

○研究成果報告書はこちら→ 
 https://nise.repo.nii.ac.jp/search?page=1&size=20&sort=-pyear&search_type=2&q=1715590769418

○NISE研究レポートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/study/research_report/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【2】NISEトピックス
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●特別支援教育におけるICT活用に関わる指導者研究協議会終了報告

7月23日・24日(第1回)及び30日・31日(第2回)に、
特総研において「令和8年度 特別支援教育におけるICT活用に関わる指導者研究協議会」を開催しました。

対面での集合研修とオンデマンド研修を組み合わせた形式で、
ICT活用について指導的立場にある全国の教員や指導主事ら約100名(各回約50名)が参加しました。
各地域における指導・支援の充実を図るため、日頃の実践に関する情報交換や研究協議等を通して、教育支援機器等の活用に関する専門的知識を深めました。

今年度の大きな特色は、教育現場からの要望が非常に高かった「生成AIの特別支援教育における活用」を取り上げた点です。
埼玉県立越谷西特別支援学校 佐藤裕理教諭からは障害特性に応じた生成AIの実践事例が紹介され、
受講者からは「2学期からすぐに使える実践的な内容だった」との声が寄せられました。

また、つくば市教育委員会とつくば市立みどりの学園義務教育学校による、
行政と学校現場が一体となって「すべての子供の学びを支える」ICT活用に関する取組の発表に対しても、
「教育委員会と学校現場の両輪がかみ合ってこそ最大限の成果が出ると実感した」といった感想が寄せられました。

ICTや生成AIは、子供たちの学びや自立を支える「手段」にすぎません。
しかしながら、協議会の中で「目の前の一人一人の子供の学習や生活上の困難さに対し、テクノロジーをどう最適化できるか」を議論する過程は、
「どのような子供を育てたいのか」「資質・能力を育てるために、どのように活用できるのか」という教育の核心に迫る時間となりました。
最新技術という手段を媒介に、教員自身が自らの指導観や教育目標を捉え直す機会にもなったと感じています。

受講者からも、「使うことが目的ではなく、実態や目標に応じた手段として考える重要性を再認識した」「そのまま真似るのではなく、実態把握から適切に改変して活用したい」といった、特別支援教育が従来から大切にしている本質を捉えた意見が多く聞かれました。

新しい技術の導入に身構えてしまう場面もあるかもしれませんが、
何より確かな基盤となるのは、先生方が日々培ってこられた「子供たちへの深い理解と情熱」です。そこにテクノロジーが掛け合わさることで、子供たちの可能性が大きく拓かれます。

本協議会の成果を振り返りながら、今後も特別支援教育の本質に迫る充実した研修を企画・実施してまいります。
         
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【3】NISEの活動紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●令和8年度のウェルビーイングS&Iセンターの活動について

〈執筆〉ウェルビーイングS&Iセンター
 
ウェルビーイングS&Iセンターは、今年4月に開設された新しい組織です。
平成28年4月以来10年間活動してきましたインクルーシブ教育システム推進センターの
業務内容を引き継ぐとともに、
教育現場の課題に柔軟かつ機動的に対応した研究、研修、情報発信の機能を持つセンターです。
国の政策立案・施策推進に直接寄与するとともに、研修事業や情報普及事業とも有機的な関連を図りながら、その成果を教育現場に還元し、共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムの構築に寄与することをミッションとしています。

ここでは、ウェルビーイングS&Iセンターが今年度取り組んでいる主な業務についてご紹介します。

1.地域共創事業:
令和3年度から令和7年度までの5年間、教育委員会等と特総研が連携して地域のインクルーシブ教育システム構築を推進する「地域支援事業」を実施してきました。
その成果をさらに発展させるため、令和8年度から、「地域共創事業」を展開しています。
本事業では、多層的・重層的な支援体制や連携協働の在り方等について、
特総研が研究成果を生かしながら、自治体とともに検討を進め、インクルーシブ教育システム構築を推進します。
なお、これまでの「地域支援事業」の成果は、『地域支援事業報告書』として特総研のWebサイトに掲載していますので、ご活用ください。

2.インクルDB:
インクルーシブ教育システム構築に関連する様々な情報を広く提供する目的で公開しています。
このうち「合理的配慮の実践事例データベース」には、
実際に教育現場で提供された590の合理的配慮の事例を掲載しています。
この他、教育委員会の研修におけるインクルDBの活用事例や、医療的ケアが必要な乳幼児への保育事例等を掲載しています。
近年、インクルDBへのアクセス件数が増加し、事例のダウンロード数は月平均1万件を超えています。合理的配慮に対する関心の高さがうかがわれます。
こうした状況を踏まえ、インクルDBをより一層身近なものにしていただくために「インクルDBセミナー」を毎年開催しています。
これまでのセミナーの動画も公開していますので、ご覧ください。
今年度のセミナーは12月16日(水)にオンラインで開催を予定しています。
詳細は、このメルマガや特総研のWebサイト等でお知らせします。

3.国際に関する業務:
アメリカ、韓国、オーストラリア、イギリス、ドイツ、フランス、フィンランド、スウェーデンの8か国を対象に継続的に特別支援教育の動向を把握しています。
各国の特別支援教育を専門とする大学等の研究者の方々を特任研究員に委嘱し、情報収集や資料作成等のご協力をいただいています。
収集した資料は毎年「国立特別支援教育総合研究所ジャーナル」で公開しています。
海外の研究機関との交流も行っています。
韓国国立特殊教育院とは、毎年、「日韓特別支援教育協議会」を実施しておりますが、
今年度は『教育から社会へつながる支援と連携について』をテーマとして、
9月16日(水)に特総研で実施します。オンラインで配信を行いますのでご参加ください。
また、フランス国立インクルーシブ教育高等研究所とは、令和7年3月に研究協力・交流の協定を締結し研究交流を進めています。

4.教育現場の課題に柔軟かつ機動的に対応した研究、研修、情報発信:
センター内に以下のプロジェクトチームを設置し、それぞれの課題に取り組んでいます。

・盲ろうプロジェクトチーム:盲ろうの幼児児童生徒を対象とした教育にかかる研究、研修、情報発信を行います。

・強度行動障害プロジェクトチーム:強度行動障害のある児童生徒を対象とした教育にかかる研究、研修、情報発信を行います。

・キャリアプロジェクトチーム:障害のある児童生徒を対象としたキャリア教育にかかる研究、研修、情報発信を行います。

○ウェルビーイングS&Iセンターの事業についてはこちら→
 https://www.nise.go.jp/wsi/

○「地域支援事業報告書」はこちら→
 https://www.nise.go.jp/wsi/regional_support/

○インクルDBはこちら→
 https://inclusive.nise.go.jp/

○国際に関する情報はこちら→
 https://www.nise.go.jp/wsi/international_index/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【4】研究紹介
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●通常の学級に在籍する子供への個に応じた指導・支援に関する研究

―通常の学級を基盤とする「重層的な指導・支援」の充実を目指して―

先生方のクラスには、学習面や行動面など、多様な教育的ニーズのある子供が在籍しているのではないでしょうか。
一人一人の実態に応じた指導・支援をどのように充実させていくかは、多くの子供が学ぶ通常の学級における大切な課題の一つです。

特総研では、今年度より「通常の学級に在籍する子供への個に応じた指導・支援に関する研究」をスタートしました。

本研究では、通常の学級での指導・支援を基盤としながら、通級による指導や特別支援学級等、
それぞれの学びの場の役割や専門性を生かし、必要な指導と適切な支援を関連付ける「重層的な指導・支援」に着目します。

5年間の研究期間のうち前半の2年間は、全国の小・中学校等を対象とした調査や学校の実践事例の分析等を通して、現場の課題を把握するとともに、指導・支援を充実させるための取組や実践モデルを検討します。
後半の3年間は、前半で得られた成果を生かし、教育委員会や学校とともに実践と改善を重ねます。

研究成果は、先生方が日々の指導・支援に生かせる具体的な方法や工夫として発信していく予定です。
子供一人一人の学びの充実につながる研究を目指してまいります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【5】特別支援教育関連情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●第4回インクルーシブ教育教材コンテスト、応募受付中です!

全日本学校教材教具協同組合では、インクルーシブ教育の推進と特別支援教育の充実を図るため、
学校現場で先生方が制作・活用されている教材のコンテストを実施しています。
(後援:文部科学省、筑波大学、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所)

募集期間は、10月16日(金)18時までとなっております。

〇詳細はコンテストWebサイトをご覧ください。→  
 https://inclu-kyouzai.com/#frontpage

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【6】NISEエッセイ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●~研修を振り返って~             
 ―違っていても、願う思いは同じ―

〈執筆〉
 山口県立徳山総合支援学校  花田大吾
 (令和7年度第一期特別支援教育専門研修修了)

特総研は、特別支援教育に携わる私にとっていつか必ず訪れたいと志していた場所でした。
専門研修が始まり、全国各地の学校や園から参加されている先生方と出会いました。
先生方と、それぞれの現場での模索や葛藤、理想はあってもうまくいかなかった経験を
語り、分かち合う中で、
「同じ思いの仲間がいる」そう思える瞬間が何度も訪れました。
そして、インクルーシブ教育システムの充実は元より、障害のある子どもたちやそのご家族を支えるサポーターとして共に歩んでいけると確信しました。
今でも出会った全国の先生方とは、長年の同志のような絆を感じています。

体系的かつ先駆的な研修プログラムは、私たちが求めていた知見に満ちていました。
毎講義後には講師を囲む質問の長蛇の列ができ、先生方はその切実な問い一つひとつに親身に応えてくださいました。
そのお姿や言葉は、今も私たちの背中を押し続けてくれています。

私は現在、山口県で地域コーディネーターを担当しています。
専門研修で学んだのは、「どんなフレームや立場の違いがあっても、子どもたちの幸せを願う思いは同じ」ということです。
そして、私たちの原点である「子どもとともに」この言葉をいつも胸に留めて、子どもたちの成長の瞬間に携わらせていただいています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【7】高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●「働く広場」9月号のご案内

「働く広場」は、障害者雇用に取り組む企業事例を中心に、身近な障害者雇用の情報を取り上げた月刊誌です。
成人期を迎えた障害者の働き方や、障害者雇用を進める先進的な取組のヒントとして、ご覧ください。

○9月号(8月25日発行)の掲載内容
金具部品の組立工場における、障害のある従業員でも安心して働くことのできる環境整備のための、改善活動や多能工化に取り組んでいる事例 ほか

○最新号についてはこちら→
 https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/index.html

●第34回職業リハビリテーション研究・実践発表会参加者募集のお知らせ

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、
職業リハビリテーションに関する研究成果等を広く各方面に周知するとともに、
参加者相互の意見交換や経験交流を目的として、「職業リハビリテーション研究・実践発表会」を毎年開催しています。
今年(第34回)は、11月4日(水)および5日(木)の2日間、
東京ビッグサイトにて開催を予定しており、現在Webサイトにて参加申込みを受け付けています(参加費:無料)。
申込締切は令和8年10月5日(月)13時までで、定員に達したプログラムから順次締め切りとなります。
参加をご希望の方は、どうぞお早めにお申込みください。

〇Webサイトはこちら→
 https://www.nivr.jeed.go.jp/vr/news/vrhappyou34-history.html

*このご案内は教育現場と就労をつなぐために掲載しております。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次号も是非ご覧ください。
「メールマガジン」へのご意見・ご感想はこちら

国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第234号(令和8年9月号)
〈発行元〉
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
E-mail:a-koho[アットマーク]nise.go.jp
([アットマーク]を@にして送信してください。)

○研究所メールマガジンの利用(登録、解除、バックナンバーを含む)についてはこちら→
 https://www.nise.go.jp/publicity/mail_mag/

- リンク集 --*-

> 特総研Webサイト
 https://www.nise.go.jp/

> 特総研LINE公式アカウント
 https://page.line.me/126vsvuc

> 特総研X公式アカウント
 https://x.com/nise_japan

> 特総研Instagram公式アカウント
 https://www.instagram.com/nisejapan

> 発達障害の情報を知りたいとき
 【発達障害教育推進センターWebサイト】
 https://cpedd.nise.go.jp/
 【発達障害ナビポータル】
 https://hattatsu.go.jp/

>「合理的配慮」や「基礎的環境整備」の実践事例が知りたいとき
 【インクルDB】
 https://inclusive.nise.go.jp/

> インターネットで講義を聴講したいとき
 https://www.nise.go.jp/training_seminar/online/

> 教育支援機器、教材について知りたいとき
 https://kyozai.nise.go.jp/

> 免許法認定通信教育について
 https://forum.nise.go.jp/tsushin/
 
> NISE基金について
 https://www.nise.go.jp/about_nise/fund/

-*-