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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第155号

メールマガジン

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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第155号(令和2年2月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【お知らせ】
・令和元年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの開催について
【NISEトピックス】
・令和元年度国立特別支援教育総合研究所インクルーシブ教育システム普及
セミナー(中部地区)の開催(終了報告)
・令和元年度第3回地域実践研究推進プログラムの開催(終了報告)
【海外情報の紹介】
・「令和元年度南西アジア・中東・アフリカ地区日本人学校等校長研究協議
会」への参加
・「韓国国立特殊教育院第26回国際セミナー」への参加
・「15th  Annual New England Positive Behavior Support Forum 」への
参加及び学校見学等
【NISEダイアリー】
【特別支援教育関連情報】
・平成30年度特別支援教育に関する調査の結果について
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】お知らせ
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●令和元年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの開催について
 本研究所では「インクルーシブ教育システムの推進」をテーマに、令和2
年2月21日(金)、22日(土)の2日間、国立特別支援教育総合研究所セミ
ナーを実施します。

21日(金)
◇講演1「特別支援教育に関する最新動向」
◇講演2「学習評価の基本的な考え方」
◇パネルディスカッション「各学校における特別な配慮を必要とする子供た
ちの学習評価の現状と課題 ~カリキュラム・マネジメントの視点から~」

22日(土)
◇研究概要紹介・研究成果報告
◇障害種別研究班ポスター発表
◇インクルDB、教育支援機器等の展示
◇地域実践研究成果報告

○日時:令和2年2月21日(金)、22日(土)
○会場:国立オリンピック記念青少年総合センター
    (東京都渋谷区代々木神園町3-1)

○国立特別支援教育総合研究所セミナーの詳細についてはこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/training_seminar/special_seminar/r1

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【2】NISEトピックス
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●令和元年度国立特別支援教育総合研究所インクルーシブ教育システム普及
セミナー(中部地区)の開催(終了報告)
 本普及セミナーは、本研究所のインクルーシブ教育システム推進センター
の活動内容や、各地で実施されているインクルーシブ教育システム構築に向
けての取組を、より多くの方に知っていただくことを目的としております。
 今年度は、中部地区を対象に、静岡県教育委員会との共催で、令和元年12
月14日(土)に開催しました。幼・小・中・高等学校・特別支援学校の教員、
教育委員会、医療、福祉機関の関係者、保護者、学生等、約170名の方々に
ご参加いただきました。
 セミナープログラムは2部構成で、第1部は研究所の取組から、インクル
ーシブ教育システムのミニ講座、地域実践研究、国際動向について報告しま
した。つづく、第2部では、静岡県教育委員会の伊賀匡特別支援教育課長か
ら県の取組の報告がされた後で、4つの分科会が開かれました。各分科会の
テーマは以下のもので、それぞれのテーマに沿った学校や施設の充実した取
組が報告され、参加者との間で協議が行われました。
    Ⅰ-1 多様性の理解を組織的に進める校内体制
    Ⅰ-2 障害のある人のキャリア発達と生涯学習支援
    Ⅱ-1 中学校・高等学校における通級による指導
    Ⅱ―2 小学校・高等学校における特別支援学校分校の共生・共育
 本普及セミナーの実施に当たっては、静岡県教育委員会をはじめ多くの方
にご尽力いただきましたことに感謝申し上げます。なお、当日の様子につい
ては、本研究所Webサイトで紹介しておりますので、ご覧いただければ幸い
です。

○普及セミナー(中部地区)の当日の様子はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/news/2019/1225

●令和元年度第3回地域実践研究推進プログラムの開催(終了報告)
 令和元年12月19日(木)、20日(金)に地域実践研究推進プログラム(以
下、推進プログラム)の第3回目を本研究所において開催しました。地域実
践研究はインクルーシブ教育システム構築に向けて、地域や学校が直面する
課題を研究テーマとして設定し、教育委員会と協働して課題の解決を図る研
究です。今年度は「教育相談、就学先決定に関する研究」、「インクルーシ
ブ教育システムの理解啓発に関する研究」、「多様な教育的ニーズに対応で
きる学校づくりに関する研究」、「学校における合理的配慮及び基礎的環境
整備に関する研究」の4つの研究課題を設け、それぞれの課題ごとにチーム
に分かれて研究を進めています。推進プログラムは、この地域実践研究を推
進するために年に3回実施するもので、全体会では4つのチームが集まって
情報共有や協議などを行っています。
 今回の推進プログラムでは、教育委員会から派遣していただいた地域実践
研究員17名(長期派遣型6名、短期派遣型11名)及び本研究所の職員25名に
より実施しました。当日は、まず始めに4つのチームに分かれて協議を行い、
その後に全体会を実施しました。全体会では、それぞれのチームの研究代表
及び地域実践研究員から研究報告を行うとともに、研究テーマごとにアドバ
イザーの安藤隆男教授(筑波大学)、原広治教授(島根大学)から助言をい
ただきました。また全体会後には全体会を受けて再度、チームごとに協議を
行いました。
 今後は、今回の推進プログラムでの取組を受けて、それぞれのチームにて
地域実践研究員や、その派遣元である教育委員会と協力しながら、研究成果
のまとめを行うとともに、各地域において成果の普及に取り組む予定です。

○地域実践研究推進プログラムの当日の様子はこちら→
 https://www.nise.go.jp/nc/news/2020/0109

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【3】海外情報の紹介
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●「令和元年度南西アジア・中東・アフリカ地区日本人学校等校長研究協議
会」への参加
              横倉 久(情報・支援部 上席総括研究員)

 令和元年10月22~24日、「令和元年度南西アジア・中東・アフリカ地区日
本人学校等校長研究協議会」に出席しました。海外に赴任される方々が帯同
されるお子さんの相談で、特別支援教育に関する相談(特別な教育的ニーズ
のある子どもたちを対象)や日本人学校からの相談・支援を本研究所では行
っています。また、今年度より高度なグローバル人材の育成を目的として5
つの研究テーマに取り組むAG5「在外教育施設の高度グローバル人材育成拠
点事業」(文部科学省委託事業)として、公益財団法人海外子女教育振興財
団と連携を取りながら、ICTを活用した遠隔支援による日本人学校に対する
特別支援教育の支援体制の強化を意図した「特別支援教育の遠隔指導・相談
体制の構築」の研究も開始したところです。
 日本人学校等校長研究協議会は、毎年、4つのブロックに分かれて開催さ
れていますが、そのうちの1つ、政府共催(外務省、文部科学省)の校長会
に参加させていただき、特別支援教育に関する情報提供や相談を行ってきま
した。平成30年度の文部科学省の調査によりますと、在外邦人の中で、小・
中学校の学齢期の児童生徒は、84,253人、うち、日本人学校92校に19,568人、
補習校221校に22,051人が在籍しています。その他は、インターナショナル
スクールや現地校等に在籍しています。
 今回の研究協議会は、エジプト・アラブ共和国カイロ日本人学校を主管校
に開催されました。研究協議会には、地区にある20校の校長先生、外務省及
び文部科学省、公益財団法人海外子女教育振興財団、NPO法人全国海外子女
教育国際理解教育研究協議会と、本研究所が参加いたしました。また、カイ
ロ日本人会が協賛し、来賓として、駐エジプト大使、在エジプト日本国大使
館公使が臨席されました。外務省、文部科学省からの情報提供や相談会の他、
各団体からも情報提供が行われ、別途、文部科学省から「新学習指導要領の
考え方」の基本となる考え方が説明されました。
 本研究所からは、全体会で小・中学校の学習指導要領解説(各教科)で示
された「障害のある児童生徒への配慮事項について」のテーマで情報提供を
行いました。加えて、参加された全校長先生との個別相談、全体協議での指
導・講評等、本研究所及び特別支援教育に係る情報発信・情報収集等の多く
の機会をいただきました。
 参加された校長先生方の全体協議等においては、「日本人学校の児童生徒
数の減少」、「政府派遣教員不足による学校採用教員の増加」、「特別な支
援を必要とする児童生徒や永住者・国際結婚家庭等の児童生徒の割合の増加」、
「安全対策(テロ対策)」等が学校経営上の課題として取り上げられました。
こうした課題に対する改善の取組として「小規模校の特色を生かした個に応
じた指導」、「グローバル人材の育成」、「特色ある教育活動づくり、学校
づくり」、「準全日制補習授業校の取組」等、ピンチをチャンスに変える
(厳しい環境を逆手に取った)意欲的で巧みな事例発表が続きました。
 研究協議会2日目には、カイロ日本人学校への視察があり、授業の様子や
施設の状況を参観させていただきました。カイロ日本人学校は、小・中学部
児童生徒合わせて31名の小規模校で、特別支援学級等の設置はありません。
各学年の学級での授業を参観すると、「教室環境の工夫」、「授業の組み立
ての工夫」、「個人差への配慮」等が当たり前に行われていました。指導案
を見ると、「どの子どもにも答えられる発問の工夫」、「机間巡視時の声掛
けの配慮」等が記載されており、全ての子どもたちが学びに参加できる授業
づくり(学びのユニバーサルデザイン)を意図した、意欲的な取組がなされ
ておりました。
 今後とも本研究所は、我が国唯一の特別支援教育のナショナルセンターと
して、在外日本人学校からの特別支援教育に関する相談支援の充実に取り組
んで参ります。

●「韓国国立特殊教育院第26回国際セミナー」への参加
                            久保山 茂樹
     (インクルーシブ教育システム推進センター 上席総括研究員)

 令和元年10月23日、韓国国立特殊教育院で開催された「韓国国立特殊教育
院第26回国際セミナー」に参加しました。今回のテーマは「インクルーシブ
教育システムの充実に向けた小中学校等における実践事例」でした。韓国の
他、アメリカ、フランス、日本の研究者が招聘されました。
 会場の大講堂には、学校関係者、保護者、教育委員会関係者、大学教員や
学生等、約350名が来場し、ほぼ満席となりました。各国の報告に先立ち、
アイソリ・アンサンブルの演奏がありました。聴覚障害特別支援学校の児童
生徒による美しい歌声があたたかく会場を包み、大変感動的でした。
 アメリカからは、アリサ・ローレイ氏(サザンミシシッピ大学教授)が、
IDEA(障害のある個人の教育法)やESSA(すべての生徒が成功するための教
育法)等の制度面やUDL(学びのユニバーサルデザイン)の実際等について
報告しました。日本からは、筆者がインクルーシブ教育システムの現状や交
流及び共同学習、障害理解授業の実際等について報告しました。フランスか
らは、フランク・サーギアン氏(フランス国立特別支援教育高等研究所視学
官)が、障害のある子どもにかかわる多機関の連携や協働の在り方、PPS
(個別の教育プロジェクト)やESS (学校評価チーム)の実際等について報告し
ました。韓国からは、キム・ジョヘ氏(釜山神学大学教授)が、障害理解の
取組である「障害共感文化」の実践について幼児期からの継続実施すること
の有効性等について報告しました。
 4名の報告の後、パク・スンヒ氏(梨花女子大学教授)の司会で総合討論
が行われ、会場からの質疑応答が活発に行われました。特に、保護者の方か
らの発言が多かったのが印象的でした。日本については、通級による指導の
内容や方法等について質問がありました。
 なお、セミナーの前日には、韓国国立特殊教育院の皆さんの案内でアサン
市特殊教育支援センターとチョナンイネ学校(日本の特別支援学校(知的障
害))を訪問しました。いずれも、バリスタを中心とした職業教育や
e-sports等の余暇活動支援が充実していました。また、だれでも利用できる
カフェを併設するなど、地域に開かれたセンターや学校を目指していました。

●「15th  Annual New England Positive Behavior Support Forum 」への
参加及び学校見学等
                若林 上総(研修事業部 主任研究員)
 
 標題にあるPositive Behavior Support(PBS; Positive Behavior
Intervention and Supportとも同義)とは、日本語に訳せば「積極的な行動
の支援」となります。学校や社会で不適応状態にある人がQOLを高められる
よう、応用行動分析学の知見を活かして、積極的かつ予防的な環境を整備す
る取組を意味します。研究を通じて効果が検証された方法に基づいた実践で
あるということから、わが国でも学校教育に取り入れようとする自治体、学
校が見られます。
 「15th Annual New England Positive Behavior Support Forum」は、こ
のPBSを生かした学校づくりに取り組む教員、研究者のための集会で、令和
元年11月14~15日に米国のボストンで開催されました。米国では、すでに2
万を超える公立学校がPBSを実践に取り入れています。今回の集会でも、PBS
に取り組む教員、研究者がニューイングランド地方(メイン州、ニューハン
プシャー州、バーモント州、マサチューセッツ州、ロードアイランド州、コ
ネチカット州の6州)から多数集まり、集会は大変な盛況でした。内容も多
岐にわたり、シールやポイントを用いながら学校規模で児童生徒の適応行動
を認めていく方法、学校規模の支援だけでは適応を高めることが困難な児童
生徒へのアプローチなど、最新の知見が提供されました。
 また、集会への参加と同時に、PBSを生かした学校づくりに取り組んでい
る、マサチューセッツ州郊外の中学校1校、代替学校(alternative school
;地域の学校で適応困難だった生徒を受け入れる学校)1校を訪問しました。
訪問の目的は、児童生徒の学校適応支援に効果が見込めるPBSが、米国内の
各校でどのように定着しているか、その実際を知ることでした。それぞれの
訪問校では、学校生活を通じて生徒に期待される行動が明確化されており、
期待通りに行動できた時には、生徒にポイントが付与され、教員や生徒の間
で認められることになっていました。この仕組みは、ポイント集計等に各種
のアプリケーションが活用されるなど、取組の「効率」が高まるよう工夫さ
れていました。また、取組に必要な役割を教員、生徒の間で分担するなど、
たくさんの人が取組に「関与」することとなっており、それが関わる人の動
機づけを保ち、体制を維持する工夫につながっていました。
 折しも、わが国では学校における「働き方改革」の必要性から、各地域、
各学校で新たな教育環境の整備が進められています。この改革とともに、こ
れまでに蓄積された障害のある児童生徒への指導・支援のよい部分が引き継
がれ、高い質の指導・支援の継続が図られるためには、取組の「効率」を高
め、学校に関わるあらゆる人の「関与」の在り方を研究する必要があります。
この点では、これからのわが国の学校づくりに役立てていただけるよう、今
回の訪問で得たPBSの研究知見や訪問校の情報を、より多くの方と共有でき
たらと思います。

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【4】NISEダイアリー
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             「分けない指導」
           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

 本研究所の第五期中期計画を考えるための講演会で、ある講師が、「今、
学校現場には戸惑いがある」と、一言述べられた。この言葉が、ずうっと頭
に残っている。どんな戸惑いがあるのだろう。類推するしかないが、あちこ
ち学校現場に出掛ける研究員には、この言葉の意味を探るとともに、肌で感
じてきて欲しいと思っている。
 この4月から、特別支援学校の小学部の教育が、新しい学習指導要領に基
づいて行われることになる。今回の学習指導要領改訂の特徴の一つは、知的
の教科である。その内容が詳しく示されることとなった。単純に考えると、
それをどのように学校現場で生かすかが、悩みの種であろうと推察する。ま
た、知的障害のある子どもを教育する場合には、必要に応じて、各教科等を
合わせて指導を行うこともできる。詳しくなった教科の内容を用いて、どの
ように合わせた指導を行うかが、戸惑いの元ではないかと推察する。
 こうしたことを考えるに当たっては、これまでの学習指導要領の改訂経緯
やその内容について、学校現場で議論してみることが大切である。
 学級担任は、学習指導要領の総則を読むことは、あまりないかもしれない。
どうしても、目の前にいる子どもたちに関わるため、各教科の目標や内容等
に関心が集まる。しかし、各教科等を合わせた指導の根拠などについては、
学校教育法施行規則や学習指導要領の総則に目を通す必要がある。
 施行規則においては、小学校における合科授業(第53条)の規定がある。そ
して、従前から、領域・教科を合わせた指導(第130条の2)の規定がある。
もともと、小学校と同様に、合わせた授業の規定から出発したものだが、こ
れまで「指導」と呼んできていた。そして、学習指導要領総則の「指導計画
の作成に当たっての配慮事項」において、「合わせて指導を行う場合、…具
体的に指導内容を設定すること」とされている。こうした考え方は、従来か
ら変わっていない。だから、合わせた指導の元は、小学校の合わせた授業で
あり、指導計画作成上の一つの方法であることに留意したい。
 特別支援教育になり、視覚障害教育等、他の障害種別でも、知的障害教育
の指導方法が、これまで以上に取り入れられるようになった。つまり、合わ
せた指導をどのように活用すればよいかが問われるようになった。その際に
気になるのが、「分けない指導」という言葉である。これは、知的障害教育
で用いられてきた言葉である。合わせた指導を重要視するための表現でもあ
る。しかし、分けない指導と言うと、既に教えるべき指導内容が固まりとし
てあり、それをわざわざ教科の内容等に分ける必要はないという考えとして
引き継がれてきたように思う。例えば、運動会という単元があり、そこでは、
様々な活動が予想される。それを教科等との関連でいちいち分解する必要は
ないということか。果たして、それでいいのだろうか。やはり、先ずは、合
わせた指導に還りたい。今、問われているのは、学校現場の戸惑いや悩みに
寄り添い、子どもに対して、どのような指導計画を作成して関わるかではな
いか。そんな意味で今、「説明力」が問われているような気がする。

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【5】特別支援教育関連情報
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●平成30年度特別支援教育に関する調査の結果について
 文部科学省は、平成30年度における特別支援教育に関する調査、通級によ
る指導実施状況調査、病気療養児に関する調査、公立学校等における医療的
ケアに関する調査を行い、結果について令和元年12月26日に公表しました。
詳しくは下記URLをご覧ください。

○平成30年度特別支援教育に関する調査の結果はこちら→
 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/1402845_00003.htm

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【6】研修員だより
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 今号は、平成29年度第二期特別支援教育専門研修を修了された白井俊介先
生からお寄せいただきました。

        「顔を見て話をするって、いいですね」
               白井 俊介(兵庫県立西宮香風高等学校)

 私は現在、兵庫県の甲子園球場近くにある兵庫県立西宮香風高等学校に勤
務しています。理科教員として勤務していましたが、高等学校の通級指導の
開始に伴い、研究所での2か月間の研修を受ける機会をいただき、現在も通
級の担当として勤務しています。
 兵庫県の高校通級は、現在12校で実施され、各学校は近隣の小・中学校の
通級担当者と年3回の合同研究会を行っています。指導内容や校内体制など
について情報交換を行うことで、まだまだ試行錯誤が続く高校通級の発展を
目的として実施しています。
 この合同研究会で、私が最も良いと思っているのは、「顔を見て話せる場」
となっていることです。何度か会って話しているうちに、高校主催の3回の
合同研究会以外でも、小・中学校の通級担当者会や飲み会に誘っていただい
たり、また別の研究会や研修でお会いしたりすることがあり、一緒に通級を
担当している者同士のつながりができたように思います。また、今年度は、
研究所の研修で知り合った県外の通級担当の先生や研究所の先生に本校の合
同研究会に参加していただいたり、県外の研修でご一緒したりと、今でも深
いつながりがあることを感じます。
 私は、このつながりがあることで、仕事に前向きに取り組め、広い視野で
通級を考えることができるようになりました。自立活動には、「人間関係の
形成」、「コミュニケーション」がありますが、「人と会って、顔を見て話
をするって、やっぱりいいな」と思うことを、生徒にも伝えていけたらと思
います。

○兵庫県立西宮香風高等学校のWebサイトはこちら→
 https://www.hyogo-c.ed.jp/~kofu-hs/main.htm

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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=82951&lang=ja

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【8】編集後記
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 今回、【海外情報の紹介】の中で、米国で開催された集会やマサチューセ
ッツ州郊外の学校訪問の情報をお伝えしました。この訪問でお世話になった
のが、米国内でPBS実施を支援する拠点の一つである専門機関May Institute
のクリスティンPBS事業部長でした。クリスティンさんとは、2017年にPBS
の実践校を紹介してもらって以来ご縁をいただいており、今回報告させてい
ただいた集会への参加や学校訪問が実現したのも、別の学会で再会した折に、
クリスティンさんから集会への参加のお誘いをいただいたからでした。もち
ろん、今回のご縁を例に挙げるまでもなく、これまでの研究活動でも、たく
さんの先生方とのご縁をいただき、それを支えにしながら、研究知見のとり
まとめを進めさせていただいております。
 同様に、今回のメールマガジンで取り上げたトピックスのいずれも、特別
支援教育の充実を目指すNISE研究員の取組が、たくさんの先生方とのつなが
りを通して共有されたものといえます。物事の成立には、取組を進める力
(=因)と、それを支えるつながり(=縁)が必要だということを仏教で説
いていますが、本研究所での取組も、すべてがこの因縁に基づくものだと、
改めて思い至ります。今回のメールマガジンの発信という取組も、先生方と
の新たなつながりを生み、特別支援教育の充実に何等かの形でお役に立てて
いただけることを願ってやみません。
                   (第155号編集主幹 若林 上総)

○May Instituteについてはこちら→
 https://www.mayinstitute.org/

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第155号(令和2年2月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
          ([アットマーク]を@にして送信してください。)

○研究所メールマガジンの利用(登録、解除、バックナンバーを含む)につ
いてはこちら→
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-*-*-*-*-*-*- リンク集 -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

> NISEweb(研究所webサイト)
  https://www.nise.go.jp/nc/

> 発達障害の情報を知りたいとき
 【発達障害教育推進センターwebサイト】
  http://icedd_new.nise.go.jp/

>「合理的配慮」や「基礎的環境整備」の実践事例が知りたいとき
 【インクルDB】
  http://inclusive.nise.go.jp/

> インターネットで講義を聴講したいとき
  https://www.nise.go.jp/nc/training_seminar/online

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> 教育支援機器、教材について知りたいとき
  http://forum.nise.go.jp/ilibrary/

> 障害のある子どものためのインターネットギャラリー
  https://www.nise.go.jp/kenshuka/jokan/gallery/ichiran.html
 
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