国立特別支援教育総合研究所メールマガジン第178号
メールマガジン
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国立特別支援教育総合研究所(特総研)メールマガジン
第178号(令和4年1月号)
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■目次
【新年のご挨拶】
【お知らせ】
・令和3年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの開催について
・オンライン研究所公開を開催中(1月31日まで)
【NISEトピックス】
・令和3年度難聴児の切れ目ない支援体制構築と更なる支援の推進に向けた
地区別研究協議会の実施報告
【高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ】
【NISEダイアリー】
【アンケートのお願い】
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【1】新年のご挨拶
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令和4年を迎えました。クルーズ船での発生をきっかけとして、「新型コ
ロナウイルス感染症」という言葉を耳にしてから、丸2年が経とうとしてい
ます。マスクや手洗い、換気などの感染予防策に気を遣うようになり、ワク
チン接種に一安心したり、新しい生活様式が唱えられ、クラスターやオンラ
イン授業などの新たな言葉が用いられたりするようになりました。
特総研は、こうした中で、昨年、創立50周年を迎えました。
台風という予期せぬ来客がありましたが、10月1日にオンラインで式典を
行うなどして、来し方を振り返りました。これも、これまで特総研を支えて
いただきました特別支援教育関係の方々のご協力の賜物と心から感謝いたし
ます。
新しく迎えた年は、特総研の51年目に当たります。新たな一歩を踏み出し
たことになります。次の目標は100周年でしょうか。独立行政法人としては、
5年間ずつの「中期目標期間」を地道に積み上げて、前に進んでいく必要が
あります。そのためには、やはり一年ずつの着実な歩みが大切です。
4月からは、第5期中期目標期間の2年目に入ります。研究活動や研修事業、
情報収集・情報発信・理解啓発に努め、我が国の特別支援教育やインクルー
シブ教育システムの推進に貢献していきたいものです。
そのためには、足元を見つめるとともに、半歩先、一歩先を見据えながら、
「特総研のよさ」を発揮していくことが大切です。
特別支援教育は、特別支援学校や小・中学校等の特別支援学級や通級指導
教室に加え、通常の学級に在籍する児童生徒、さらには、幼稚園等の幼児に
も関係のある「教育」になりました。これは、長年の特別支援教育に関わり
のある方々のご尽力の賜物です。
改めて、特別支援教育の意義と特総研の役割の大きさを肝に銘じたいと
思います。
今年も、関係の皆様と手を携えながら、一人一人の子供たちの可能性を伸
ばすため、特総研の職員一同、力を合わせて、様々な活動に取り組んでまい
ります。
どうぞよろしくお願いいたします
独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
理事長 宍戸 和成
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【2】お知らせ
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●令和3年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの開催について
令和3年度の研究所セミナーは「共生社会の形成に向けた特別支援教育の
展開」をテーマとして、インターネットによる配信にて実施します。
◇日時:令和4年2月5日(土) 9:30~16:30
※特設ページの動画配信は、令和4年1月28日(金)~3月4日(金)
◇開催方法:
ライブ配信・・・Zoom及びYou Tube Liveによる配信
動画配信・・・・研究所Webサイトの特設ページから配信
◇定員:1,000名(先着順)
※定員に達した場合は、You Tube Liveでの視聴による参加をお願いして
います。
◇申込期限:令和4年1月21日(金)17:00まで
◇プログラム
【オンラインパート・プログラム(ライブ配信)】
・辻村賞授賞式
・行政説明
・基調講演
「共生社会の形成に向けた教育の展開(仮)」
講師 熊谷晋一郎 氏(東京大学先端科学技術研究センター准教授)
・シンポジウム
「すべての人が活躍する共生社会をめざして」
シンポジスト(予定)
熊谷 晋一郎 氏 東京大学先端科学技術研究センター准教授
川岸 恵子 氏 特定非営利活動法人あかり代表理事
菅野 敦 氏 東京学芸大学名誉教授
佐藤 仙務 氏 株式会社仙拓代表取締役
空岡 和代 氏 全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会長
・分科会(6分科会を予定、申込時に選択可)
【オンデマンドパート・プログラム(動画配信)】
・辻村賞受賞講演
・障害種別研究班の研究活動報告、事業紹介 など
*オンデマンドパートはWebサイトの特設ページにおいて配信します。
*各パートの視聴には事前登録が必要です。下記の研究所Webサイトより
お申し込みください。皆さまのご参加をお待ちしています。
○国立特別支援教育総合研究所セミナーの詳細はこちら→
https://www.nise.go.jp/nc/training_seminar/special_seminar/r3
○研究所公式LINEアカウントからも随時情報を発信しますので、是非友だち
登録をお願いします→
https://page.line.me/126vsvuc
●オンライン研究所公開を開催中(1月31日まで)
特総研では、研究所公開をオンラインで開催しております。既にご視聴い
ただいている方も、前月号で紹介した「地元とコラボ!特総研の施設を紹介
します。」は、各回のナレーターが異なり、それぞれの持ち味を感じること
ができます。また、12月15日(水)からオープンした「とくそうけんキッズ
ルーム」では、子供向けのコンテンツを紹介しています。「~みんな友達!
知ろう 学ぼう 考えよう~」をテーマに、「友達になろう!」、「調べて
みよう!」の2つのカテゴリがあります。「とくそうけんキッズルーム」を
きっかけに、子供たちの知識を広げられることを期待しています。
是非、ご視聴ください。
○研究所公開はこちら→
https://www.nise.go.jp/nc/laboratory_release
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【3】NISEトピックス
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●令和3年度難聴児の切れ目ない支援体制構築と更なる支援の推進に向けた
地区別研究協議会の実施報告
本年度も昨年度に引き続き、「難聴児の切れ目ない支援体制構築と更なる
支援の推進に向けた地区別研究協議会(オンデマンドによる講義配信、ライ
ブによる取組報告・地区別交流会)」を7月より実施してきました。全国各
地より、昨年度を上回る約1,300名に参加いただきました。保健、医療、福祉、
教育の各関係者を始め、当事者団体の方や、大学等で聴覚障害教育を学ぶ学
生にも参加いただきました。
まず、オンデマンドによる講義では、本年度より当事者の方の声、保護者
の声、研究所の研究成果報告の講義を追加して開講しました。当事者の方や、
保護者の方の難聴児支援体制への願いが伝わる内容でした。
また、ライブによる取組報告・地区別交流会も予定していた3回を終了し
ました。
取組報告では、石川県、岐阜県、北九州市の保健福祉部局から、難聴児
早期支援に関わる先端的な取組をご報告いただきました。質問にも丁寧に
回答いただき、他の自治体への参考事例の提供となりました。
地区別交流会は、今年度は、関東地区、中部地区、九州・沖縄地区の3地
区で行いました。各機関の成果と課題、そして課題に対しての対応について、
情報交換をすることができました。「本自治体では、このような情報共有
ツールを活用しています。」「特別支援学校(聴覚障害)の空き教室でNPO
法人が活動し、学校と連携し、難聴児の支援を行っています。」等、他の
自治体に参考となる話が伺えました。今回のような隣接都県同士の交流会は
これまでになかったことで、今回のZoomでの交流会をきっかけに、「今後も
連絡を取り合いましょう。」という話になった地区もありました。
本地区別研究協議会は、令和4年度も実施する予定でおります。来年度も、
全国の関係者が視聴できる講義の配信と、オンラインでの北海道・東北地区、
関西地区、中国・四国地区の地区別交流会を計画しております。
来年度になりましたら、改めて本件もお知らせいたします。
今年度、本会に参加いただきました皆様、心よりお礼申し上げます。
なお、オンデマンド講義は、【1月10日】まで開講しており、まだ視聴
申込受付中です。
○お申込はこちら→
https://www.nise.go.jp/nc/training_seminar/national_training/enter
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【4】高齢・障害・求職者雇用支援機構からのお知らせ
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●高齢・障害・求職者雇用支援機構より「働く広場」1月号のご案内
「働く広場」は、障害者雇用に取り組む企業事例を中心に、身近な障害者雇
用問題を取り上げた月刊誌です。成人期を迎えた障害者の働き方や、障害者
雇用を進める先進的な取組のヒントとして、ご覧ください。
○1月号(12月25日発行)の掲載内容
企業等からの外部講師を活用した職業教育やオンライン授業を取り入れる
等、新しい授業づくりに取り組む特別支援学校等への取材記事 ほか
○最新号URL:https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/index.html
*このご案内は教育現場と就労をつなぐために掲載しております。
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【5】NISEダイアリー
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「目的と手段の混同を避けよう」
宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)
先日、知り合いから、ある動画がスマホに届いた。1歳8か月の男の子が
滑り台を滑り降りる場面を撮ったものだ。
公園にある滑り台である。台の上は大人の背丈よりも高い。男の子は滑り始
めようとしたが、怖い。お母さんに促されて降り始めた。両足を伸ばし、側
面の壁に靴を押し当てながらブレーキをかけて。再度、励まされて、手すり
を固く握っていた手を緩め始めた。すると、滑り台の途中から勢いよく滑り
始めた。靴のブレーキも利かなくなった。下に着くと、強張っていた顔が笑
顔に変わった。お母さんが、「すごいね。よく滑れたね。」と褒めてあげた。
すると、男の子も照れながら、両腕を伸ばした。お母さんに抱っこして欲し
いとの意思表示だ。
こんな光景を眺めながら、褒めることは、言葉だけではないことにも気付
いた。子供の欲している形で称賛することが大切だと思った。そして、それ
を求めている時に、対応してあげることが必要だ。
前にも、褒めることだけでよいのかと書いたことがある。
もっと敷衍(ふえん)して考えれば、褒め方にもいろいろあるということだ。
そして、二人の関係性の中で、よりふさわしい褒め方や認め方があるのだろ
うと思う。
こんなことを考えていて、平成元年時の学習指導要領等の改訂で、養護・
訓練の「指導計画の作成と内容の取扱い」の中で、特に配慮すべき事項とし
て、「個々の児童又は生徒の発達の進んでいる側面をさらに促進させること
によって、遅れている側面を補うことができるような指導事項を取り上げる
こと。」を新たに加えたことを思い出した。
遅れているところを改善したくて、それに特化した指導事項を取り上げが
ちであったので、養護・訓練の指導の新たな視点として、子供の主体性や意
欲を促進するためには、できたことやいいところを褒めようという考え方が
背景にあった。時代の流れの中でこうした傾向は強まり、子供の言動を褒め
ることが優先されるようになった。このことは、間違いだとは思わないが、
時として、目的と手段の混同に繋がることもある。
教育においては、このことがしばしば見受けられる。例えば、研究授業後
の指導助言などにおいて。褒めることで、授業者の意欲が増す場合が多いか
もしれないが、褒められたことで満足してしまうこともある。また、褒め過
ぎてもいけない。自然がいい。つまり、先生の授業力や授業の質を高めるこ
とで、ひいては子供の力や感性を充実することに繋がる。それが指導助言の
目的である。褒めることは、そのための手段の一つである。決して、褒める
ことが目的になってはいけないと思う。
褒めることと課題を指摘すること(叱ること)のバランスが大切だと思う。
そして、「昔は苦言を呈して先生を育てた。だから、今もそうすべきだ。」
とは思わない。今を生きる先生方の意欲を高める方法は、昔とは異なって
当然である。褒め方にも子供の要求に即する必要があるし、褒めるだけで
なく相手に応じて辛口の助言も必要な場合もある。目的は子供のもっている
可能性を伸ばすこと。そして社会に出て自己実現を図ること。教育における
目的と手段の勘違いは、子供に大きな影響を及ぼしかねないことを肝に銘じ
たい。
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【6】アンケートのお願い
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今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。
○アンケートはこちら→
https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=24367&lang=ja
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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第178号(令和4年1月号)
発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
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