研究概要
障害者の権利に関する条約の批准に向けて、文部科学省は共生社会の形成に向けてインクルーシブ教育システムの構築を進めるに際し、平成25年度に従来の障害のある子供の就学先決定の仕組みを改め、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、専門的見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとした。しかしながら、制度改正の趣旨が十分に浸透しておらず、必ずしも適切な就学先決定や学びの場の選択となっていない場合もある。
そこで本研究は、インクルーシブ教育システムの構築の一層の推進に向けて、令和4年8月に行われた障害者権利委員会の第1回政府報告審査における指摘も念頭に、市区町村教育委員会における支援体制の構築の在り方について検討することを目的とする。
具体的には、市区町村教育委員会が行っている教育相談、教員研修、指導訪問等の学校支援、都道府県教育委員会が市区町村教育委員会及び教育現場に対して講じている施策の内容や体制等について調査を行い、通常の学級の包摂性、教師の特別支援教育に関する専門性、デジタル学習基盤の活用や合理的配慮の提供といった要素について、相互の関係性や就学先決定への影響を分析する。
研究の前半(令和8年度から令和9年度を想定)にかけては、量的な調査により情報を把握・整理・分析し、研究の後半(令和10年度から令和11年度を想定)においては、前半の分析結果をもとにインクルーシブ教育システムの構築が進んでいる市区町村の事例を収集・整理し、ガイドブックにまとめる。
